2020年12月30日

検疫週間速報12月3_日本人入国増加

■空港検疫(週間速報)12月3週目 日本人入国増加中、相変わらず非公表は米国ばかり

厚生労働省(厚労省)は30日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の12月3週目(12月13日〜12月19日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。30日の公表で、10月4日〜12月19日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じていますが、分析に活用できます。
今週分は発表が異常に早かったです(早く年末年始休暇に入りたかったのかな?)。

罹患率はやや減少傾向、日本人は入国者増加で低下?
10/04-10/31 (日本国籍者0.34%:外国籍者0.35%)
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍者0.75%:外国籍者0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍者0.54%:外国籍者1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍者0.52%:外国籍者0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍者0.61%:外国籍者0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍者0.50%:外国籍者0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍者0.43%:外国籍者0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍者0.28%:外国籍者0.62%)

10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しています。外国籍者の方が多い印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えています。
12月に入って少し罹患率が減少し始めています。特に日本人は入国者数が増えているためか、3週目までは日本国籍者がジリジリ下がってきています。
日本国籍者は0.3〜0.6%、外国籍者は0.6〜0.8%と言った感じでしょうか。日本国内の罹患率は0.02%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約28,000人)ですから、相変わらず非常に危険であることが分かります。

罹患率高いのがロシア・南アジア、人数多いのは米国
罹患率は、相変わらずロシア、南アジア(パキスタン、今週はバングラデシュ)が超高確率が続いています。航空利用時に感染するリスクが高い国であると言えそうです。ロシアからは直行便が飛んでおり、利用する際には要注意ですね。
人数は、米国がダントツなのも変わりません。この国は相変わらず感染者数は日本:外国が1:1程度。入国者が一気に日本人が増えましたので、罹患率は外国籍の方が高いです。

年末年始需要が始まったのか、入国者数は、日本国籍者が増え、外国籍者が減少傾向です。
変異株で騒ぎになっている英国は、12月に入ってから日本国籍者の入国者数が倍増している一方、12月3週目は感染者数はまだそれほど増えていません。
11月以降感染者が多いインドネシアやロシアは、これまで外国籍者が多かったですが、今週は日本国籍者が増えています。

感染拡大を防ぐために入国規制を本気でかけるなら、米国からの入国、欧米からの日本人の入国、フィリピン・インドネシア・南アジア・ロシアからの外国人の入国を防ぐのが一番手っ取り早いことが分かります。
6月のパキスタンの空港待機はすぐ対応してましたけど、米国が相手じゃあ、まあ、無理でしょうね。

非公表は半数が米国からの入国者
全く傾向は変わらず、非公表が多いのが米国。24人中12人と半数を占めています。6週連続で誤差(≒非公表者)が出ている状況で、この国だけは非公表にする人が常に一定数いる、隠匿しやすい国家なのかもしれません。
メキシコも2週連続で日本国籍者による非公表が出ました。
欧米は日本国籍者、アジアは外国籍者の非公表が多い印象ですが、インドネシアは日本国籍者も増えました。
非公表者のうち3人が外国籍者、8人が日本国籍者であることが確定する結果となっています。(残り13人は不明)

非公表者について汚い言い方をすれば、「隠匿する民度の低い国民はどこだ」ということなんでしょうが、数週間分析してみて、隠匿する民度の低い国民は日本なのかもしれないことが分かってきてしまいました。悲しいことです。
心理的に考えれば、外国籍者は「嘘申告すると入国拒否されるかも」という感情がある一方、日本国籍者は「やっと日本に帰ってこられた。非公表にしたって厳しい海外みたいに罰せられやしない。近所に知られたくもないしな。」と言う感情がありそうですし。当たり前と言えば当たり前の傾向なのかもしれません。
個人的には、この非公表が、誤った認識で国内に拡散され、外国籍者排斥に繋がっていることを懸念しています。ネットサーフィンしていると、「外人入れる水際対策何とかしろ(怒)」⇒「国籍が非公表がやたら多い」⇒「不法入国を企てる糞野郎ども」という趣旨のコメントが多く見られるためです。その糞野郎は意外と日本国籍者が多いことを早く認識してほしいですね。
入国者起因で国内感染が拡大するのも、入国後14日以内に、国内の人「が」濃厚接触するからです。水際対策は実は国内の問題であることに、多くの日本人にそろそろ気付いてほしいものです。

毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
今年の分析は本日で終了します。


米国からの入国者の動向
10月04日〜10月10日:罹患率0.23%
日本国籍 検体1,674・陽性4=罹患率0.24%、外国籍 検体547・陽性1=罹患率0.18%
10月11日〜10月17日:罹患率0.54%
日本国籍 検体532・陽性4=罹患率0.75%、外国籍 検体215・陽性0=罹患率0.00%
10月18日〜10月24日:罹患率0.15%
日本国籍 検体823・陽性0=罹患率0.00%、外国籍 検体489・陽性2=罹患率0.41%
10月25日〜10月31日:罹患率0.13%
日本国籍 検体1,545・陽性1=罹患率0.06%、外国籍 検体783・陽性2=罹患率0.26%
↓明らかに11月から傾向変化(ハワイ便再開、日本人超短期ビジネス行き来再開がありました=日本人が激増しているのに合致!!)
11月01日〜11月07日:罹患率1.19%
日本国籍 検体1,832・陽性26=罹患率1.42%、外国籍866・陽性6=罹患率0.69%
11月08日〜11月14日:罹患率0.67%
日本国籍 検体1,829・陽性11=罹患率0.60%、外国籍851・陽性7=罹患率0.82%
11月15日〜11月21日:罹患率0.78%
日本国籍 検体2,043・陽性11=罹患率0.54%、外国籍1,017・陽性13=罹患率1.28%
11月22日〜11月28日:罹患率0.64%
日本国籍 検体3,307・陽性20=罹患率0.60%、外国籍933・陽性7=罹患率0.75%
11月29日〜12月05日:罹患率0.75%
日本国籍 検体2,644・陽性14=罹患率0.53%、外国籍1,209・陽性15=罹患率1.24%
12月06日〜12月12日:罹患率0.37%
日本国籍 検体3,544・陽性10=罹患率0.28%、外国籍1,080・陽性 7=罹患率0.65%

