2020年12月30日

お家いよう27 コロナを振り返ろう

◇お家にいよう(その27) コロナ禍の一年を空港から振り返ろう

パンデミックはまだまだ継続中
どうせ家にいるSTAY HOMEな間は、
お家で少しでも空港に触れてみませんか


今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに振り回された年でした。
情報交通ホットライン日本空港情報館ブログでは、これらCOVID-19関係の記事を数多く配信しました。配信記事をピックアップしながら、空港の話題から見えたCOVID-19を軽く振り返ります。

今年配信したCOVID-19関係の記事は下記のページにまとめています。
http://johokotu.seesaa.net/article/479109053.html

また、COVID-19が関係する記事はタグに「感染症」を付けています。検索する際に参照いただければと思います。


世の中に沢山の業界がある中で、医療を除けば、空港ほどCOVID-19の状況をよく知ることが出来た業界はなかったのではないでしょうか。国内と言うより、国際的な流行を把握できる場にもなりました。

1月 早くも影響が出始める
1月、早くもその異常に晒されたのが空港でした。
ちょうど1月の終わりに静岡空港を訪問しましたが、国内ではほとんどの人が気が付かない間に影響が出ていました。
日本空港情報館ブログでも、まだ対岸の火事的にほとんど話題を取り上げていませんでした。
→01月29日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473602415.html

2月 中国路線から欠航が増加
しかし、2月になると国際線で欠航が増加してきます。中国線、香港線、澳門線、韓国線、台湾線とどんどん欠航が広がりました。2月だけでもかなり多くの記事を配信しています。
→02月04日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473417100.html
→02月05日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473430877.html
→02月05日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473438511.html
→02月05日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473440216.html
→02月06日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473480978.html
→02月08日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473481817.html
→02月25日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473739491.html
→02月26日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473765935.html
→02月27日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473781330.html
→02月29日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473807664.html

そして、世界で、日本からの入国を規制する国が現れ始めます。
2月の時点で日本は既に感染蔓延国として認知されてしまっていました。
→02月25日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473748758.html

しかし、世界から奇異の目を向けられていることに、日本人はあまり気付いていなかったようです。
記事にはしていませんが、2月頃、国際空港では、防護服に身を包んだ異様な人々が増えていたようです。11月に中国の体操選手が防護服に身を包んで来日した際、なぜか「失礼だ」などの批判を浴びて物議を醸しましたが、そんなのより一年も前に、空港では防護服で海外と行き来するのが当たり前でした。そんな対策もしないで外を歩き回る人の方が失礼だ、てなところ。それだけ世界を渡り歩くのは危険と隣り合わせなんです。
でも多くの日本人はそんなことには気づいてもいませんでした。
外国メディアでは、ダイヤモンド・プリンセス号で検疫を受けた外国人の帰国が大ニュースでしたが、その時も空港に防護服の人が数多く現れました。日本だと、日本国民中心の報道になるため、空港はチラッと映った程度のところばかりでした。よく目を凝らしていないと、異様な防護服に身を包んで帰国する人々が沢山いたことに気付くことも出来なかったでしょう。
まあ、その時期の国内は、マスクをすべきだ、すべきでないみたいな、100年も前のスペイン風邪パンデミック時にも劣る低次元の議論が活発だった頃。空港をよく目を凝らして見ていた身からすると、世界はもっと深刻に捉えてて、ホントにヤベーよ、日本は呑気過ぎる。といった感じがしていましたが、井の中のいる日本人が実感するのは難しかったかもしれません。

3月 パンデミックも海外旅行帰りの感染相次ぐ
で、3月になると欠航便も一気に増加。11日にはパンデミックが宣言されます。
日本空港情報館ブログでも、欠航情報をまとめて掲載するようにしました。
中国・韓国からの到着便は3月9日から成田国際と関西国際に限定されています。
→03月09日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473956838.html

韓国・中国・台湾などの路線が多い地方空港では、国際線が全便欠航になる空港が相次ぎました。
→03月14日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474033058.html

