■空港検疫(週間速報)12月5週目 日本国籍者の入国者数半減、外国国籍者の罹患率が上昇 日本人は不要不急の行き来が多い???
厚生労働省(厚労省)は13日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の12月5週目(2020年12月27日〜2021年1月2日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。13日の公表で、2020年10月4日〜2021年1月2日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じていますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 外国籍者の罹患率が上昇
10/04-10/31 (日本国籍者0.34%:外国籍者0.35%)
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍者0.75%:外国籍者0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍者0.54%:外国籍者1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍者0.52%:外国籍者0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍者0.61%:外国籍者0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍者0.50%:外国籍者0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍者0.43%:外国籍者0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍者0.28%:外国籍者0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍者0.51%:外国籍者0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍者0.49%:外国籍者0.75%)
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しています。外国籍者の方が多い印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えています。
全体の罹患率は、検査総数の増加につられて少し減少し始めていましたが、今週は検体数が激減したせいで、罹患率は増加を続けています。
前週と比べ、検査人数は日本国籍者が半減、外国籍者が増加。陽性者数は日本国籍者が半減、外国籍者が増加です。日本人の年末年始の一時帰国が終了したと考えられます。
このため、再び日本国籍者と外国籍者との間で差が出始めています。日本国籍者は0.3〜0.6%、外国籍者は0.5〜0.8%と言った感じです。日本国内の罹患率は0.06%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約70,000人)ですから、相変わらず非常に危険であることが分かります。
■[陽性者数多い国分析] 米国は日本人半減・外国人倍増
今回の期間は、変異株騒動で入国規制が強化され、入国者が一気に減少した時期です。
英国は激減しています。入国規制が厳しくなったので、入国を諦めた人が多かったと推定されます。
相変わらず数が最多なのは米国で21人が陽性。前週に比べ、日本国籍が半減、外国籍は倍増しています。
他の国も、日本国籍者が激減し、外国籍者は横ばいというケースが多いです。要は、日本国籍者は日本に入国する絶対的な必要がなく、外国籍者は変わらず日本への入国が必要ということ。日本国籍者の行き来は不要不急が多いと推定される事態になっています。
■[罹患率高い国分析] 英国急減、ロシアは悪化したまま
罹患率は、ある程度の入国者(100人以上)がいる国では、英国が激減。罹患率は前週の1.50%から、今週は0.39%と一気に激減しました。また、ロシアが変わらず罹患率が高いです。東欧は若干罹患率高い国が減ったでしょうか。
少しアフリカが増えてきた印象で、陽性者の確認が全世界に広がっています。
■[非公表の多い国分析] 非公表消滅したのに誤差が発生
毎日の詳細発表で非公表者は消滅しました。変異株対応で検疫が強化された中で、行動歴の非公表が禁止になった可能性があります。
非公表者が消滅したので、誤差がなくなるかと思いきや、かなり誤差が出ています。原因が謎です。
■[航空便利用者数分析] 日本人客減少くっきり
合計の利用者数が、前週まで3万人台後半だったのに、26,040人まで激減しています。
米国は約2,000人/週、英国は約1,000人/週減少。英国は277人のみでした。ドイツも半減しており、欧米からの日本人減少が顕著です。
韓国も約2,000人/週、ベトナムも約1,500人/週減少しています。年末年始で技能実習生等の行き来も減った感じでしょうか。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
※非公表がなくなりましたので、細かい分析は今週で終了します。
■米国からの入国者の動向
10月04日〜10月10日:罹患率0.23%
日本国籍 検体1,674・陽性4=罹患率0.24%、外国籍 検体547・陽性1=罹患率0.18%
10月11日〜10月17日:罹患率0.54%
日本国籍 検体532・陽性4=罹患率0.75%、外国籍 検体215・陽性0=罹患率0.00%
10月18日〜10月24日:罹患率0.15%
日本国籍 検体823・陽性0=罹患率0.00%、外国籍 検体489・陽性2=罹患率0.41%
10月25日〜10月31日:罹患率0.13%
日本国籍 検体1,545・陽性1=罹患率0.06%、外国籍 検体783・陽性2=罹患率0.26%
↓明らかに11月から傾向変化(ハワイ便再開、日本人超短期ビジネス行き来再開がありました=日本人が激増しているのに合致!!)
