■空港検疫(週間速報) 米国や欧州は日本国籍者の感染人数多く、南アジアは外国籍者ばかり、非公表の隠匿者は日本国籍者が多い?
厚生労働省(厚労省)は9日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の11月四週目(11月22日〜11月28日)分の速報値を発表しました。
11月に陽性者が急増している背景には、欧米からの日本国籍者、南アジアからの外国籍者要因であることがはっきりしてきました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。9日の公表で、10月4日〜11月28日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じていますが、分析に活用できます。11月3週目までは分析済みですので、4週目のみの傾向を見ていきます。
■11月は罹患率が急増
11月は過去最多の陽性者数を記録してしまいましたので、速報が出た11月の四週分を少し細かく見てみます。
11月01日〜11月07日は、検体10,589・陽性84で罹患率は0.79%。
11月08日〜11月14日は、検体10,823・陽性89で罹患率は0.82%。
11月15日〜11月21日は、検体11,627・陽性79で罹患率は0.68%。
11月22日〜11月28日は、検体13,789・陽性90で罹患率は0.65%。
四週合計は、検体46,828・陽性342で罹患率は0.73%。137人に1人は感染者という超高感染状態でした。
続いて国籍別の罹患率を見ると以下のようになります。
11月01日〜11月07日は、日本国籍者0.75%、外国籍者0.83%。
11月08日〜11月14日は、日本国籍者0.54%、外国籍者1.02%。
11月15日〜11月21日は、日本国籍者0.52%、外国籍者0.79%。
11月22日〜11月28日は、日本国籍者0.61%、外国籍者0.65%。
(10月04日〜10月31日は、日本国籍者0.34%、外国籍者0.35%)
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しています。外国籍者の割合が少し増えていますが、日本国籍者の割合も追いかけるように増えています。
■欧米からは日本国籍者、アジアからは外国籍者の感染が多い
国別を細かく見ていくと、11月の3週間は以下のような印象を受けます。
・欧米は、入国者の日本国籍者比率が高く、日本人の罹患率も高め(特に米国は人数が多い)。
・アジアは、入国者の外国籍者比率が圧倒的に高く、罹患率も外国籍者の方が高い国が多い(特に南アジア)。
罹患率は、ロシア、パキスタンが先週に引き続き超高確率が続いていて、感染危険国家であることが分かります。
人数は、米国がダントツで、日本国者が倍以上確認されています(入国者も倍以上)。11月から急増していますから、ハワイ要因でしょうか??
フィリピン・インドネシアは、外国籍者の方が多いです(入国者も多い)。
米国から帰ってくる日本国籍者とロシア・南アジアから入国する外国籍者を入国制限すればかなり感染を防ぐことが出来そうな結果となっています。
■非公表者は日本人が多いと思われる結果に
相変わらず非公表が多いのが米国。入国者も陽性者も日本人の方が多い国です。3週連続で誤差(≒非公表者)が出ている状況で、この国だけは非公表にする人が一定数いる、隠匿しやすい国家なのかもしれません。
非公表者のうち6人が外国籍者、8人が日本国籍者であることが確定する結果となっています。日本国籍者の方が、陽性者の総人数が少ないですから、日本人の方が非公表にしやすいと言えるかもしれません。
ウクライナとトルコが3人誤差が出ています。毎日発表では両国滞在者が1人出ているのみですので、週間発表側で3人過計上の可能性が非常に高い状況です。
先週の台湾に引き続き、原則検査なし国である韓国が確認されています。有症状だったか、原則検査なし以外の国との2か国以上訪問者の可能性がありますが、なぜ毎日の個別発表では確認されていないのか不思議な状況です。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視してきます。
■米国からの入国者の動向
10月04日〜10月10日:罹患率0.23%
日本国籍 検体1,674・陽性4=罹患率0.24%、外国籍 検体547・陽性1=罹患率0.18%
10月11日〜10月17日:罹患率0.54%
