2020年05月09日

◆地方国際線誘致は無理?

◆地方空港の国際線誘致は無理? コスタ・アトランチカ対応で見えた不思議

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で、ほとんどの空港で消滅してしまいましたが、ここ数年、地方空港で国際線を誘致する動きが加速しています。しかし、パンデミック終息後、地方空港が再び国際線の玄関口になるのは難しいと感じられる事例が発生してしまいました。

その事例とは、長崎でCOVID-19感染が広がったコスタ・アトランチカ号の対応です。

検査が陰性だった乗組員が今月初めから帰国を開始。日本から各国へ航空チャーター便が運航されています。ところが、なぜか、このチャーター便が長崎から東京国際(羽田)経由で運航されています。3日以降、インドネシアやフィリピン等にチャーター便が運航されていますが、目的地から全く逆方向に一回行かされるという不思議な事態となっています。
例えば長崎からマニラまでは約2,200キロで済みます。しかし、羽田経由だと、その半分近い1,000キロ弱も逆方向へ行かされ、そこからさらにフィリピンまで約3,000キロも飛行機に乗らなくてはなりません。

定期便なら仕方がありません。日本の航空会社は地方から国際線を就航させようとせず、実際、普段なら、ANAも日本航空も、ここ数年は、「羽田ハブ」などと言って、いったん利用者を羽田に集め、そこからの国際線を集中させる戦略を取っています。長崎から羽田経由で海外へ飛ぶ人も増えているでしょう。
しかし、今回は比較的自由に区間を設定できるチャーター便です。

運航したANAは長崎発着の国際線定期便を運航していませんので、給油や運航人員配置のためにこうなったのかもしれません。
しかし、長崎は数少ない3,000メートルの滑走路を持つ空港。普段から国際線も就航していて、入管や検疫もあり、施設に問題はありません。
それなのに、羽田を経由するというのは、とても不思議な出来事です。

地方空港はどこも国際線の誘致を声高に叫んでおり、近年運営の民間委託を進めている空港はどこも国際線誘致が大前提で利用者数を増やそうとしています。
国際線誘致の動きは長崎空港も例外ではありません。そして長崎は、江戸時代から、海外との窓口だった場所です。
しかし、そんな世界に向いている土地ですら、国際線の誘致を捨て去るような動きをしてしまったことになります。

COVID-19終息後、地方空港の運営をどうしていくのか、なんだか考えさせられる事例になってしまいました。

コスタ アトランチカ乗組員帰国のための インドネシア行きチャーターフライト運航に関しまして(コスタクルーズ公式サイト)
https://www.costajapan.com/about-costa/press-room/2020-05-05-01
コスタ アトランチカ乗組員帰国のための フィリピン行きチャーターフライト運航に関しまして(コスタクルーズ公式サイト)
https://www.costajapan.com/about-costa/press-room/2020-05-05-02
posted by johokotu at 02:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆その他の話題 | 更新情報をチェックする
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