◇緊急事態宣言 対象都県に8空港存在
首相は7日、新型コロナウイルスによる感染症のパンデミックに伴い、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県の4都県を対象地域とする緊急事態宣言を発令しました。
期間は8日から2月6日までの1か月間。諸外国の緊急事態宣言と異なり、強制力はほとんどないですが、発令地域では、外出自粛の要請などが可能になります。東京都は早速、「不要不急の外出自粛、特に20時以降の徹底した不要不急の外出自粛」と「営業時間の短縮、催物(イベント等)の開催制限」を要請しています。
これまで細々と続いていた企業の国内出張も減るとみられ、地域内の流動や他地域との行き来が一気に止まるとみられます。
今回宣言が出された4都県には、成田国際(成田)、東京国際(羽田)、調布、大島、新島、神津島、三宅島、八丈島の8空港があります。全空港の一割に過ぎませんが、これらの空港を発着する路線が国内全路線の多くを占めます。インフラ産業は維持する方針なので、空港が閉鎖されるわけではありませんが、影響は非常に大きい状況です。
国際線がまだ残っている空港は、成田、羽田と全2空港が対象地域に入りました。国内線も、羽田としか結ばれていない地方空港が多いため影響は甚大。対象地域に関係しない国内線路線は、北海道内路線、中部圏発着路線、近畿圏発着路線、九州沖縄内路線程度しか残りません。
一方、関東圏では百里(茨城)が唯一、対象範囲外となりました。国際空港では中部国際(中部)や関西国際(関空)が対象から外れており、これらの空港が代替空港として活用される可能性が出てきました。
ただ、国内線は、茨城はスカイマークのみの就航です。東日本大震災の際の山形のように、各航空会社には短期間で代替拠点を開設するノウハウはあります。しかし、航空需要が大幅に減少しており、8空港も閉鎖するわけではないので、茨城空港の積極的な活用はほとんどないとみられます。
国際線については、中部、関空ともに、中国、韓国をはじめ、アジアの多くの航空会社やエティハド航空(ETD)、フィンランド航空(FIN)、ルフトハンザ・ドイツ航空、デルタ航空などは拠点があり、代替は比較的容易です。
いきなり1か月間という長丁場で設定され、既に減っている航空利用者数がさらに減少することは避けられない状況になってしまいました。
感染が拡大し始めたのが11月で2か月以上我慢してきての強制制限で、航空・空港が耐え抜けるのか気になるところ。厳しい状況はまだまだ続いています。
■新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の概要(内閣官房新型コロナウイルス感染症対策公式サイト)
https://corona.go.jp/news/news_20200421_70.html
■新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等について(第1359報)(東京都公式サイト)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/01/07/documents/35_01.pdf
2021年01月07日
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