◇空港検疫結果分析(週間別)1月2週目 検査人数はあまり増えず、陽性者数3分の2で罹患率0.3%台
4月3日に入国者に対する新型コロナウイルス感染症検査(PCR検査または抗原検査)の全員実施が始まってから9か月が過ぎました。
1月2週目(1月8日〜1月14日)は、検査対象数19,668人中、陽性者数63人、罹患率0.320%(推定値)となりました。
■検査人数は増加、陽性者数3分の2
1月2週目は、1日平均2,809人が検査しました。検査数は前週よりも増加しています。これは、過去二番目の多さですが、1月8日午前0時以降、全入国者に対する検査が始まった影響です。年末よりも少なく、検査数の伸びは鈍いと言えます。元々、11月1日に非上陸拒否国になった9か国が入国者全体の半分以上を占めていましたから、検査数が倍になってもおかしくないはず。検査数が大して伸びていないということは、全体の入国者が急減しているものと思われます。「外国人の新規入国や14日待機しない日本人ビジネスマンの短期出張等が多かった」か、「これまで不要不急の行き来が多かった」ということを示していますね。
陽性者は週間63人と前週の3分の2まで減りました。罹患率は減少し0.320%(推定値)でした。
グラフ化すると、検査者数(青)は増加傾向しましたが急増はしていません。陽性者数(赤)は減少。このため罹患率(緑)も急落しているのが一目で分かります。
(赤が感染者数(左目盛)、青が検査者数(右目盛)、緑が罹患率(右目盛))
■羽田着が激減
[空港別] 63人中 成田44・羽田8・中部0・関空10・福岡1
成田国際着が相変わらず最多です。70%(前週+15P)と急増しています。
原因は東京国際(羽田)着の激減で、13%(前週比-16P)と急落。16%(前週比+2%)とやや高め推移が続いている関西国際着に抜かれました。
福岡着は2週ぶりに陽性者が出ました。
米国からの入国者が激減しているので、羽田着が減ったものと思われます。羽田発着の便は不要不急の利用者の乗る便が多いと言えるかもしれません。
■女性やや増加傾向続く
[男女別] 63人中 男39・女24
男性は62%(前週比-5P)でやや女性が増えている状況が続いています。
■30代が増加、ビジネス個人?
[年齢別] 63人中 10代下8・20代19・30代21・40代8・50代5・60代1・70代0・80代上1
20代〜40代は前週同等の48人76%(前週比+5P)です。30代が21人33%(前週比+8P)とやや増加。年が明けて戻ったのは、技能実習生などの団体や留学生より、ビジネス個人入国が多そうですね。
10歳未満は4人6%(前週比+3P)とやや増加しています。
■米国が激減、アフリカが急増
[渡航元] 63人中 非公表は0人、米国12.5人・アフリカ大陸7.2人・非上陸拒否国8人
非公表者は3週連続で0人0%となりました。入国時の質問の仕方が変わったのは確実ですね。
米国は12.5人20%(前週比-15P)とだいぶ減りました。米国はそれだけ不要不急の行き来が多かったということでしょうか。
欧州は合計7.5人12%(前週比+2P)と一気に減少した状態が続いています。欧州も不要不急の行き来が多かったということでしょうか。
欧米は上陸拒否国で、日本人入国者が多いです。入国規制で厳しくなった部分はほぼなく、14日間の隔離違反への処罰がちょっと強くなっただけ。それだけで行き来しなくなるのですから、それだけ14日間隔離違反を起こすつもりで不要不急の行き来している確信犯が多いということでしょうね。
変異株で騒ぎになっている英国は2人3%(前週比±0P)、南アフリカは2人3%。アフリカから入国の陽性が7.2人11%(前週比+7P)と増加傾向です。
南アジアは合計15人24%(前週比+6P)と増加が続いています。ビジネスの外国籍者入国が再度増えていると推定されます。
8日から全入国者に対する検査が始まり、非上陸拒否国の陽性も再び目立つようになりました。中国、ベトナム、スリランカから8人13%確認されています。やはり偽陽性多いのでしょうか、、、。
スリランカとセネガルは、全員検査が始まった2020年4月3日以来初めての確認です。
間近の感染が急激に増加中の国:日本(異常に期間が長い)・中国・マレーシア・インドネシア・パキスタン・UAE・マルタ・ベルギー・スペイン・英国・チュニジア・セネガル・ガーナ・南アフリカ・米国・メキシコ
感染状況がピークの国:日本(異常に期間が長い)・マレーシア・インドネシア・UAE・マルタ・スペイン・英国・チュニジア・セネガル・米国・メキシコ
以上の異常状態の国からの入国者も感染確認されています。
ロイターのページが分かりやすいです。https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/
グラフにすると、紫系統の欧州(青系統)や米大陸(紫系統)が減り、年末に少し減っていた南アジア(緑系統)が再び増加しています。
(東アジア:赤系統、東南アジア:黄系統、南アジア:緑系統、欧州:青系統、米州:紫系統)
■東京・神奈川が増えたまま、大阪も増加
[居住地] 63人中非公表が0人、南関東40人・大阪9人
非公表者は0人0%(前週比-3P)となりました。行動歴同様に入国時の質問の仕方が変わった可能性があります。
南関東は40人63%(前週比-2P)と増加したままの状態が続いています。東京が19人30%(前週比-8P)とトップは変わりませんが、神奈川も13人21%(前週比+5P)と急増しています。神奈川は米国からが多いです。船員なら千葉も増えそうですし、南関東三県でここまで露骨に差が出る理由が謎です。差があるとすれば米軍絡み?
