□空港検疫 全員検査で罹患率は衝撃の0.3%、陽性者は無症状が過半数
厚生労働省(厚労省)は毎日、新型コロナウイルス感染症の現在の状況を発表しており、これまでに、日本に到着した航空利用者の全員に対するPCR検査が始まってから三日間分の状況が公表されています。全員検査の結果は、2,932人にPCR検査が実施され、有症状患者4人、無症状病原体保有者が5人であることが判明。罹患率はなんと0.3%と超高率になっている実態が明らかになりました。
空港検疫は、現在、日本で唯一全員に検査が行われている場所です。海外からの帰国者という特殊要因はありますが、検査結果の内容は、新型コロナウイルス感染症の罹患状況を確認する上で、日本でいま、最も正確な数値を捉えることができるものになっています。
全員検査が始まったのは今月3日0時。データは毎日正午現在で出されているので、3日正午現在の発表と6日正午現在の発表を見比べることで、正確な検査結果を把握できます。この三日間での検査対象は2,932人。このうち、検査陽性者は9人で、単純に罹患率は約0.3%となっています。
日本国内では、PCR検査実施者36,687人に対して有症状患者1,808人、無症状病原体保有者が241人、症状不明者が492人(=陽性者2,541人)で、罹患率は6.9%です。空港検疫の数値と大きな開きがありますが、国内事例は、より感染確率の高い濃厚接触者や有症状者を中心にしか検査されておらず、実態とかけ離れた数値と言わざるを得ません。
検査結果は万能ではありませんから、多少のブレは考えられますが、より実態に近いと思われるのは、空港検疫の数値です。
罹患率0.3%は、数値だけ見ると低いように見えますが、そのまま日本全土に置き換えると、3月の推計人口が1億2595万人なので、38万人弱が感染している計算になります。かなり衝撃的な数値です。
しかし、米国が現時点で30万人超えの感染者数なので、あり得ない数値ではないとも考えられます。
一方で、その可能性は低いと思われますが、現時点での感染者数(3,654人)を国内の正しい感染者数だとすると、罹患率は0.002%となります。それと比較すると、入国者の罹患率は約150倍というとんでもない数値になり、空港が非常に危険な空間だと考えられる結果だとも言えそうです。
さらに注目すべきは、空港検疫での事例では六割弱が無症状となっている点。罹患率0.3%と合わせると、単純計算で、気が付いていない感染者が国内に20万人弱もいることになります。軽い咳程度でも有症状者に分類されますから、実態としてはもっと多くの日本人が気が付いていないのかもしれません。
個人的には、空港検疫の検査数が三日間でたった2,932人だったのがちょっとした衝撃でした。空港検疫の数値は、それがそのまま入国者数になります。つまり、この三日間は日本全国で、一日千人ほどしか入国いないことを示しています。
数字が出ている訪日外国人旅行者数と出国日本人数を合わせると、年間利用者は例年5千万人前後。一日13万人程が入国していたはずで、国際線利用者は10分の1以下に激減していることが判明しました。
■新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年4月6日版)(厚労省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10709.html
■新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(令和2年4月3日版)(厚労省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10688.html
2020年04月07日
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