◆COVID-19 マスク等着用要請の告知を強化、搭乗拒否も明確化
定期航空協会は18日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに伴う、空港・機内でのマスク着用などの要請の告知を強化しました。マスク等の着用に同意しない場合に搭乗拒否することも明確化しています。
空港・機内でのマスク着用は既に6月から、定期航空協会や全国空港ビル事業者協会が中心となり、ほぼすべての国内の空港ターミナルビル会社や航空会社が要請しています。新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言に基づいて作成されたガイドラインに依る要請です。
各社公式サイト内でも注意喚起され、各空港でも注意喚起の看板が多数出ています。
しかし、これまでマスク等の着用に同意しない場合に搭乗拒否することなどは、あまり告知されていませんでした。
そのような中で、「事前に告知されていない」などとマスク着用拒否を起因として安全阻害行為等を起こす利用者が連続。7日には、緊急着陸する事例も発生しました。
安全阻害行為等は、航空法で定められており、乗務員要請を無視してマスク着用拒否するのは「乗務員の業務を妨げること」に当たるようです。
このため、要請内容の告知を強化した模様です。
今回の要請では、「新型コロナウイルス感染症をはじめとした感染症の拡大防止」と「お客様同士のご不安の解消」がその理由とされており、「唾液等の飛沫防止」等は理由にされていないようです。
マスク着用を拒否する人の主な主張は「感染症防止に効果はない」です。ウイルスの大きさがマスク繊維の隙間より小さいから意味がないとする意見です。しかし、マスク着用は、ウイルス検出にも使われる唾液等の飛沫を目に見えて低減できるうえ、鼻や喉の湿度保持にも役立ちます。
航空機内は、COVID-19パンデミック以前から鼻や喉の湿度保持のためマスク着用する方も多いほど、乾燥しています。ボーイング787型機で機内湿度が話題になるほどですから、普通の室内などと比べてマスクの効果は大きいです。
感染リスクはマスク非着用時より絶対的に下がるはずですが、そのあたりは軽視されているようです。
中国行の便などではいまだに防護服姿や代用品の雨具などを着用している人が多いらしく、驚きをもって報道されていますが、感染防止への意識が高い国もあるようです。海外の航空会社では、フェイスマスク着用を義務付けている会社もありますが、日本では要請にとどまっています。
日本国では、厚生労働省などもマスク着用を要請しています。
酷暑期間に入り、熱中症防止等でマスクを外していいと公的に認められたというデマが出回っていますが、あくまでも「屋外で人と十分な距離(2m以上)が確保できる場合には」や「十分な対人距離を確保の上」といった但し書きがついています。
このため、航空機内のような、冷房が効き、他人と距離を保てない空間は、マスクなどを外してよいとされる場所ではないことが分かります。
7日の緊急着陸事例では、航空会社が、マスク着用拒否者の周囲から別の利用者を離す対応をしたことで、当該客はマスク非着用のまま搭乗を許可されています。それにも関わらず、当該客は機内で威嚇行為を繰り返したため、安全阻害行為等と認定されました。このため、緊急着陸したのはマスク非着用が直接原因ではありませんので、この辺りの捉え方は要注意ですね。
マスクをつけられない病気の方もいるでしょうから、そういう方は診断書を示すとか、事前に航空会社に相談することも必要かもしれません。
■新型コロナウイルス感染拡大防止のための、お客様へのお願い(マスク等の着用について)(定期航空協会公式サイト)
http://teikokyo.gr.jp/pressrelease/532/#section-1
■新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
■「日本の常識は世界の非常識?」防護服姿の中国人乗客 水際対策、日中に温度差(西日本新聞公式サイト)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/638178/
2020年09月19日
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