入国規制に否定的だった政府もやっと重い腰を動かし、中国以外の国からの入国規制に乗り出します。中国で集団感染が発覚してから既に2か月が経過していました。しかし、3月上旬は緊急事態宣言が出たわけでもなく、世界のパンデミックも対岸の火事的に見ていた人がまだ多かったのではないでしょうか。日本国内で「中国人来るな」と叫んでも、欧米各国が「アジア人来るな」となっていることに気を留める人は多くなかった印象でした。
→03月07日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/473913070.html

それでも、呑気な日本人は、海外旅行に出かけます。3月中は74万人が入国していました。
→05月25日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475278651.html

結果として、3月中旬以降は、海外からのウイルス密輸が激増。この時点で空港検疫では、まだ検査は申告した人のみに行っていましたが、それでも陽性人数が早くも50人を突破します。国内市中感染の4分の1が海外渡航者原因とされる異常な事態に。中旬以降に東京都などが外出自粛などを独自にお願いし始めたことで、やっと自分事と気が付く人が多くなっていった感じでした。
→03月31日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474324606.html
→03月31日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474337044.html

そして、3月25日になってやっと、全世界への渡航の危険度レベルがレベル2に引き上げられました。パンデミック宣言は遅すぎると非常に強く批判されていましたが、それから見ても2週間も遅れてのレベル引き上げでした。
→03月26日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474235878.html

※ちなみに、日本空港情報館ブログでは、COVID-19関連の記事では多くを「パンデミックの影響」という表現にしています。ウイルスが発生したことや緊急事態宣言が問題ではないんです。一番の問題は、パンデミックになっていること。エイズとかエボラとか、麻疹やインフルエンザ、SARSやMARSも消えたわけではありません。パンデミックでないからほぼ無関心でいられるわけで、COVID-19もパンデミックが収まらない限りは、ニューノーマルでも過ごせません。
それを表現しようとしました。


さらに、機内でウイルスを遷される人も出てしまいます。
研究成果として発表されてからなので秋になって初めて分かったのですが、3月下旬には、日本国内をはじめ、世界各国で機内で集団感染が生じた事例が複数出ていることが次々に判明しています。
このうち、分析がされた国内事例では、マスクをしていなかった一人の客を起点に、感染症が拡がると思い込まれている前後左右二席(いわゆる2-row rule)をはるかに超えた座席にもウイルスが飛散し、機外含めて四次感染まで起こしている事例も生じていました。研究対象になった以外にも、機内感染は起きていたのでしょうが、それでも全然情報は出てきませんでしたから、何も知らない日本人は「航空機内で感染拡大した事例はない」と決めつけ、機内でマスクをしないと息巻く人も出ていたほどでした。
→11月15日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478495235.html
→11月19日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478570058.html

4月 空港検疫での全員検査が始まる
4月には空港検疫での全員検査が始まりました。
→04月02日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474368893.html

日本空港情報館ブログでも、毎日発表される検疫結果を、4月8日以降毎日取り上げています。
検査数が足りてる足りてないとか、検査不足だから実態が分からないとか、実態が分からないからエビデンスがないとか、実にくだらない議論が活発になっていった中で、空港検疫での検査は、国内で唯一、正確な罹患率が分かる数字として毎日発信され続けました。でも、報道機関もそれをまともに取り上げてくれません。そこで、日本空港情報館ブログでは、毎日その中身を追い続け、一定期間ごとに内容の分析を行っています。(毎日更新は結構きついので、そろそろ時事ネタを食いぶちにしている報道機関にバトンタッチしたいのですが、相変わらず無理かなあ、、、。)

空港内ホテルの一棟貸出も4月から始まり、空港検疫での待機施設として使用されました。
→04月10日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474502088.html

この頃は、緊急事態宣言を受け、国土交通省が航空利用自粛を要請するなど、異常な状況でした。空港もほとんど開店休業状態に陥っていました。
→04月10日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474510004.html
→04月20日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474664302.html

5月 利用の底で多くの空港が開店休業状態に
5月には、稼ぎ時であるゴールデンウィークの遊び外出の自粛が呼びかけられ、不特定多数が利用する交通インフラは毛嫌いされます。
定期便が全便運休となる空港も10空港以上にまで拡大しました。国際線は前年比0.5%まで利用者が減少しています。
→05月17日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475134270.html
→07月27日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476533684.html

