◇12月の英国からの入国者の陽性確認は全員日本人!!!! 三月の反省空しくまたパニック?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連し、12月に英国からの英国からの入国者の陽性確認が全員日本人であることが明らかになりました。
感染力の強い変異ウイルス(変異株)の国内密輸に関連して、外国籍の新規入国者がやり玉に挙げられていましたが、実態は、今回の変異株を持ち込んだ人は日本人ばかりでした。
12月中旬以降、英国で初めて変異株が蔓延し、日本の空港検疫でも流入阻止がクローズアップされていました。
国籍別のデータは週間ごとにしか出ていないため、12月を含有する11月29日〜1月2日で捉えるしか分かりませんが、この期間に英国からの入国した人で陽性だった人は全部で26人いました。
そして、驚くことにその全員が日本国籍者でした。
この期間の英国からの入国者数は、日本国籍者3,909人、外国籍者585人でしたから、外国籍者からも3、4人程度は陽性者が出ても良さそうなもの。それが全く出ていないことから、日本国籍者の陽性が異常に出過ぎであることは明白です。
そして、驚くのは、これらの陽性確認は12月20日〜12月26日に17人と集中していたことです。その前週の方が入国者数は多いにもかかわらずです。
一見、年末年始の一時帰国が大勢いたからのようにも見えますが、よく考えてみると、12月20日に日本に到着しても、三が日はまだ外に出ることができません。つまり、純粋に年末年始を日本で過ごす目的の人は既に前の週までに入国を果たしていた可能性が高いです(自主隔離中に10人以上で会食し市中感染を引き起こした人物(12月22日入国)のような確信犯は別)。
そして、入国がめんどくさくなった12月27日以降は日本国籍者の入国者が激減しています(前週986人→168人)。
変異株が報道され始めたのが15日頃で、ロックダウンがクリスマス直前でしたから、それこそ、急きょ逃げて帰ってきた日本人が多いと思われる結果となりました。
ちなみに、12月20日〜12月26日はドイツからの入国者数が、たまたま英国からと同じだったのですが、陽性者は1人のみ。英国からの入国者の感染急増の異常さは明らかでした。
3月下旬〜4月初めにかけて、パニック気味に欧米から日本国籍者の入国が激増し、空港検疫で引っかかる感染者が多数出てしまいましたが、それと全く同じ事がまた起こってしまったと言えます。
空港検疫では6月にパキスタンからの入国者の陽性確認が異様に増えたことがあります。愛知周辺在住者が非常に多く、車業界の強い地域だけに、成田や羽田まで車で迎えに行って二次感染するおバカな事例も多発。愛知・岐阜・三重の三県知事が、自県民を空港から出すな!と患者を他都県に押し付ける差別宣言する騒動が起こりました。しかし、パキスタンの人は同国の規制で国外へ出ることが原則禁止されていて、5月末に解禁されたばかりで、入国者が急に増えるのは仕方のないことでした。大して入国方法に変化はなかったのに、7月には感染者確認も激減しています。
一方で、今回話題になった英国は、12月まで強い出入国規制はされておらず、昨年1月以降1年間、航空便は飛び続けています。日本人ならいつでも帰ろうと思えば帰国が可能だったわけです。それでも帰ろうとしなかった人たちが、大挙として押し寄せたのですから、先を読まないアタフタ人があまりに多かったことがよく分かります。海外移住する際に、こういったリスク(日本と同じように治療してもらえない、帰国の足が途絶える、日本より危険etc.)は織り込み済みだと思うのですが、恐怖の前ではなかなか割り切れないのかもしれません。
(1か月以上先に日本公演があるとは言え)この時期に英国在住の著名アーティストが帰国し、一方で、当時まだ変異株が確認されていなかった米国在住の紅白出場著名アーティストが帰国しなかったことで、良識が違いすぎるといって話題になったのも記憶に新しいですね。
ちなみに、6月に急増したパキスタンからの入国者は、その多くが外国籍の在日の人(パキスタンに2019年などに一時帰国したら2020年になってロックダウンされちゃったから日本に戻って来られなくなっちゃったパターンが多い)であることが分かっています。日本人より外人の方がよっぽど冷静に行動していることが分かります。
英国以外を見てみると、12月到着で変異株と確認されたのは、13日時点で、英国18例(うち入国後判明が3例=国籍不明)、アラブ首長国連邦(UAE)4例(うち入国後判明が1例=国籍不明)、南アフリカ/UAE1例、ナイジェリア1例ありました。