大阪が9人14%(前週比+3P)と増加傾向にあります。
沖縄はあまりないのに、北海道はポツポツ確認されますね。
グラフを見ると、相変わらず東京(濃赤色)と神奈川(黄色)が目立ちます。
(関東:赤黄系統、中部:緑系統、関西:青系統、中四国九州:紫系統)
■団体感染疑い激減も変異株
[その他] 団体感染疑い3件、有症状者が9人と増加
・詳細は公開されていないので推定でしかないですが、同日に同一空港へ同一国からの入国で同一都道府県在住者が連番確認された場合の、団体感染の疑いが強い事例は3件と激減。今回は3件中2件は変異株とやや気になる傾向でした。
・行動歴、居住地とも非公表者は2週連続いませんでした。
・有症状者は9人14%(前週比+9P)と再び増加しています。
・2か国以上滞在者は3人。今回の人たちは航空便の経由地と思われる人たちばかりですが、色々回ってウイルス媒介するのを減らせないのでしょうか。
・3人4%が変異株と確定しています。
・自県の感染者増加でアップアップしているのか、在住都道府県からの発表がほぼなくなっています。
■団体感染が疑われる事例(連番確認)
・1月8日 2029 成田 10代 女性 東京都 南アフリカ 無症状 S変異株
1月8日 2030 成田 40代 女性 東京都 南アフリカ 無症状 S変異株
・1月9日 2004 成田 40代 女性 東京都 アラブ首長国連邦 無症状 E変異株
1月9日 2005 成田 80代 女性 東京都 アラブ首長国連邦 無症状
・1月14日 2045 関空 40代 男性 大阪府 ハンガリー 無症状
1月14日 2046 関空 30代 男性 大阪府 ハンガリー 無症状
■団体感染が疑われる事例(10歳未満)
・1月8日 1986 成田 10歳未満 女性 神奈川県 米国 無症状
・1月8日 1995 成田 10歳未満 男性 神奈川県 米国 無症状
・1月9日 1998 成田 10歳未満 女性 静岡県 インドネシア 無症状
・1月9日 2001 関空 10歳未満 男性 広島県 インド 無症状
■行動歴と在住地が非公表の事例
・該当なし
■有症状事例
・1月8日 1989 成田 30代 男性 北海道 パキスタン 咳
・1月8日 1992 羽田 30代 女性 東京都 メキシコ 発熱、倦怠感、鼻閉、味覚嗅覚障害
・1月10日 2008 成田 20代 男性 大阪府 メキシコ 咳
・1月10日 2009 成田 40代 男性 東京都 マレーシア 味覚障害
・1月10日 2018 成田 20代 女性 東京都 米国/メキシコ 味覚障害、鼻閉
・1月11日 2024 成田 30代 男性 千葉県 フィリピン 発熱、咳嗽、関節痛
・1月13日 2038 成田 20代 男性 東京都 インドネシア 発熱、倦怠感、咽頭痛
・1月14日 2047 成田 30代 男性 神奈川県 ベトナム 発熱、咳、鼻汁
・1月14日 2048 成田 10代 女性 埼玉県 ベトナム 鼻汁
■2か国以上滞在者事例
・1月10日 2018 成田 20代 女性 東京都 米国/メキシコ 味覚障害、鼻閉
・1月10日 2020 成田 30代 男性 東京都 ガーナ/エチオピア/韓国 無症状
・1月12日 2034 羽田 50代 男性 神奈川県 エジプト/マルタ 無症状
■変異株
・1月8日 2029 成田 10代 女性 東京都 南アフリカ 無症状 S変異株
・1月8日 2030 成田 40代 女性 東京都 南アフリカ 無症状 S変異株
・1月9日 2004 成田 40代 女性 東京都 アラブ首長国連邦 無症状 E変異株
■非上陸拒否国からの入国者
・1月9日 1996 成田 30代 男性 神奈川県 スリランカ 無症状
・1月9日 1997 成田 30代 男性 千葉県 スリランカ 無症状
・1月9日 2007 成田 30代 男性 福岡県 ベトナム 無症状
・1月10日 2011 成田 20代 男性 愛知県 中国 無症状
・1月12日 2027 成田 20代 男性 愛知県 ベトナム 無症状
・1月14日 2039 成田 20代 男性 大阪府 ベトナム 無症状
・1月14日 2047 成田 30代 男性 神奈川県 ベトナム 発熱、咳、鼻汁
・1月14日 2048 成田 10代 女性 埼玉県 ベトナム 鼻汁
■空港検疫での感染確認 週間別の傾向(検査対象人数が推定値)
・2020/04/03-2021/01/14:検査対象437,905人(1,525人/日) 感染2,083人=罹患率0.475%