この時期に航空便を利用した方がいたなら「この光景がオレ達の次のフライトの糧になる」ってな感じだったのではないでしょうか。
資本主義だから自己責任のはずの個人商店に補助金だ!と盛んに叫ばれていた割に、社会を動かすインフラに補助金だ!という議論がほとんどなかったのは残念な限りでした(航空会社への支援は結構話題になりましたね)。
欧米の空港では、4月頃には大々的に空港内のウイルス対策整備を敢行。消毒機械やソーシャルディスタンス対応などを進めているところも目立ち、SNSなどを使ったPRにも余念がありませんでした。医療だけではなく、キーワーカーへの感謝表明する空港も多かったです。しかし、日本の空港がこれらを進めたのは夏くらいになってからで、ワンテンポもツーテンポも遅いイメージでした。日本は、どこの空港も民間に丸投げしすぎてお金がなかったのかもしれません。

利用の底だったのは5月。その間に空港では少しずつニューノーマルでの旅客受け入れ対策を進めていきます。国内線でも検温対応が始まり、航空を利用する際の感染予防ガイドラインも公表されています。
→05月05日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/474927473.html
→05月16日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475127870.html

6月 空港検疫での陽性が増加、パキスタンからの入国者で中部地方に危機
緊急事態宣言が解除されてからは、徐々に空港も本格稼働を再開。展望デッキやエンターテインメント施設など不要不急の施設も少しずつ動き始めました。
→05月31日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475373420.html
→06月11日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475541056.html

しかし、6月に入ると、空港検疫で陽性事例が多発するようになります。5月末から出国が可能となったパキスタンからの集団感染者が中部地方に大挙して押し寄せ、家庭内二次感染が連発します。
→06月03日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475413521.html
→06月07日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475487258.html

さらに偽陰性とみられる二次感染も多発しました。
日本の検疫の一番のポイントは14日間の外出自粛と公共交通使用自粛(他人との濃厚接触回避)です。きっちり守る防疫ヒーローがいる一方で、その重要性が全く伝わらず、空港から自宅に帰るのに電車やバスを使ったり、隔離中外に出歩いたり、空港に迎えに行く家族や友人も続出したりする人が出現。14日間自粛期間中に接した国内在住者への二次感染が何度も見られるなど、何とも残念な状況も続きました。
感染者急増に伴って入国者に対する差別的な目線が増えたのもこの時期。入国者にも、それを迎える日本国内の人にも14日間の自主隔離の重要度がなかなか伝わっていませんでした。
→06月17日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475654854.html
→06月29日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475956083.html

この結果、愛知、岐阜、三重の三県知事が、検査結果が出るまで自県民を成田空港から出すな!結果が陽性なら自県民を千葉県から出すな!と差別的に要請するなどちょっとした騒ぎも起きました。
→06月18日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475670481.html

この要請があった直後、成田着のパキスタンからの入国者だけ結果判明前の移動禁止に。そして現在は、外国籍者の場合、陽性の場合は入国出来なくなったので、空港近隣病院で治療することになっています。
→06月20日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/475846019.html

7月 フィリピン便増加で陽性確認も増加
空港検疫での陽性確認は7月にさらに増加。今度はフィリピンからの入国者の陽性確認が続きました。中韓が到着便を成田関空に限定される中、より現地感染が深刻なフィリピンからは成田、羽田、中部、関空、福岡と続々便が就航するという逆転現象も起きました。(と言うより、就航便数が増えたから感染者が増えたといった感じでしょうか)
→08月10日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476768534.html

7月下旬には全国知事会が、空港検疫での陽性者の受け入れについて、特定都道府県に偏らないよう宣言しました。日本国籍者は入国可能なので在住都道府県に戻っての治療も可能です。しかし、実態としては、半年経った今でも相変わらず空港所属都府県で他県民を治療する体制が続き、空港所属都府県の負担が大きくなっています。
→07月20日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476425495.html