日本国籍 検体532・陽性4=罹患率0.75%、外国籍 検体215・陽性0=罹患率0.00%
10月18日〜10月24日:罹患率0.15%
日本国籍 検体823・陽性0=罹患率0.00%、外国籍 検体489・陽性2=罹患率0.41%
10月25日〜10月31日:罹患率0.13%
日本国籍 検体1,545・陽性1=罹患率0.06%、外国籍 検体783・陽性2=罹患率0.26%
11月01日〜11月07日:罹患率1.19%
日本国籍 検体1,832・陽性26=罹患率1.42%、外国籍866・陽性6=罹患率0.69%
11月08日〜11月14日:罹患率0.67%
日本国籍 検体1,829・陽性11=罹患率0.60%、外国籍851・陽性7=罹患率0.82%
11月15日〜11月21日:罹患率0.78%
日本国籍 検体2,043・陽性11=罹患率0.54%、外国籍1,017・陽性13=罹患率1.28%
11月22日〜11月28日:罹患率0.64%
日本国籍 検体3,307・陽性20=罹患率0.60%、外国籍933・陽性7=罹患率0.75%
■週間速報内容
11/22-11/28
全検査
合計 検体13,789、陽性90、0.65%↓
日本 検体 6,773、陽性41、0.61%↑
外国 検体 7,016、陽性49、0.70%↓
検体数の多い国
米 国:合計 検体4,240、陽性27、0.64%/日本 検体3,307、陽性20、0.60%/外国 検体 933、陽性 7、0.75%
フィリピン:合計 検体1,899、陽性11、0.58%/日本 検体 178、陽性 2、1.12%/外国 検体1,721、陽性 9、0.52%
インドネシア:合計 検体1,226、陽性11、0.90% /日本 検体 138、陽性 2、1.45%/外国 検体1,088、陽性 9、0.83%
イ ン ド:合計 検体 430、陽性 4、0.93%/日本 検体 41、陽性 1、2.44%/外国 検体 389、陽性 3、0.77%
英 国:合計 検体 391、陽性 3、0.77%/日本 検体 304、陽性 2、0.66%/外国 検体 87、陽性 1、1.15%
罹患率の高い国(検体数100以上)
ロ シ ア:合計 検体 190、陽性 6、3.16%/日本 検体 27、陽性 0、0%/外国 検体 163、陽性 6、3.68%
パキスタン:合計 検体 212、陽性 4、1.89%/日本 検体 18、陽性 0、0%/外国 検体 194、陽性 4、2.06%
メキシコ:合計 検体 120、陽性 2、1.67%/日本 検体 104、陽性 2、1.92%/外国 検体 16、陽性 0、0%
バングラデシュ:合計 検体 227、陽性 3、1.32%/日本 検体 18、陽性 0、0%、0%/外国 検体 209、陽性 3、1.44%
ウクライナ:合計 検体 331、陽性 4、1.21%/日本 検体 285、陽性 4、1.40%/外国 検体 46、陽性 0、0%
※特記
罹患率は韓国が最悪です(検体6(日本国籍3)・陽性1(日本国籍)の16.67%)。
先週に引き続くルーマニア(4.35%)、ロシア(3.16%)が続いています。両国の感染者は全員外国籍者です。
■毎日の個別発表との誤差状況(11月22日〜11月28日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):90人
(B)毎日発表:86人中非公表19人(2か国滞在1人)
(誤差が出ている国)
米 国 (A)4人超過(日本籍20・外国籍7)
インドネシア(A)2人超過(日本籍2・外国籍9)
フィリピン(A)5人超過(日本籍2・外国籍9)=少なくとも外国籍者3人が非公表
ロシア (A)2人超過(日本籍0・外国籍6)=非公表は2人全員外国籍者
ウクライナ(A)3人超過(日本籍4・外国籍0)=非公表は3人全員日本国籍者※
トルコ (A)3人超過(日本籍4・外国籍0)=非公表は3人全員日本国籍者※
英 国 (A)1人超過(日本籍2・外国籍1)
メキシコ(A)1人超過(日本籍2・外国籍0)=非公表は1人全員日本国籍者
韓 国 (A)1人超過(日本籍1・外国籍0)=非公表は1人全員日本国籍者
マレーシア(A)1人超過(日本籍0・外国籍1)=非公表は1人全員外国籍者
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2020年12月12日
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