2020年06月28日

コロナ_国内感染者が航空移動

■新型コロナウイルス感染症 国内感染者が航空便などの公共交通機関で移動

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者と判明した横浜市在住の10代男性(横浜市577例目)が26日、航空便(東京国際(羽田)-熊本線)を利用していたことが発覚しました。

熊本県が、27日午前11時30分に横浜市から連絡が入ったとして、知事臨時記者会見を行ったことから発覚しました。

男性は、22日に発熱、咳、咽頭痛を発症。25日に横浜市でPCR検査を受診したとしています。
26日18時頃に検査陽性が判明しましたが、横浜市は患者へなかなか連絡がつかず同日20時半頃に患者に連絡を完了したとしています。

患者は、その連絡を受ける前に、26日に航空便(羽田-熊本線)を利用し、熊本県阿蘇保健所管内の実家に帰省していたことが発表されました。
航空便詳細は発表されませんでしたが、航空会社には通知済みで、同便機内で濃厚接触が生じている場合は、適切に対処されるものとみられます。
6月以降、航空便利用の際のルールとして、各航空会社・空港会社とも発熱者や発症者の利用自粛を要請していますが、この男性は25日まで症状があったものの、26日時点で症状が治まったこともあり、航空便に搭乗・公共交通機関で移動できた模様です。
横浜の自宅から羽田空港までは、京浜急行電鉄を利用したことが報道されています。

皮肉にも帰省先の家族だけは濃厚接触無し
この男性は、熊本空港からは友人の車で移動していますが、実家の家族は濃厚接触者となりませんでした。
その理由は、家族が「検査を受けたこと」(陽性であることを聞いたわけではない)を聞いて、敷居をまたがせず、自宅敷地にテントを張ってそちらへ追いやったから(報道だと別棟の納屋のようです)。
家族は、感染症への理解があり、国内感染拡大を少しだけ防げましたが、感染者本人にはそのような意識がなかったため、公共交通機関でウイルスを撒き散らす結果となってしまいました。他の日本人には危険を撒き散らし、親族だけは守るというなんとも皮肉な結果になっています。

入国者より国内感染者の方が意識低い分危険?
現在、海外から入国する人は、陽性の可能性が著しく低い場合も含め、すべての入国者が「公共交通機関の利用禁止」「自宅等からの14日間の外出自粛」を要請され、症状がある場合には空港に留め置かれます。
しかし、国内感染者は、症状があり、感染検査を受けられる条件が揃い、実際検査を受けている人でも、「公共交通機関の利用禁止」「自宅等からの14日間の外出自粛」すらされていません。
入国者などより国内感染者の方が、ウイルスを撒き散らす危険な状況であることが明らかになりました。

このような航空便利用は、3月にスペインから帰国した沖縄県在住者が羽田-那覇線を利用するなどで発生しています。3月頃は、似たような航空便利用が何件か生じていました。
しかし、今は、緊急事態宣言も経て、COVID-19の危険性や問題点が認識できた後。ここ2か月似たような移動は報告されていませんでしたが、まだこの程度の意識しかない人がいることは、非常に危険な兆候です。
今月からは国内線の運航もだいぶ復活して県をまたいだ移動自粛も解除されており、意識が緩んでいる可能性も。まだワクチンはできておらず、一人一人が意識して、より一層予防に努めることが求められることになりそうです。

都市部の移動情報は隠匿状態、感染少ない地方の方が危機意識高く発覚
なお、横浜市はこういった移動などの詳細を発表しない自治体のため、言わば隠匿状態でした。
横浜市の発表では、熊本へ移動したことは一切言及なし。「入院調整中」とまるで横浜市が医療機関手配をしているかのような記載もあり、しかも、「同居家族なし」と家族間で濃厚接触の恐れはないかのような記載をしています。
今回は、横浜市や神奈川県ではなく、熊本県が発表したことから、公共交通機関(航空便)での移動したなどの詳細が判明することになりました。
2018年に流行した麻しん(はしか)の場合、患者の移動歴が細かく発表されていましたが、COVID-19では、東京都など都市部を中心に感謝の移動歴と言った詳細は発表しない自治体が多いです。もしかすると発表されていないだけで、似たようなことはたくさん起こっているのかもしれません。

似たような事例は、3月に宮崎県で発生しています(宮崎県2例目)。イギリス在住からの帰国者(日本人)が、横浜市(自宅なのか友人等の家なのかは不明)から実家のある宮崎県へ航空便で移動し、移動した日に発熱と咳症状で検査を受けて陽性が判明したケースです。
この時も横浜市や神奈川県からは詳細は発表されず、宮崎県が移動の詳細を発表したことで初めて、公共交通機関(バスや航空便)での移動が判明しています。

【6月27日】臨時記者会見(他県で陽性確認された感染者について)(熊本県公式サイト)
https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_33963.html
新型コロナウイルス感染症による新たな市内の患者確認について(横浜市公式サイト)
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/kenko/2020/0627covid-19.html
自宅待機守らず熊本帰省 横浜市の飲食店従業員(日本経済新聞公式サイト)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60897930X20C20A6000000/
新型コロナウイルス 10代男性感染者が阿蘇保健所管内の実家に帰省(テレビ熊本公式サイト)
https://www.tku.co.jp/news/新型コロナウイルス%e3%80%80%ef%bc%91%ef%bc%90代男性感染者が阿蘇保/

新型コロナウイルス感染症患者(2例目、3例目)の発生について(続報)(宮崎県公式サイト)
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/kohosenryaku/kenko/hoken/covid19_20200317.html#no2
新型コロナウイルス感染症に関連した 無症状病原体保有者の発生について(第4報-3)(沖縄県公式サイト)
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/hoken/chiikihoken/kekkaku/press/documents/20200323_covid19_4.pdf
posted by johokotu at 18:00| 東京 🌁| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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