そんな中、GOTOトラベルが前倒しでスタートします。物議を醸しましたが、徐々に国内線の利用者が増加し、国内線定期便の全便欠航空港がついになくなりました。国際線定期便も2月に欠航が始まった路線にも初めて再開路線が出て、少しずつ運航が戻り始めました。
→07月18日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476390187.html
→07月22日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476459609.html
→07月22日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476459939.html

徐々に入国者が増える中、米軍基地関係者の感染がクローズアップされたのが7月でした。
羽田から入国直後に航空便を利用する入国者も出るなど問題行動も発生。米軍はその後感染者情報の公表をするようになりました。
→07月15日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476256309.html
→07月18日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476384800.html

8月 検査が唾液抗原定量になったとたん低感染国からの陽性急増
7月末からは空港検疫での検査方法が鼻拭いPCRから唾液定量抗原に変更されます。そこから、低感染国からの入国者の感染確認が突然出るようになり、低感染国から「日本の空港検疫の検査は信用ならん!」と馬鹿にされる事態も起きました。
→08月10日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476765455.html
→08月21日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476960393.html

8月に入ると在日外国人の再入国が許可されます。
→07月30日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476586510.html
→08月29日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477090530.html

しかし、国内感染が拡大したため、国内線の利用は再び減少傾向となってしまいました。
→08月11日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/476792406.html

9月 搭乗時のマスク未着用で安全阻害行為も発生
一方、GOTOで気が緩んだ人が多かったのか、9月、機内でのマスク着用拒否を起因として安全阻害行為等を起こす利用者が連続します。
このため、マスク等着用要請の告知が強化され、国内線でもマスクをしていないと搭乗拒否にあうことが明確化されました。
3月にはマスクしていない人から遠く離れた席への機内感染が生じていたのに、その情報は隠匿され続けていたので、マスク不要と勘違いする人が出てしまったのは、非常に残念な出来事でした。
→09月19日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477475151.html

今回の感染症では、ほとんどのケースで、麻疹の時のような感染者の行動歴が公表されていません。このため、そもそも感染経路の特定に至らないケースが多いです。電車の中や買い物したスーパーで接触したことが原因でも一切分かりませんし、同じ電車やスーパーを利用していた人も、患者がその便やスーパーを使っていることを知ることが出来ないので予防行動を取る気にもなりません。個人情報を登録する航空便ですら前後左右二列の人にしか連絡されず、機内全体の集団感染がほぼ明確だと分かっていても搭乗者全員に連絡が行き渡っていません(3月のものが実例)。で、たいして調べもしないから判明事例も少なく、誰も話題に取り上げなくなります。
はっきり感染経路が推定しやすいのは、感染者が小さいコミュニティにまとまり仲間内で「お前も感染したの!」などと連絡を取りやすい会合原因や病院の院内感染、家庭内感染などの時だけ。
このため、「飛行機内では感染しない」という都市伝説を信じる人や、「感染するリスクはあるけど事例ほぼないし、夜の街みたいに誰も注意喚起してないからとりあえず大丈夫っしょ」みたいな人が大勢出てしまったのかもしれません。

そして、旅行を推奨しているのに、盆休みには外に出るなと呼びかけるなど、日本国内ではチグハグな要請が連発しました。平日の満員電車の密接対策はほとんど何も言わないのに、ゴールデンウィークに引き続き、盆休み、はては年末年始までも、休日や余暇だけを自粛させられるという事態になります。
感染するエビデンスのない息抜き行為だけを止められることに嫌気がさした人が増えてしまったのでしょう。9月のシルバーウィーク以降は、外に出歩く人も増え、感染拡大が止まらなくなってしまいました。
おかげで、航空の利用も低調推移が続いています。

10月 外国籍者の原則入国拒否が解除
10月2日で、空港検疫での全員検査開始から半年が経過しました。
半年のデータを分析(分析ほど細かい話ではなく単なる確認程度でも)すると、空港検疫での罹患率は0.4%前後(低くて0.2%、高いときは1%位)で推移していることが判明します。国内の感染はせいぜい0.02%程度なので、空港が市中より何十倍も危険であることがはっきりしてしまいました。
→10月05日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477743960.html
→10月06日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477763532.html

さらに、7月の検査方法変更から3か月経ち、なぜか低感染国の陽性確認が増えていることも分かりました。
→10月10日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477847498.html
→10月26日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478104272.html

