◆空港検疫結果分析(国籍別) 7月外国籍者の感染異常な高率1%超え
厚生労働省(厚労省)では6月から空港検疫での陽性者の国籍内訳(日本国籍・外国籍別)を発表しています。7月分の詳細を確認したところ、外国籍者の感染が異常に急増していることが明確になりました。
25日に出入国管理統計が更新されて7月の出入国者数の詳細数値が出ましたので、厚労省発表の国籍内訳と合わせて軽く分析してみます。
■外国籍の罹患率急増で1%を超える
7月は、入国者は、日本国籍者、外国籍者ともに増加しています。比率は6月と大きくは変わりませんが、米軍関係者が若干増えた印象です。入国者のうち外国籍者は31.7%しかいないのに、感染者の8割が外国籍と、比率が完全に逆転しています。
日本国籍者は、27,135人中感染者58人で罹患率0.214%でした。6月までに比べると罹患率は増加し、0.2%超えとなってしまっています。
外国籍者は、特別上陸者を除くと、25,088人中感染者219人で罹患率1.746%と、57人に1人という超高率になっています。日本国籍者の8.1倍かかりやすいということが分かります。特別上陸者を含めると60,141人となりますが、その場合でも罹患率0.364%と高水準です。
日本国籍者の感染はあまり増加していませんが、外国籍者の罹患率は急増している状態でした。異常の急増と言って良い水準です。特別上陸は日本国籍者もごく一部いるはずですが、それを全員外国人と考えても罹患率0.364%ですから、それですら280人に1人が感染しているレベルです。
なお、入国者の一部は、検査しなくても入国できます。総検査人数を基に感染率を計算すると、日本国籍者0.193%、外国籍者1.579%と推定できます(検査人数は43,878人と推定されており、それを入国者の比率で分散/推定検査数=日本国籍者30,006人・外国籍者13,871人)。
■入国者が多いから感染確認が多いわけではない
7月に空港検疫で感染確認された人の渡航元別人数を見てみます。、
外国籍者の入国者数の多い国順だと、中国は1人(香港)、フィリピン96人、韓国0人、ベトナム0人、米国14人。
感染者が多い順では、フィリピン96人、パキスタン33人、米国14人、インド12人、ペルー10人でした。欧州は6月に比べて若干増えており、英国6人など欧州全体で17人の感染者が確認されています。
外国籍の比率が多いですが、外国人の入国者数分布の傾向にはあまり近くなく、「感染確認の多さは入国者が多いことが一つの要因」とは全く言えそうにありません。
一例が、中国、韓国、ベトナムで、同国籍者の入国者数はとにかく多いですが、感染確認されている人はほとんどいません。
それにしても、外国人の入国が少なすぎです。そんな中で外国籍の方の感染者が多いのを見てしまうと、差別的になりますが、やはり「外国人の入国はリスクが高い」ということが、4月、5月、6月に引き続き、浮き彫りになってしまいました。
■罹患率推移
3月:日本国籍 0.011%/外国籍 0.002%
4月:日本国籍 0.174%/外国籍 0.213%(特別上陸を加え0.034%)
5月:日本国籍 0.127%/外国籍 0.512%(特別上陸を加え0.083%)
6月:日本国籍 0.150%/外国籍 0.997%(特別上陸を加え0.246%)
7月:日本国籍 0.214%/外国籍 1.746%(特別上陸を加え0.364%)
■空港検疫での感染状況
3月:検査1,679人/日本国籍60人・外国籍 6人=合計66人(日・外=90.9%・ 9.0%)
4月:検査26,990人/日本国籍68人・外国籍12人=合計80人(日・外=85.0%・15.0%)
5月:検査18,223人/日本国籍19人・外国籍26人=合計45人(日・外=42.2%・57.7%)
6月:検査30,676人/日本国籍31人・外国籍93人=合計124人(日・外=25.0%・75.0%)
7月:検査43,878人/日本国籍58人・外国籍219人=合計277人(日・外=20.9%・79.1%)
※検査対象数は、何月何日着が何人という発表ではなく、2日遅れで集計発表していると思われる数値しか公表されていません。毎日更新されているので、それほど大きくブレることはないと思いますが、確実に何月何日到着分の数値かは不明です。推定値に近い数値として捉えてください。
■出入国者数
3月:日本521,730人・外国217,679人・米軍7,116人=合計746,525人
日本国籍・外国籍・米軍協定該当者=69.8%・29.1%・0.9%
寄港 3,075人/通過 980人/観光 0人/乗員 93,507人/その他特別 37人
4月:日本38,983人・外国 5,312人・米軍312人=合計44,607人
日本国籍・外国籍・米軍協定該当者=87.3%・11.9%・0.6%
寄港 183人/通過 24人/観光 0人/乗員 28,472人/その他特別 44人
5月:日本14,864人・外国 4,488人・米軍586人=合計19,938人
日本国籍・外国籍・米軍協定該当者=74.5%・22.5%・2.9%
寄港 1人/通過 0人/観光 0人/乗員 26,169人/その他特別 68人
6月:日本20,615人・外国 8,028人・米軍1,296人=合計29,939人
日本国籍・外国籍・米軍協定該当者=68.8%・26.8%・4.3%
寄港 0人/通過10人/観光 0人/乗員 28,354人/その他特別 39人
7月:日本27,135人・外国10,300人・米軍2,244人=合計39,679人
日本国籍・外国籍・米軍協定該当者=68.4%・26.0%・5.7%
寄港上陸 0人
通過上陸 空港0人=合計2人
観光上陸 0人
乗員上陸 34,981人
その他特別上陸 70人(1人除き全員緊急上陸)
■出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_nyukan.html
5月迄の分析 http://johokotu.seesaa.net/article/476514749.html
6月分の分析 http://johokotu.seesaa.net/article/477054510.html
2020年09月27日
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