(上記合計は11月5日分の過計上1,838件をマイナス済。下記各週の数値はマイナスせず。)
2020年
・04/03-04/09:検査対象10,010人(1,430人/日) 感染34人=罹患率0.339%
・04/10-04/16:検査対象 7,375人(1,053人/日) 感染16人=罹患率0.216%
・04/17-04/23:検査対象 4,480人( 640人/日) 感染 8人=罹患率0.178%
・04/24-04/30:検査対象 4,744人( 677人/日) 感染13人=罹患率0.274%
・05/01-05/07:検査対象 3,861人( 551人/日) 感染 5人=罹患率0.129%
・05/08-05/14:検査対象 4,130人( 590人/日) 感染 5人=罹患率0.121%
・05/15-05/21:検査対象 3,948人( 564人/日) 感染 3人=罹患率0.075%
・05/22-05/28:検査対象 3,988人( 569人/日) 感染23人=罹患率0.576%
・05/29-06/04:検査対象 5,869人( 838人/日) 感染20人=罹患率0.340%
・06/05-06/11:検査対象 6,081人( 868人/日) 感染29人=罹患率0.476%
・06/12-06/18:検査対象 6,788人( 969人/日) 感染41人=罹患率0.604%
・06/19-06/25:検査対象 7,677人(1,096人/日) 感染30人=罹患率0.390%
・06/26-07/02:検査対象 9,458人(1,351人/日) 感染20人=罹患率0.211%
・07/03-07/09:検査対象10,800人(1,542人/日) 感染41人=罹患率0.379%
・07/10-07/16:検査対象 9,702人(1,386人/日) 感染76人=罹患率0.783%
・07/17-07/23:検査対象 9,388人(1,341人/日) 感染64人=罹患率0.681%
・07/24-07/30:検査対象 9,055人(1,293人/日) 感染84人=罹患率0.927%
・07/31-08/06:検査対象12,190人(1,741人/日) 感染67人=罹患率0.549%
・08/07-08/13:検査対象 9,453人(1,350人/日) 感染36人=罹患率0.380%
・08/14-08/20:検査対象10,254人(1,464人/日) 感染39人=罹患率0.380%
・08/21-08/27:検査対象10,612人(1,516人/日) 感染31人=罹患率0.292%
・08/28-09/03:検査対象11,895人(1,699人/日) 感染47人=罹患率0.395%
・09/04-09/10:検査対象 9,679人(1,382人/日) 感染27人=罹患率0.278%
・09/11-09/17:検査対象11,654人(1,664人/日) 感染41人=罹患率0.351%
・09/18-09/24:検査対象11,262人(1,608人/日) 感染45人=罹患率0.399%
・09/25-10/01:検査対象13,766人(1,966人/日) 感染48人=罹患率0.348%
・10/02-10/08:検査対象12,579人(1,797人/日) 感染51人=罹患率0.405%
・10/09-10/15:検査対象12,755人(1,822人/日) 感染43人=罹患率0.337%
・10/16-10/22:検査対象15,304人(2,186人/日) 感染44人=罹患率0.287%
・10/23-10/29:検査対象16,650人(2,378人/日) 感染51人=罹患率0.306%
・10/30-11/05:検査対象15,804人(2,257人/日) 感染54人=罹患率0.341%
・11/06-11/12:検査対象10,227人(1,461人/日) 感染100人=罹患率0.977%
・11/13-11/19:検査対象11,591人(1,655人/日) 感染77人=罹患率0.664%
・11/20-11/26:検査対象12,322人(1,760人/日) 感染88人=罹患率0.714%
・11/27-12/03:検査対象13,348人(1,906人/日) 感染83人=罹患率0.621%
・12/04-12/10:検査対象15,699人(2,242人/日) 感染79人=罹患率0.503%
