2020年08月25日

お家いよう22 応援東京2020パラ

□お家にいよう(その22) 応援しよう東京2020パラリンピック お家で空港のユニバーサルデザインと使いやすさを学ぼう

パンデミックはまだまだ継続中

パラリンピック開幕延期でGO TO KYOじゃないなら
パラリンピアンを迎え入れる空港の使いやすさを
STAY HOME中に一年前から学びませんか


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックが止まらず、日本は第二波の真っただ中。そろそろ第二波自粛に疲れてくる頃では?STAY HOMEでやることがもうなくなった。そんなときは、空港を学びましょう!
今日は、本当だったら東京2020パラリンピックの開幕日。パラリンピアンを迎え入れる空港の使いやすさをネットサーフィンしてみませんか。


■空港はユニバーサルデザインの宝庫
様々な身体障害を乗り越えたパラリンピアン。そんな、世界で羽ばたく人を迎え入れる玄関口が、世界へ羽ばたける空港です。
空港は、実はこういった身体障害を持った人たちにやさしいユニバーサルデザイン(UD)の宝庫です。

公共交通機関は、民間企業であっても行政機関同様に、バリアフリーなどを推進することが義務付けられています。空港については、「みんなが使いやすい空港旅客施設計画」が定められています。
下記の国土交通省のページでそういった内容がまとめられています。
・バリアフリー・ユニバーサルデザイン 交通消費者行政/公共交通事故被害者支援(国交省公式サイト)
 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/index.html
・みんなが使いやすい空港旅客施設計画資料の改定について(平成30年10月)(国交省公式サイト)
 https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000023.html


推進しているバリアフリー整備状況は、下記のページに毎年アップされています。まずは国内の空港はどれだけ進んでいるかを知ることができるでしょう。
・バリアフリー整備状況(国交省公式サイト)
 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_mn_000003.html


■セントレアや羽田、神戸等が有名
国内の空港では、UDの取り組みについて、中部国際空港(セントレア)や東京国際空港(羽田)、神戸空港等が特に有名です。

セントレアでは、開港の5年も前からユニバーサルデザイン研究会を立ち上げてUDを進めています。ターミナル内では、非常に見やすいサインやスロープの多用、音声での案内など、様々な取り組みが行われています。
これらの内容は、鹿島出版会からも書籍が出ていますので、STAY HOME中の読書におススメです。
・ユニバーサルデザイン(中部国際空港公式サイト)
 https://www.centrair.jp/corporate/csr/universal-design/index.html


羽田は、特に第3ターミナルがUDが進んでいます。
この空港は、トイレがUDであることなどを評価され、日本トイレ大賞国土交通大臣賞を受賞しています。異常にトイレの個室が広いのですが、車椅子のすれ違いができるほど通路幅に余裕を持たせるなどをしているそうです。(ちなみにこの賞は、成田国際空港も受賞していますが、文化・技術力を世界に発信などの取り組みが評価されており、その点でも羽田のUDでの受賞は特筆)
・ユニバーサルデザイン(東京国際空港ターミナル公式サイト)
 https://www.tiat.co.jp/environment/universal.html
・日本トイレ大賞(首相官邸公式サイト)
 https://www.kantei.go.jp/jp/headline/brilliant_women/toilet.html


神戸空港では床面に横断歩道のような模様がありますが、これは視覚障害者向けのもの。こんなちょっとしたこともUDの一つになっています。
・ユニバーサルデザイン(関西エアポート神戸公式サイト)
 https://www.kairport.co.jp/terminal/ud


2020STAYHOME021a.jpg
セントレアにある特徴的な長〜いエスカレータも
ユニバーサルデザインの考え方が反映されています


■空港ならではの施設もユニバーサルデザイン
空港特有のUDと言えば、飛行機に乗る際の段差解消が大きな課題です。
大きな空港などでは旅客搭乗橋(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ=PBB)がありますが、車いすが通るためには、あまりきつい傾斜にできません。大型機と小型機では、ドアの高さが大きく異なるため、このトンネル傾斜を考えるのは結構大変。福島空港では、2010年に小型機用のPBBを導入しましたが、手前の階段を降りなくてはならず、完全なバリアフリーにはなっていませんでした。
この問題を解消したのが宮崎空港。2017年に小型機用のPBBを導入し、国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰(第12回)を受賞しています。
ちなみに、最近のPBBは、トンネル内部のちょっとした段差も解消されていて、羽田や大阪国際などで導入されています。
・「小型機対応の旅客搭乗橋(PBB)の開発と日本初の導入」で国土交通省バリアフリー化推進功労者大臣表彰(第12回)を受賞(三菱重工公式サイト)
 https://www.mhi.com/jp/news/story/190125.html
・大阪国際空港ターミナルにおいてユニバーサルデザインのフルフラットタイプ旅客搭乗橋(PBB:Passenger Boarding Bridge)を導入(関西エアポート公式サイト)
 http://www.kansai-airports.co.jp/update/list/180530_pbb/pdf.pdf