このうち、南アフリカとUAEの1人(=南アフリカ/UAE1例のみ)が外国籍だっただけで、残りは全員日本国籍でした。あまりに異様な偏りになっています。
ここから分かるのは、「日本人は変異株に異常に罹患しやすい。」ですが、日本への入国者限定の傾向ですから、それが本当かは分かりません。
ここのところ、変異株の国内密輸に関連し、外国籍の新規入国がやり玉に挙げられています。しかし、実態は、今回の変異株騒動では、持ち込んだ人は日本人ばかりだったことが分かりました。
首相の対応が遅い遅いと言われてはいるものの、SNS便所の落書きはもちろん、多くの国会議員も、どの報道も、悪者にしているのは「ビジネス目的の外国人」ばかりです。
しかし、12月の結果を見る限りでは、外国人や新規入国だけ入国を阻止しても、あまり意味がないことが分かります。
そう言えば、、、。
変異株対策について国は、なぜか矢継ぎ早に、陰性証明提示義務化を決めました。普通に考えたら入国規制が先のような気がしていたので、どうにも不思議でした。
これ、上記の状況が分かったら、腑に落ちました。
現場では、12月に英国から日本人の不要不急の一時帰国が激増したのははっきり分かっていたでしょうし、もしかしたら、症状隠してた人も多かったのかもしれません。そして、日本人ばかりが陽性だったから、外国人の規制強化よりも先に、とにかく陰性証明提示義務化を進めたのではないでしょうか。
「パニック起こす行動や感染実態から、日本人こそが危険だ」とは絶対に口に出来ない国の苦悩が目に浮かぶようです。
今のところ人種による罹患しやすさの違いは、ありそうだけれども、明確になっていません(同じ白人でも欧米は感染多く・オセアニアは感染者少ない、東南アジアでは感染状況は隣国でも大きく異なるetc.)。そろそろ、「外人だからウイルス密輸してそう」という偏見は止めませんか?
変異株が国内流入したことに対するSNSの書き込みでも、なぜか外国人を揶揄する内容が散見されました。しかも、中韓嫌いでそれを指摘する人は多いですが、空港検疫での感染者が一番多い、仲良し米国を指摘する人はほとんどいません。
こうやってデータが出てみると、原因は外国人じゃなく、日本人。日本人は民度が高くてウイルス拡散するような行動を取る人が少ない、というわけでもなさそうであることも分かりました。
こうして見てみると、日本国籍だとか、外国籍だという違いが重要なのではありません。入国する人が日本人だろうが外国人だろうが、現地の感染状況が悪ければ密輸リスクは高まります。各国の感染実態から、入国の許可・不許可・邦人保護目的の特別入国許可(=当然強制隔離)を分けるべきではないでしょうか。
(実は既に国はそれをやってます。8日まではレベル2の国は検査なしで入国できた一方で、レベル3の国は検査が必須だった。)
ウイルスが確認されてからもう1年経ちました。ロックダウンされることも、航空便が突然欠航になることも、入国するときが大変面倒臭いことも、もう分かっていると思います。外国にいる邦人の皆さんにも、パニックにならず、もう少し冷静に対処してほしいものです。
まあ、個人的には、自由に動き回れてユルユルとは言え、戦争だと思っているので、戦場に放り出されたらパニック気味になるのは仕方ないとは思いますけど、それでもねぇ、、、。戦争の敵は外国人じゃなくて、ウイルスですよ、、、。
■英国からの入国者の動向
11月29日〜12月05日:罹患率0.29%
日本国籍 検体 587・陽性 2=罹患率0.34%、外国籍 105・陽性 0=罹患率0%
12月06日〜12月12日:罹患率0.17%
日本国籍 検体1,066・陽性 2=罹患率0.19%、外国籍 136・陽性 0=罹患率0%
12月13日〜12月19日:罹患率0.33%
日本国籍 検体1,102・陽性 4=罹患率0.36%、外国籍 108・陽性 0=罹患率0%
12月20日〜12月26日:罹患率1.50%
日本国籍 検体 986・陽性17=罹患率1.72%、外国籍 149・陽性 0=罹患率0%
12月27日〜01月02日:罹患率0.39%
日本国籍 検体 168・陽性 1=罹患率0.60%、外国籍 87・陽性 0=罹患率0%
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2021年01月14日
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