2020年07月23日

検疫結果分析7月中_最悪更に大悪化

◆空港検疫結果分析(期間別)7月中旬 感染確認数過去最悪がさらに大幅悪化

4月3日に入国者に対するPCR検査の全員実施が始まって3か月となりました。

■感染者数も罹患率も急上昇で最悪
7月中旬(7月11日〜7月20日)は、感染者数102人で、4月3日の全員検査開始後最悪の数値を記録しています。上旬に最悪の人数でしたが、さらに悪化。10人以上確認した日は10日中6日で、10日間合計で6割以上増加しています。
10日間の検査人数(≒入国者数)は15,671人で、罹患率は0.650%(推定値)と最悪となりました。
「感染爆発の重大局面」的な、入国者の感染拡大が懸念される状態です。

■便増加で?羽田着がジリジリ増加、福岡も確認
[空港別] 102人中羽田が33人と増加傾向、福岡も1人確認
成田国際(成田)がダントツで多いですが、便増加の影響か、東京国際(羽田)着の人数が増えてきました。
福岡はフィリピンからの入国者です。週2便しかない中部国際も連続確認されています(フィリピン便)。

■男性が多い傾向は変わらず
[男女別] (非公表を除く)男性6割・女性4割
男性が多い傾向は変わりません。相変わらず、男性は単独感染、女性は家族感染が多い印象です。
行動歴(渡航元)と居住地両方とも非公表事例は、男性11人・女性11人と同人数となっています。

■若年層減り中年層が増加
[年齢別] 20代と40代が増加
20代と40代が増加しています。10代以下は減少傾向です。
若年層が減ったことで、家族感染とみられる事例は減っています。

■フィリピンからの入国者が急増中
[渡航元](非公表を除く)73人中フィリピン34人・パキスタン10人・ペルー8人
6月から感染確認が続くパキスタンからの入国者は減少傾向。6月下旬から増えているフィリピンがさらに急増し約半数を占めています。
ペルーが増え始めているほか、欧州各国が若干増加傾向となっています。
非公表のうち4人が米国、1人がバングラデシュと判明しています。

■千葉在住者が全体の3割
[居住地](非公表を除く)78人中千葉30人・地方感染もポツポツ
千葉県在住者の急増が止まらず、全体の3割を占めるダントツな状況です。南関東は51人と半分を占めています。
千葉については、団体感染とみられる事例も多数出ています。若年層は少なく、成人男性が目立つため、同じ会社の滞在地か何かと思えるような傾向になっています。在日パキスタン人も在日フィリピン人も、千葉は、東京・神奈川・埼玉より居住人数が少なく、気になる傾向です。
非公表のうち1人が東京滞在者、1人が千葉在住者と判明しています。

■10歳未満やはり同行者有、外国籍多数は変わらず
[その他] 団体感染が疑われる事例は12件。外国籍は判明15人中12人。
全項目非公表者は1人となりましたが、相変わらず行動歴・居住地非公表者が多いです。全体の2割を占めています。
詳細は公開されていないので推定でしかないですが、同日に同一空港へ同一国からの入国で同一都道府県在住者という団体感染の疑いが強い事例は12件です。全員中年代という事例が多いです。
同行者がいるはずの10歳未満の単独感染もまだ見られます。そのうち1件は同行者がいたことが判明。他の1件では、同行者が空港では陰性、帰宅後再検査で陽性となった事例が発生しています。
報道で国籍が判明しているのは15人のみですが、そのうち12人が外国籍。相変わらず外国籍が多く確認されています。

■団体感染が疑われる事例
・7月11日 成田着 愛 知在住 ペルー2人(10歳未満男・40代女)→別々であることが判明、10歳未満男は別の40代女と同行入国(外国籍・空港検疫陰性・その後陽性)
・7月12日 成田着 群 馬在住 バングラデシュ1人(10歳未満女)→同行者1人有(外国籍・陰性・母親)と判明
・7月12日 羽田着 山 口在住 行動歴非公表3人(10歳未満女・40代男女)→家族感染と判明、米国からの入国判明
・7月13日 成田着 千 葉在住 パキスタン2人(50代女・60代男)
・7月13日 成田着 千 葉在住 パキスタン2人(10代女・40代女)
・7月13日 成田着 埼 玉在住 パキスタン2人(10代男女)
・7月14日 成田着 在住非公表 行動歴非公表1人(10歳未満女)
・7月17日 成田着 北海道在住 フィリピン2人(20代男女)
・7月18日 成田着 三 重在住 ペルー4人(10代男・40代男女・50代女)
・7月19日 羽田着 千 葉在住 フィリピン4人(20代男・30代男2人・50代男)
・7月20日 羽田着 千 葉在住 フィリピン5人(20代男2人・30代男・40代男2人)
・7月20日 成田着 千 葉在住 フィリピン3人(30代男・50代男2人)