しかし、こういった事実を伝える報道はほとんどありません。エビデンスのないこと(=自分が聞いていないこと)を怖がる必要ないという人も多かったのでしょう。この頃は、ウミガメで遊覧飛行だ等といったイベントが大きく報じられ、浮かれた人たちが空港に集まる事態になっていました。

そんな浮かれが伝わったのか、国際線を巡って、厚生労働省管轄の検疫には無関心の経済産業省が旗振り役となり、人の往来を増やす試みが始まります。
世界の感染が急拡大の一途を辿る中、10月には外国人の原則入国拒否が解除に。感染者や死者が日本よりも少ないシンガポールや韓国などを皮切りにビジネストラックも開始されました。
→09月12日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477352433.html

このため、訪日外国人は倍々ゲームのように急増を始めます。
→11月20日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478587040.html

外から入るのを緩和する一方で、海外へ向かう日本人にも対応させる動きも出ます。海外とのビジネスの行き来を加速させるため、海外渡航者向け検査センターも運用開始になりました。しかし、8月以降海外へ出て行く日本人はむしろ減少。外から入ってくる需要との差が浮き彫りになっています。
→10月13日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477901076.html

一方、国内では、10月に東京もGOTOトラベル対象となったことで、国内旅行に行く人が急増しました。旅行者が増えたことで、国内線は少しずつ利用客が戻るメリットはありましたが、感染拡大は続き、結局年末年始も外へ出られない状況に。結局一番の稼ぎ集中時期の年末年始は利用が激減する事態になってしまっています。
9月のシルバーウィークの影響が出る10月上旬には、本土からだと飛行機でしか行けない北海道や沖縄で感染が急増。GOTOによる訪問増加が感染拡大原因ではないかと早速疑われる状況に陥っていました。
→10月08日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/477808876.html

11月 米国、インドネシア、南アジアと感染続々
11月には初めて全員検査対象国が減少します。ベトナムやタイなど、日本よりも低感染の9か国からの入国者は無症状なら原則検査なしになりました。そして、日本人超短期出張者が会社誓約付で14日間自主隔離が免除される渡航方法も可能になるなど、一気に入国規制の緩和が進みます。
このため、さらに入国者が増加しました。
→11月01日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478230664.html
→10月31日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478200479.html

しかし、11月は空港検疫での陽性確認が急増した月でもありました。
世界では10月頃から感染が急増。それがそのまま持ち込まれた感じでした。

技能実習生などの入国も再開されたことで、11月には大人数団体での入国も出るようになります。このため、団体感染した状態で空港検疫で引っかかる事例も増えました。
→11月19日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478568068.html

検査対象国が減ったことで検査人数が減ったのに、10月の後半からネパールやインドなどの南アジアからの入国者の感染確認が増え、11月に入ると、米国とインドネシアからの入国者の感染確認が爆増。罹患率が高騰し、異常な状態が続きます。
週間ごとに国別の陽性状況も細かい発表が始まり、ロシアや東欧諸国などからの入国者は人数は少なくても罹患率が高いことや非公表にするのは米国が多いことなどが判明しています(米国は日本国籍者と外国籍者が半々、ロシアやアジアは外国籍者、欧米は日本国籍者が多いことも判明)。
→11月14日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478469345.html
→11月22日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478617705.html

入国者が増えたこともあり、空港検疫でのすり抜け事例も多発します。情報が開示されている都道府県は少ないですが、判明できた千葉だけでもひと月に10人ほどのすり抜け陽性が確認出来たほどでした。
→11月23日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478637353.html

12月 陽性確認減らず
12月に入っても、年末年始の一時帰国者が増えたのか、空港検疫での陽性確認はなかなか数が減りません。最後の週末には空港での検査数が初めて一日四千人を突破する日も出るようになりました。陽性確認も比例するように増え、過去最悪の陽性確認数を記録しました。
空港すり抜けによる市中での感染確認や入国者との濃厚接触者の感染も全然なくならずじまいでした。
→12月11日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/478959740.html

