いま、空港は新型コロナウイルスの感染リスクが日本で最も高い施設のひとつです。しかし、「展望デッキは外だからスポッターは問題ない」として、未だに空港に来て飛行機撮影をしているというブログを見かけます。
そこで、日本空港情報館ブログでは、都や府の不要不急の外出自粛の要請にも賛同し、空港訪問の自粛を、広く呼びかけることにしました。
どうか、新型コロナウイルスによる感染症のパンデミックが収まるまで、我慢して、不要不急の空港訪問を止めるよう、切に願います。
まずは、リンク先の記事を見てください。航空専門メディアのAviation wireが3月18日に配信した聖火輸送機出発の記事です。
https://www.aviationwire.jp/archives/198216
5枚目の写真を見ると、展望デッキに沢山の人が押し寄せたことが分かります。そこには、ソーシャルディスタンスなどは一切「無し」。送り出す職員も同じです。
続いて下のリンクを見てみてください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10309.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10313.html
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10316.html
いずれも厚生労働省が、同じ日に出したリリースです。
これを見ると、同日12時までに空港検疫で捕捉できていた陽性者はたった4人でした(そもそも検査対象者が極少なかったため、当たり前)。
しかし、各発生情報を細かく見ると、海外帰りの患者が不気味に増加していたことが分かります。
愛媛の新規患者はイタリア帰り。18日の利用ではありませんが、16日に成田と羽田を利用しています。千葉の1名もオランダからの帰国で、帰宅したその日に咽頭痛発現と、まあー、解熱剤か何かで我慢して頑張って飛行機乗って帰ってきたんだね、というような患者でした。埼玉県の1人もノルウェー帰りで、成田から自宅最寄駅まで公共交通機関を利用しています。
愛知県の2人はフィリピンからの帰国。東京都の9人中1人はイタリアで発症後、自然治癒したと思い込んだ後に帰国して再発した患者でした。
また、この日の福井県で出た1人は同県初患者でしたが、約一週間前に東京出張で羽田を利用。東京都の1人も数日前に羽田から飛行機を往復利用していました。
この日の発表だけでも羽田や成田など複数の空港利用者に患者が複数出ているのが分かります。
そもそも、この時期、欧米からの帰国者はほぼフリーで入国できる野放し状態でした(検査していない)。3月11日にはパンデミック宣言がなされており、欧米で感染が大幅拡大し、それから数日経つのに、です。
そんな感染予備軍が大量に集まる空港に撮影に出かけるなど自殺行為で、そこからさらに別の場所に行くのは殺人行為に近いとも言えます。
もうこの時点で、展望デッキで呑気に撮影してるような時ではなく、空港での感染リスクは爆発している状態でした。厚労省はそれが分かるデータを出し続けていたにも関わらず、自粛しない人があまりにも大勢いたわけです。
その後の推移はご承知の通りで、悪化の一途。29日までの1週間半で、空港検疫での患者発覚は一気に50人に到達しました。検疫をすり抜けて、自宅に帰ったあとに発病するケースも相次ぎ、厚生労働省は、3月下旬以降は帰国者が、陽性確認者の全体の4分の1を占めると発表するほどになってしまいました。
この29日時点でも、実は、アメリカや、欧州でも英国などからの帰国者は検査対象外。武漢チャーターで帰国した人が何の検査もなく歩き回っている状態と言ったら分かりやすいでしょうか。そんな人たち、いわゆる感染予備軍がどんどん「空港を経由して」入国し、日本のなかを歩き回っているわけです。
25日には渡航に関する危険情報のレベルが全世界レベル2に引き上げられています。
それでも、空港訪問するブロガーやスポッターは存在しました。29日に新しくできた羽田の第二ターミナル国際線施設を見に行ったというブログも散見されるほどです。
危険行為以外の何物でもありません。
ここ数日、東京都の患者が毎日三桁で増加していますが、これらの人たちは、3月の三連休〜月末にかけてで感染していると思われる人がほとんど。当時感染が爆発していた欧米帰りの人が大挙して日本の空港に帰国していた時期と一致します。
それは当時で今は大丈夫なんじゃない?と言う方、実は、いまも、便が減ったとは言え、帰国者は当時と変わらず、空港に押し寄せています。
今は、全入国者に検査が義務付けられ、感染者が野放しと言うことはないですが、人数が多すぎて、検査結果待ちで空港で一日待たされるケースもあるほどのようです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200403/k10012367021000.html
検査も万能ではないですから、保菌者でもすり抜ける可能性は充分あります。
そんなふうに感染予備軍が集まって、長時間滞在しているわけですから、空港は、とにかく日本で最も感染リスクが高い施設のひとつになってしまっています。
同じように行動すれば、やはり二週間後には、感染者が増え続けてしまうでしょう。
そんな感染リスクの高すぎる所に、今、わざわざ行かなくても良く、撮影に出掛ける必要は全くありません。
こういうときこそ戦場カメラマンの報道機関にお任せして、報道してもらいませんか。
わざわざ空港に行くことで、出かけるあなた自身が感染するリスクがまずありますし、あなたの体は運良く感染しなくとも、服についたウイルスを、空港や空港外で、撒き散らしているかもしれません。
自家用車で行ったとしても、空港のトイレやレストラン、それこそ展望デッキの手すりを通じて蚊のように感染媒介しているかもしれません。
いま、成田や羽田、関空をはじめとする空港には、無自覚な人も含めて、欧米から新鮮なウイルスを運び込んでくる人がたくさん集まっています。そんな人が集まっているのですから、同じ行動をしても、感染リスクは、空港は街の中よりもグッと高いです。
あなたの行動で空港がクラスターになってしまうかもしれません。
経済が心配なら、コロナの問題が収まってから、ぜひ、空港でたくさん買い物して、たくさん旅行に行ってください。そして、空港でたくさん撮影ください。
今は、そんなことする時ではないです。コロナが収まれば、珍しい飛行機もたくさん飛んできます。それまで待ちませんか。
感染拡大防止のために、どうか、パンデミックが収まるまで、我慢して、今行く必要の無い空港訪問を止めませんか。
空港検疫もやっと入国者全員が対象となり、外国からのウイルス運び込みがやっとほぼなくなることになりました。ここからは、短期間で、一気に皆で我慢して、さっさとウイルスを抑え込んでしまいましょう。で、さっさと再びいつも通り撮影できるようになる方が良くないですか?
わたしたちが外に出なけりゃ、感染は拡がりません。
ぜひ、空港訪問を自粛してみませんか。
ラベル:感染症