◆空港検疫 非公表事例が続々判明、地方自治体が積極的情報公開で感染防止へ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する空港検疫の検査結果発表で非公表だった事例について、地方自治体が感染防止を目的とした積極的な情報公開を行い、少しずつ明らかになっています。
入国者の感染確認を全国に知らせる厚生労働省の発表で、五月下旬以降、一部項目を非公表とする事例が多発。危機感を募らせる一部の地方自治体は、積極的に情報公開を行い、地元の感染防止のために奮闘しています。
そして、明らかになった非公表事例では、とんでもない問題案件も含まれていることが判明しています。
最も衝撃的だったのは、13日に発覚した山口県の事例です。
山口県が13日に発表したのは、米国海兵隊岩国航空基地在住の3人の感染でした。
12日に東京国際空港(羽田空港)で入国した際の空港検疫での検査で陽性であったことを公表したのですが、米国人3人の団体感染(家族感染)であること、米国からの入国であること、さらに羽田から禁止されている公共交通機関(国内線)を利用したことを伝えています。
海兵隊から外務省経由で連絡を受け、山口県が調査したもの。この3人は空港検疫結果の発表では行動歴が非公表でしたが、山口県の発表で、内容が暴露されました。
13日にはさらに、船橋市が、12日成田国際着の10代男性の感染を公表しました。空港検疫発表では、該当する10代男性は1人のみで、居住地と行動歴が非公表でした。このため、市の発表で、千葉県在住のバングラデシュからの入国者と判明しています。
千葉県では、五月にバングラデシュからの入国者が入国後14日以内に知人と会い、感染を拡げた事例が発生しています。県ごとの傾向が少し垣間見える結果となっています。
空港検疫13日発表分では、13人中9人が行動歴が非公表でしたが、上記地方自治体の発表で、不明者は5人まで縮小しています。
感染防止を目的とした積極的な情報公開が、今後のための分析に繋がる結果を残しました。
12日には前橋市、10日には高崎市でも入国感染者の情報が公開されました。(この2件は、空港検疫結果はきちんと発表されています。)
両市はそれぞれ、国内に入ってからの行動歴を細かく発表。いずれも、片方の親が三ヶ月以上前に子供とともに親の母国に帰っていたこと、一緒に渡航してきたこと、国内に残っていた親族が成田まで迎えに行ったこと、友人も一緒に入国した団体行動であったことなどが明らかにされました。
これにより、入国者の実態や、団体での感染防止対策が必要になること、迎えに行く人の感染防止の取り組みが重要であることが分かりました。
空港検疫結果で公表される項目は、居住地は都道府県名のみ、行動歴は国・地域名しか明らかにはされません。感染者にデメリットは何もありません。むしろ後から暴露されると、その方が周囲の心象は悪くなりますし、感染拡大防止にも一切役に立ちません。
感染するのは防げないときは防げません。その後の行動で、感染拡大を防げるかどうかが分かれます。非公表ではこのあたりの防止対策分析にも支障が出てしまいます。今後入国される皆様、少しでも感染拡大防止に繋げるためにも、非公表にするのは、止めませんか。
■新型コロナウイルス感染症患者について(米軍岩国基地関連)(山口県公式サイト)
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/202007/046549.html
■14日5:29投稿(米海兵隊岩国航空基地公式facebook)
https://www.facebook.com/mcasiwakunijp/posts/1642739572568954
■市内で新型コロナウイルス感染症患者(7月12日:患者発生届162〜164例目、船橋市居住患者167〜170例目)が発生しました(船橋市公式サイト)
https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/kansenshou/001/p082471.html
■新型コロナウイルス感染症患者の空港検疫における陽性例(県外届出)【7月13日更新】(前橋市公式サイト)
https://www.city.maebashi.gunma.jp/kurashi_tetsuzuki/covid19_info/4/24966.html
■新型コロナウイルス感染症の空港検疫における陽性例(高崎市公式サイト)
https://www.city.takasaki.gunma.jp/docs/2020071100018/
2020年07月14日
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