空港検疫で、偽陰性によるすり抜けとみられる事例が判明しました。
千葉県が10日、国外在住の50歳代男性が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染したと発表しましたが、報道により、3日に成田国際着で入国した日本人男性と判明しました。
男性は、3日に海外から入国。その5日後の8日に検査した結果、陽性であったとしています。千葉日報によりますと、「同じ飛行機に乗っていた同僚の感染が、6日に判明」したとしており、この判明による東京都の情報提供を受けて検査を実施したと報道されています。この50歳代男性は、病原体を保有していたのに検査結果が陰性と出る「偽陰性」いわゆる空港検疫での検査すり抜けであった可能性がある事例となっています。
しかし、もっと気になるのは、報道された感染していたという同僚。
3日に空港検疫で感染が確認されたのは3人しかいません。このうち1人は居住地が非公開で、この人が東京在住の同僚の可能性がありますが、別の報道で、3日に入国した人は全員外国籍であることが判明済みです。そもそも、3日入国者の空港検疫での感染は4日までに判明しており、6日判明ではありません。
東京都の5日〜7日の発表では、海外渡航者であることは確認できません(東京都は人数を出すことを優先しており、詳細を発表しない)。
このため、この同僚も、空港検疫では陰性で、その3日後に陽性確認された可能性がある事例になっています。
千葉日報によりますと、「新型コロナの流行地域ではない」とのことで、空港検疫での検査対象111か国に含まれていない可能性がありますが、滞在元の国名が非公開のため、詳細は不明。対策を非常に難しくしている印象です。
千葉日報によりますと、50歳代男性は国外在住で、入国後は千葉県内のホテル滞在で「待機」していたと報じられています。
同僚が帰国後に外出して感染した可能性もゼロではありませんが、14日間の外出自粛期間に、外出した可能性は低いでしょうし、ましてや、ホテル滞在の人と会っているとも思えません。2人とも感染しているところを見ると、滞在国出発前にすでに感染していたか、飛行機内で感染した可能性が高いです。
となると、最も疑われるのは、2人とも空港検疫の検査での「偽陰性」の可能性です。
PCR検査では、偽陰性が普通に出ます。このため、厚生労働省では、陰性であっても入国後14日間の外出自粛を要請していますが、空港検疫の検査の結果、陰性だからと安心しきっている人も多いとみられます。検査対象でなかった可能性もありますが、このように入国後数日で発症することはわかりました。
空港検疫では、特に5月下旬以降、団体感染と思われる事例が多発しており、同時に帰国した1人だけが陽性というパターンも複数確認されています。
入国後14日間の外出自粛(当然海外渡航はしていない同居人も)をぜひ頑張ってもらいたいものです。
そうすれば、入国時の検査の有無、陽性・陰性にかかわらず、拡大を防ぐことができます。
空港検疫をめぐっては、入国後に、国内の家族や友人に二次感染させた事例はポツポツ発生しています。
陰性でもすぐ感染するという今回の事例で、入国後14日間の外出自粛が重要であることが改めて判明しました。
陰性は感染していないことの証明ではありません。
日本人的自粛感覚は分からないかもしれませんが、
お迎えに行く人は油断はせずに、
さらに入国者も陰性でも油断はせずに
入国後14日間の外出自粛を頑張っていただくことを
切に願います。
日本人的自粛感覚は分からないかもしれませんが、
お迎えに行く人は油断はせずに、
さらに入国者も陰性でも油断はせずに
入国後14日間の外出自粛を頑張っていただくことを
切に願います。
■新型コロナウイルス感染症感染者の発生について(千葉県公式サイト)
https://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/press/2020/documents/0611kansensya108.pdf
■【新型コロナ】県内で3人感染 うち船橋市2人、国外居住1人(千葉日報公式サイト)
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/697484
■新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(第449報)(東京都公式サイト)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/06/06/01.html