■国籍別判明状況※外国籍の方は日本在住者の再入国と考えられます
12日発表 10日着6人・11日着14人
13日発表 11日着2人・12日着11人
14日発表 11日着1人・13日着4人=日本人2人、外国籍3人
15日発表 13日着10人・14日着3人
16日発表 15日着4人
17日発表 15日着5人・16日着3人=外国籍1人(成田市発表で判明、イランから入国)、他7人不明
18日発表 16日着2人・17日着7人
19日発表 17日着3人・18日着6人=日本人1人、外国籍8人
20日発表 18日着1人・19日着10人
21日発表 19日着4人・20日着11人
22日発表 20日着1人・21日着3人

■全項目非公表事例
・No396 11日 成田着

■行動歴と在住地が非公表の事例
・No377 11日 中部着 40代女→マニラ便(フィリピンから入国の可能性大)
・No390 11日 成田着 10代男
・No392 11日 成田着 40代女
・No393 11日 成田着 10代女
・No398 12日 成田着 40代女
・No399 12日 成田着 10代男→バングラデシュから入国の千葉県在住者と判明(船橋市発表)
・No402 12日 成田着 20代男
・No403 12日 成田着 20代男
・No407 11日 羽田着 40代女
・No412 11日 中部着 10代男→マニラ便(フィリピンから入国の可能性大)
・No424 14日 成田着 10歳未満女
・No428 15日 成田着 10代男→★
・No441 16日 成田着 20代女→★
・No450 17日 成田着 30代男→★
・No457 18日 成田着 40代女
・No459 19日 成田着 30代女
・No459 19日 成田着 20代男
・No459 19日 成田着 20代女
・No466 19日 羽田着 30代女
・No467 19日 成田着 40代男
・No468 19日 成田着 40代男
・No484 20日 成田着 20代男
★のいずれかが米国から入国の東京都滞在者(米国横田基地関係者)

■空港検疫での感染確認 各月上中下旬別の傾向(検査者数は推定値)
4月上旬(4/03-4/10):検査11,359人(1,419人/日) 感染 40人=罹患率0.352%
4月中旬(4/11-4/20):検査 8,909人( 890人/日) 感染 15人=罹患率0.168%
4月下旬(4/21-4/30):検査 6,341人( 634人/日) 感染 16人=罹患率0.252%
5月上旬(5/01-5/10):検査 5,910人( 591人/日) 感染 8人=罹患率0.135%
5月中旬(5/11-5/20):検査 5,527人( 552人/日) 感染 5人=罹患率0.090%
5月下旬(5/21-5/31):検査 7,191人( 653人/日) 感染 32人=罹患率0.445%
6月上旬(6/01-6/10):検査 8,447人( 844人/日) 感染 36人=罹患率0.426%
6月中旬(6/11-6/20):検査 9,918人( 991人/日) 感染 54人=罹患率0.544%
6月下旬(6/21-6/30):検査11,885‬人(1,188人/日) 感染 34人=罹患率0.286%
7月上旬(7/01-7/10):検査16,625人(1,662人/日) 感染 65人=罹患率0.390%
7月上旬(7/11-7/20):検査15,671人(1,567人/日) 感染102人=罹患率0.650%
 [空港別] 成田61・羽田33・中部4・関空3・福岡1
 [男女別] 男61・女40・非公表1
 [年代別] 10代下16・20代30・30代15・40代25・50代11・60代4・70代0・80代上0・非公表1
 [渡航元] フィリピン34・インドネシア2・バングラデシュ1・インド4・パキスタン10・
     イラン1・サウジアラビア英国1・スウェーデン1・デンマーク1・フランス2・
     英国4・カメルーン1・米国2・メキシコ1・ペルー8・非公表29
 [居住地] 北海道2・群馬1・栃木1・茨城3・埼玉3・千葉30・東京9・神奈川9・
     長野1・静岡1・愛知6・三重4・京都1・大阪1・兵庫2・山口3・福岡1・非公表24
 11日17、12日11、13日14、14日3、15日9、16日5、17日10、18日6、19日15、20日12=102


※検査対象数は、何月何日着が何人という発表ではなく、2日遅れで集計発表していると思われる数値しか公表されていません。毎日更新されているので、それほど大きくブレることはないと思いますが、確実に何月何日到着分の数値かは不明です。推定値に近い数値として捉えてください。



7月上旬の分析  http://johokotu.seesaa.net/article/476182214.html
6月下旬の分析  http://johokotu.seesaa.net/article/476035991.html
6月中旬の分析  http://johokotu.seesaa.net/article/475861579.html
6月上旬の分析  http://johokotu.seesaa.net/article/475595637.html
5月下旬迄の分析 http://johokotu.seesaa.net/article/475448109.html
ラベル:検疫 感染症
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