12月13日〜12月19日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,300・陽性12=罹患率0.28%、外国籍 963・陽性10=罹患率1.04%


英国からの入国者の動向
11月22日〜11月28日:罹患率0.77%
日本国籍 検体 304・陽性 2=罹患率0.66%、外国籍 87・陽性 1=罹患率1.15%
11月29日〜12月05日:罹患率0.29%
日本国籍 検体 587・陽性 2=罹患率0.34%、外国籍 105・陽性 0=罹患率0%
↓明らかに12月から入国者数に傾向変化(日本人が激増=年末年始帰国が増加?)
12月06日〜12月12日:罹患率0.17%
日本国籍 検体1,066・陽性 2=罹患率0.19%、外国籍 136・陽性 0=罹患率0%

12月13日〜12月19日:罹患率0.33%
日本国籍 検体1,102・陽性 4=罹患率0.36%、外国籍 108・陽性 0=罹患率0%


週間速報内容
12/06-12/12
全検査
合計 検体18,554、陽性74、0.40%↓
日本 検体11,964、陽性33、0.28%↓
外国 検体 6,590、陽性41、0.62%↓


検体数の多い国
米  国:合計 検体5,263、陽性22、0.42%/日本 検体4,300、陽性12、0.28%/外国 外国籍 963、陽性10、1.04%
フィリピン:合計 検体1,733、陽性 7、0.40%/日本 検体 309、陽性 2、0.65%/外国 検体1,424、陽性 5、0.35%
インドネシア:合計 検体1,302、陽性 7、0.54% /日本 検体 515、陽性 4、0.78%/外国 検体 787、陽性 3、0.38%
英  国:合計 検体1,210、陽性 4、0.33%/日本 検体1,102、陽性 4、0.36%/外国 検体 108、陽性 0、0%
ド イ ツ:合計 検体1,063、陽性 0、0%/日本 検体 982、陽性 0、0%/外国 検体 81、陽性 0、0%

罹患率の高い国(検体数100以上)
パキスタン:合計 検体 154、陽性 4、2.60%/日本 検体 37、陽性 0、0%/外国 検体 117、陽性 4、3.42%
バングラデシュ:合計 検体 149、陽性 3、2.01%/日本 検体 46、陽性 1、2.17%/外国 検体 103、陽性 2、1.94%
ロ シ ア:合計 検体 280、陽性 5、1.79%/日本 検体 143、陽性 2、1.40%/外国 検体 137、陽性 3、2.19%
チ ェ コ:合計 検体 102、陽性 1、0.98%/日本 検体 93、陽性 1、1.08%/外国 検体 9、陽性 0、0%
ベルギー:合計 検体 138、陽性 1、0.72%/日本 検体 122、陽性 0、0%/外国 検体 16、陽性 1、6.25%
※特記
罹患率はアイスランドが最悪です(検体7(日本国籍6)・陽性1(日本国籍)の14.29%)。
ナイジェリア(6.67%、日本国籍5人中陽性1人)、エストニア(5.56%、日本国籍17人中陽性1人)、アフガニスタン(4.17%、外国籍18人中陽性1人)が続いています。


毎日の個別発表との誤差状況(12月13日〜12月19日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):74人
(B)毎日発表:73人中非公表23人(複数国滞在者なし)

 (誤差が出ている国)
 米 国 (A)12人超過(日本籍12・外国籍10)=非公表は少なくとも2人は日本国籍者
 フィリピン(A)1人超過(日本籍2・外国籍5)
 インドネシア(A)1人超過(日本籍4・外国籍3)
 英 国 (A)2人超過(日本籍4・外国籍0)=非公表2人は全員日本国籍者
 インド (A)1人超過(日本籍0・外国籍3)=非公表1人は全員外国籍者
 フランス(A)1人超過(日本籍1・外国籍1)
 メキシコ(A)1人超過(日本籍2・外国籍0)=非公表1人は全員日本国籍者(2週連続非公表は日本人確定)
 ミャンマー(A)1人超過(日本籍0・外国籍1)=非公表1人は全員外国籍者
 アフガニスタン(A)1人超過(日本籍0・外国籍1)=非公表1人は全員外国籍者
 エストニア(A)1人超過(日本籍1・外国籍0)=非公表1人は全員日本国籍者
 ナイジェリア(A)1人超過(日本籍1・外国籍0)=非公表1人は全員日本国籍者
 アイスランド(A)1人超過(日本籍1・外国籍0)=非公表1人は全員日本国籍者

水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7

THANK YOU KEY WORKERS
#Light It Blue

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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