11月01日〜11月07日:罹患率1.19%
日本国籍 検体1,832・陽性26=罹患率1.42%、外国籍866・陽性6=罹患率0.69%
11月08日〜11月14日:罹患率0.67%
日本国籍 検体1,829・陽性11=罹患率0.60%、外国籍851・陽性7=罹患率0.82%
11月15日〜11月21日:罹患率0.78%
日本国籍 検体2,043・陽性11=罹患率0.54%、外国籍1,017・陽性13=罹患率1.28%
11月22日〜11月28日:罹患率0.64%
日本国籍 検体3,307・陽性20=罹患率0.60%、外国籍933・陽性7=罹患率0.75%
11月29日〜12月05日:罹患率0.75%
日本国籍 検体2,644・陽性14=罹患率0.53%、外国籍1,209・陽性15=罹患率1.24%
12月06日〜12月12日:罹患率0.37%
日本国籍 検体3,544・陽性10=罹患率0.28%、外国籍1,080・陽性 7=罹患率0.65%
12月13日〜12月19日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,300・陽性12=罹患率0.28%、外国籍 963・陽性10=罹患率1.04%
12月20日〜12月26日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,887・陽性20=罹患率0.41%、外国籍 789・陽性 4=罹患率0.51%
12月27日〜01月02日:罹患率0.50%
日本国籍 検体2,746・陽性11=罹患率0.40%、外国籍1,426・陽性10=罹患率0.70%
■英国からの入国者の動向
11月22日〜11月28日:罹患率0.77%
日本国籍 検体 304・陽性 2=罹患率0.66%、外国籍 87・陽性 1=罹患率1.15%
11月29日〜12月05日:罹患率0.29%
日本国籍 検体 587・陽性 2=罹患率0.34%、外国籍 105・陽性 0=罹患率0%
↓明らかに12月から入国者数に傾向変化(日本人が激増=年末年始帰国が増加?)
12月06日〜12月12日:罹患率0.17%
日本国籍 検体1,066・陽性 2=罹患率0.19%、外国籍 136・陽性 0=罹患率0%
12月13日〜12月19日:罹患率0.33%
日本国籍 検体1,102・陽性 4=罹患率0.36%、外国籍 108・陽性 0=罹患率0%
12月20日〜12月26日:罹患率1.50%
日本国籍 検体 986・陽性17=罹患率1.72%、外国籍 149・陽性 0=罹患率0%
12月27日〜01月02日:罹患率0.39%
日本国籍 検体 168・陽性 1=罹患率0.60%、外国籍 87・陽性 0=罹患率0%
■週間速報内容
12/20-12/26
全検査
合計 検体13,123、陽性83、0.63%↑
日本 検体 5,965、陽性29、0.49%検体人数半減!!
外国 検体 7,158、陽性54、0.75%↑
検体数の多い国
米 国:合計 検体4,172、陽性21、0.50%/日本 検体2,746、陽性11、0.40%/外国 外国籍1,426、陽性10、0.70%
フィリピン:合計 検体1,149、陽性 4、0.35%/日本 検体 148、陽性 0、0%/外国 検体1,001、陽性 4、0.40%
インドネシア:合計 検体1,098、陽性 5、0.46% /日本 検体 203、陽性 2、0.99%/外国 検体 895、陽性 3、0.34%
ネパール:合計 検体 794、陽性 5、0.63%/日本 検体 6、陽性 0、0%/外国 検体 788、陽性 5、0.63%
フランス:合計 検体 579、陽性 0、0%/日本 検体 308、陽性 0、0%/外国 検体 271、陽性 0、0%
罹患率の高い国(検体数100以上)
ロ シ ア:合計 検体 177、陽性 5、2.82%/日本 検体 56、陽性 2、3.57%/外国 検体 121、陽性 3、2.48%
ブラジル:合計 検体 271、陽性 7、2.58%/日本 検体 34、陽性 0、0%/外国 検体 237、陽性 7、2.95%
パキスタン:合計 検体 229、陽性 5、2.18%/日本 検体 17、陽性 0、0%/外国 検体 212、陽性 5、2.36%
バングラデシュ:合計 検体 138、陽性 2、1.45%/日本 検体 13、陽性 1、7.69%/外国 検体 125、陽性 1、0.80%
カ ナ ダ:合計 検体 332、陽性 4、1.20%/日本 検体 255、陽性 1、0.39%/外国 検体 77、陽性 3、3.90%
※特記
罹患率はマリが最悪です(検体1(日本国籍1)・陽性1(日本国籍)の100.00%)。
ナイジェリア(20.00%、日本国籍2人中陽性1人・外国籍8人中陽性1人)、クロアチア(6.67%、外国籍14人中陽性1人)、ウズベキスタン(6.25%、外国籍8人中陽性1人)が続いています。
■毎日の個別発表との誤差状況(12月27日〜1月2日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):83人
(B)毎日発表:85人中非公表0人(複数国滞在者4人)
(誤差が出ている国)
パキスタン(B)1人超過(日本籍0・外国籍5)
インドネシア(B)2人超過(日本籍2・外国籍3)
アラブ首長国連邦(A)1人超過(日本籍2・外国籍2)
ナイジェリア(B)1人超過(日本籍1・外国籍1)
クロアチア(A)1人超過(日本籍0・外国籍1)
ポーランド(A)1人超過(日本籍1・外国籍0)
メキシコ(A)1人超過(日本籍1・外国籍0)
英 国(B)1人超過(日本籍1・外国籍0)
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2021年01月16日
この記事へのコメント
コメントを書く