・12/11-12/17:検査対象17,378人(2,482人/日) 感染69人=罹患率0.397%
・12/18-12/24:検査対象21,365人(3,052人/日) 感染115人=罹患率0.538%
・12/25-12/31:検査対象13,804人(1,972人/日) 感染63人=罹患率0.456%
2021年
・01/01-01/07:検査対象13,130人(1,875人/日) 感染92人=罹患率0.701%
・01/08-01/14:検査対象19,668人(2,809人/日) 感染63人=罹患率0.320%
[空港別] 成田44・羽田8・中部0・関空10・福岡1
[男女別] 男39・女24
[年代別] 10代下8・20代19・30代21・40代8・50代5・60代1・70代0・80代上1
[渡航元] 中国1・フィリピン3・ベトナム5・ミャンマー2・マレーシア1・
インドネシア4・ネパール1・インド3・パキスタン5・スリランカ2・UAE2・
ロシア4・ルーマニア1・ハンガリー2・ベルギー1・スペイン1・英国2・
エジプト1・チュニジア1・セネガル1・コートジボワール1・南アフリカ2・
米国12・米国/メキシコ1・メキシコ2・
エジプト/マルタ1・ガーナ/エチオピア/韓国1・非公表0
[居住地] 北海道1・茨城1・群馬1・埼玉3・千葉5・東京19・神奈川13・
静岡1・愛知3・大阪9・兵庫2・広島1・山口1・福岡3・非公表0
8日13、9日11、10日15、11日6、12日8、13日3、14日7=63
41週(287日)経過
※検査対象数は、何月何日着が何人という発表ではなく、2日遅れで集計発表していると思われる数値しか公表されていません。毎日更新されているので、それほど大きくブレることはないと思いますが、確実に何月何日到着分の数値かは不明です。推定値に近い数値として捉えてください。
■これまでの毎週配信している期間集計(週間別)の記事
<07月から週間分析>
・01月12日 検疫週間別1月1_激増0.7%超
・01月03日 検疫週間別12月5_減少も0.45%超
・12月27日 検疫週間別12月4_過去最悪陽性115人
・12月20日 検疫週間別12月3_検査最多 陽性60人台
・12月13日 検疫週間別12月2_70人台0.5%超
・12月06日 検疫週間別12月1_悪化続き80台
・11月29日 検疫週間別11月4_悪化したまま
・11月22日 検疫週間別11月3_まだ率0.6%超
・11月15日 検疫週間別11月2_状況過去最悪
・11月08日 検疫週間別11月1_検査前増後減
・11月01日 検疫週間別10月4_罹患率0.3%超
・10月25日 検疫週間別10月3_検査1日2千人超
・10月18日 検疫週間別10月2_南亜急増中
・10月11日 検疫週間別10月1_9週ぶり50人超 グラフ掲出開始
・10月04日 検疫結果週間別9月5_最多検査0.3%超
・09月27日 検疫結果週間別9月4_罹患0.4%肉薄
・09月20日 検疫結果分析9月3_陽性40人台
・09月13日 検疫結果分析9月2_9週ぶり20人台
・09月06日 検疫結果分析9月1_4週ぶり40人超
・08月30日 検疫結果分析8月4_罹患0.3%切
・08月23日 検疫結果分析8月3_罹患横ばい
・08月16日 検疫結果分析8月2_若干落ち着き
・08月09日 検疫結果分析8月1_検査増で罹患減
・08月02日 検疫結果分析7月4_最悪0.9%超
・07月26日 検疫結果分析7月3_高水準続く
・07月19日 検疫結果分析7月2_過去最悪
・07月12日 検疫結果分析7月1_感染拡大戻り
・07月05日 検疫結果分析(6月4週)_少し落ち着き
・06月28日 検疫結果分析(6月3週目)_罹患高率(4月1〜6月3迄分析)
<07月まで上中下順別分析>
・08月03日 検疫結果分析7月下_最悪悪化
・07月23日 検疫結果分析7月中_最悪更に大悪化
・07月13日 検疫結果分析7月上_感染数最悪
・07月03日 検疫結果分析_6月下旬変化?
・06月23日 検疫結果分析_6月中旬率最悪
・06月13日 検疫結果分析_6月上旬も異常
・06月04日 検疫結果分析_5月下旬異常(4月上〜5月下迄分析)
2021年01月19日
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