12月下旬には、欧州(日本国籍者の方が多い国が多い)から入国の陽性者が急増しています。そんな中で英国で変異種が確認されたことから、一度は緩和された入国規制が初めてさらに強い形で再開されます。英国からの入国者を巡っては、感染確認が年末2週間で急増したのに加え、一般人に対して普段一切情報を開示していない東京都が、異例なことに、すり抜け事例が複数確認できたことを口頭で発表。空港検疫での分析結果で変異種が確認されたことを発表するなどし、最後の最後に大騒ぎに。一年の最後の最後までバタバタの水際対策が進められました。
→12月23日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/479162090.html
→12月27日配信 http://johokotu.seesaa.net/article/479213791.html

こうやって振り返ってみると、2020年は、世界と行き来ができないのに、世界と繋がって生きていることを実感させられた年でした。
世界の感染は続いており、まだまたコロナ禍は収まりそうにないまま、大変だった一年が終わりを迎えます。


こんな状況の中でも、医療従事者は、感染者の治療に奮闘。検疫も水際でのウイルス密輸阻止に活躍しています。
航空・空港事業者は、インフラの一翼を担い、人々の移動を支え続けてきました。
THANK YOU KEY WORKERS!!

今年は、COVID-19パンデミック宣言以降、一度も外に出られていないという人も多かったと思います。
新しい年は、自粛しなくても良い、安心の年になってほしいですね。

※個人的には、まずは羽田の不要不急のターミナル来館自粛要請が解除されることを願っていますが、急増するときに感染確認が増える欧米便は羽田発着が多いので、まだまだウイルス密輸が収まらないから、まだ無理でしょうね、、、。


これまでアップした「お家にいよう」プロジェクト
空港は人生の全てを学べる。
お家にいながら空港を学べます!遊べます!楽しめます!
Vol01 2020/04/26 http://johokotu.seesaa.net/article/474777868.html 国内空港コンテンツ
Vol02 2020/05/08 http://johokotu.seesaa.net/article/474985058.html 内外空港コンテンツ
Vol03 2020/05/09 http://johokotu.seesaa.net/article/475000295.html 海外空港コンテンツ
Vol04 2020/05/10 http://johokotu.seesaa.net/article/475017943.html キーワーカー応援
Vol05 2020/05/15 http://johokotu.seesaa.net/article/475107266.html 空港ネットショップ
Vol06 2020/05/16 http://johokotu.seesaa.net/article/475123028.html 国内空港SNS
Vol07 2020/05/17 http://johokotu.seesaa.net/article/475118475.html 子供向けコンテンツ
Vol08 2020/06/12 http://johokotu.seesaa.net/article/475546802.html キャラと新ルール
Vol09 2020/06/19 http://johokotu.seesaa.net/article/475810078.html 真面目に新ルール
Vol10 2020/07/07 http://johokotu.seesaa.net/article/476114098.html 七夕 空を見上げよう
Vol11 2020/07/23 http://johokotu.seesaa.net/article/476470171.html スポーツと海と空港
Vol12 2020/07/25 http://johokotu.seesaa.net/article/476498310.html 応援東京2020 RJTH
Vol13 2020/07/26 http://johokotu.seesaa.net/article/476504255.html 応援東京2020 RJTQ
Vol14 2020/07/27 http://johokotu.seesaa.net/article/476504286.html 応援東京2020 RJAZ
Vol15 2020/07/28 http://johokotu.seesaa.net/article/476504334.html 応援東京2020 RJAN
Vol16 2020/07/29 http://johokotu.seesaa.net/article/476504367.html 応援東京2020 RJTO
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Vol19 2020/08/16 http://johokotu.seesaa.net/article/476870409.html 空港でリモワ移住1
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Vol21 2020/08/20 http://johokotu.seesaa.net/article/476872105.html 空港でリモワ移住3
Vol22 2020/08/25 http://johokotu.seesaa.net/article/476971412.html 応援東京2020 パラ
Vol23 2020/08/29 http://johokotu.seesaa.net/article/477101889.html 遊覧飛行準備しよう
Vol24 2020/09/05 http://johokotu.seesaa.net/article/477227398.html 空の日を楽しもう
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THANK YOU KEY WORKERS
#Light It Blue

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