地上搭乗の時は、タラップが使用されます。しかし、タラップは階段ですから、車いすなどの利用が困難です。これを解消するため、「パッセンジャー・ボーディング・リフト」と呼ばれる専用車両が導入されているところもあります。ただこれは、車いす専用の施設です。
誰でも利用できる施設としては、2019年末にフジドリームエアラインズ(FDA)がエレベータ付のタラップを名古屋飛行場に導入。少しずつ誰でも使える施設が広がっています。
・会社の取り組み(東京空港交通公式サイト)
 https://www.limousinebus.co.jp/efforts/service/
・車椅子対応エレベーター付パッセンジャーステップ車を導入(FDA公式サイト)
 https://www.fujidream.co.jp/company/press/doc/191224_4.pdf


そして、航空機内ではストレッチャーをそのまま取り付けられるよう工夫されています。
・日本航空株式会社・日本エアコミューター株式会社 「小型機へのストレッチャー搭載の実現等による離島航空路線のバリアフリー化、食物アレルギーツアーの企画等によるユニバーサルツーリズムへの積極的な取組」
 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_tk_000131.html


2020STAYHOME021b.jpg
福島空港に設置されている小型機用PBB(右上)
階段を降りなくてはならず実はバリアフリーではありません
通常のPBBは左にわずかに写っているもの



■東京五輪で変わる日本のユニバーサルデザイン
東京2020パラリンピック開催に先立ち、羽田や成田国際空港から競技会場までのシームレスな移動実現のための検討が行われています。
日本では、1964年の東京オリンピックで、世界初のピクトグラムを採用。UDの考え方が始まったと言われています。新しい東京五輪では、さらにワンステップの向上を進めています。
東京での五輪開催ですが、地方の空港でもこれらに沿ってUDが進んでいますね。オリンピックが、スポーツだけではない祭典であることが分かりますが、その代表例が空港のUDなのかもしれません。
・アクセシビリティ(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会公式サイト)
 https://tokyo2020.org/ja/organising-committee/accessibility/
・ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議(首相官邸公式サイト)
 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/ud2020kkkaigi/
・オリンピック・パラリンピックを見据えたバリアフリー化の推進に関する調査研究(空港から競技会場までのシームレスな移動の実現に向けた検討)(国土交通省公式サイト)
 https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_fr_000045.html


また、最近は、UDの高度化も進んでいて、より様々な人に対応するようになっています。
例えば、成田国際空港では、成田空港UD推進委員会が設立されており、スパイラルアップを実施中。発達障害者への対応も行われています。羽田では、画像解析技術を用いてスマホをかざすUIによる情報提供なども始まっています。
・「成田空港ユニバーサルデザイン基本計画」を決定しました(成田国際空港公式サイト)
 https://www.naa.jp/jp/20180417-UniversalDesign.pdf
・空港の情報ユニバーサルデザイン高度化の共同実験を開始(NTT公式サイト)
 https://www.ntt.co.jp/news2015/1512/151203a.html



UDは、ふとしたところで採用されていて、意識していないと見過ごすようなものも多くあります。
そもそも身体的障害がなくても利用しやすい施設を目指すのがUDですから、空港はほかの施設よりも使いやすいところばかりです。

飛行機に乗らない方も、UDを眺めに空港へ行ってみるのも楽しいかもしれません。
それこそ、障害をお持ちの方には、安心して過ごせる最適なレジャー空間です。
STAY HOMEが明けたら、ぜひ空港へ。その前に各空港のUDを調べておきましょう。

ちなみに、本日8月25日は、東京2020パラリンピックの玄関空港羽田の開港日です(=当時の東京羽田飛行場、1931年開港なので今日から90年目に突入!)。


これまでアップした「お家にいよう」プロジェクト
お家にいながら空港を学べます!遊べます!楽しめます!
Vol01 4/26 http://johokotu.seesaa.net/article/474777868.html 国内空港コンテンツ
Vol02 5/08 http://johokotu.seesaa.net/article/474985058.html 内外空港コンテンツ
Vol03 5/09 http://johokotu.seesaa.net/article/475000295.html 海外空港コンテンツ
Vol04 5/10 http://johokotu.seesaa.net/article/475017943.html キーワーカー応援
Vol05 5/15 http://johokotu.seesaa.net/article/475107266.html 空港ネットショップ
Vol06 5/16 http://johokotu.seesaa.net/article/475123028.html 国内空港SNS
Vol07 5/17 http://johokotu.seesaa.net/article/475118475.html 子供向けコンテンツ
Vol08 6/12 http://johokotu.seesaa.net/article/475546802.html キャラと新ルール
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Vol10 7/07 http://johokotu.seesaa.net/article/476114098.html 七夕 空を見上げよう
Vol11 7/23 http://johokotu.seesaa.net/article/476470171.html スポーツと海と空港
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Vol14 7/27 http://johokotu.seesaa.net/article/476504286.html 応援東京2020 RJAZ
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Vol17 7/30 http://johokotu.seesaa.net/article/476504400.html 応援東京2020 RJTF
Vol18 7/31 http://johokotu.seesaa.net/article/476504428.html 応援東京2020 RJTT
Vol19 8/16 http://johokotu.seesaa.net/article/476870409.html 空港でリモワ移住1
Vol20 8/18 http://johokotu.seesaa.net/article/476871422.html 空港でリモワ移住2
Vol21 8/20 http://johokotu.seesaa.net/article/476872105.html 空港でリモワ移住3
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