◇変異株市中感染 原因と推定される入国者は明らかなのに隠匿?の不思議
新型コロナウイルス変異株の市中感染が静岡と東京で5人確認されています。このうち、3人分については、検査理由から、原因と推定される入国者は明らかなのに、情報が隠匿されているとみられます。
23日までに、経路不明とされる市中感染事例は、静岡県の20代女(患者Aとします)、40代女(同患者B)、60代男(同患者C)、60代女(同患者D)、東京都の10歳未満女(同患者E)の5人います。このうち、患者AとB、患者CとDは、それぞれ同一感染者集団であることが分かっています。
■静岡20代女と40代女は原因と推定される入国者が特定できているはず
5人のうち、静岡県在住の20代女と40代女(患者AとB)は、原因と推定される入国者が特定できているはずです。
なぜなら、今回、この二人のウイルスが変異株疑いとしてゲノム解析に回されたのは、患者Aの濃厚接触者(別の都道府県(首都圏?)在住、患者Fとします)が変異株疑いだったためです。(結果的に患者Fは変異株とは確認されていません。)
英国からの入国者(陽性者とは限りません、入国者Gとします)か、入国者Gの濃厚接触者、そのまた濃厚接触者......、でなければ、そもそも変異株の疑いは持たれません。つまり、患者Fに繋がる入国者Gが特定できているからこそ、患者Fは変異株を疑われたわけで、原因と推定される入国者Gは明らかに特定できているはずなんです。
患者Bは、県外へ移動した行動歴があるようなので、その時に別の人からウイルスを貰った可能性は否定できないですが、それと入国者Gの特定とは無関係です。
厚生労働省は「患者A・B・Cは、英国からの入国者と濃厚接触していない」旨の発言をしています。まるで入国者Gは特定できていないかのようにも聞こえる内容ですが、患者Fが入国者でなければ発言は嘘ではありません。
入国者Gは特定できているはずなのに、未だに隠匿されているのは何か裏があるのではないかと変な疑心暗鬼が出てきます。
空港検疫で引っかかった人は、そのまま入院or自宅療養ですから、普通に考えると、空港検疫すり抜け者が原因と考えられます。入国者Gがすり抜けた上14日以内に患者Fと外食などで濃厚接触したのなら、それこそ検疫の失敗と大批判を受けてしまいます。入国者の規制を根本から変えなければならない大問題でしょう。
英国変異株の空港検疫すり抜けは少なくとも東京5例と兵庫1例、英国変異株疑いの空港検疫すり抜けは少なくとも東京1例が分かっています。いずれも「不特定多数との接触はなし」と発表済み。つまり、入国者Gがこれらの空港検疫すり抜け者7人のうちの誰かなのなら、「不特定多数との接触はなし」との発表が嘘になってしまいます。これが嘘なのだとすると、濃厚接触の定義を根本から変えなければならない大問題でしょう。
入国者Gが入国後15日超えで患者Fと接触したなら、隔離期間の定義を根本から変えなければならない大問題でしょう。
入国者Gが陽性にすらなっていなかったら、それも、入国者をどう扱うかを根本から変えなければならない大問題でしょう。
さらに、患者Aは静岡から出ていないことが分かっているので、患者Fが静岡を訪れたことが明白です。移動自粛を呼びかけていたのに移動したことが問題視されているのでしょうか。となると、患者F自身が入国者で、14日以内に公共交通を使ったことを隠したいといったところでしょうか。それなら、入国者の隔離方法を根本から変えなければならない大問題でしょう。強制隔離はホテルや人員、費用確保など問題山積みなので、厚生労働省もやりたくないはずです。
いずれにしても大問題を抱える内容です。
隠匿する理由を考えていくと、厚生労働省としては知られたくない不都合な真実が、何かあるのかも。と、皆が疑心暗鬼になるだけです。
■東京都の10歳未満女も原因となった入国者が特定できているはず
東京都在住の10歳未満女(患者E)も同様に入国者特定ができているはずです。
こちらも、濃厚接触元の東京都在住の40代男が、なぜか変異株疑いを持たれています。
静岡の患者A・Bと同様に入国者が特定できたからこそ、変異株疑いを持たれたはずです。
(1月28日追記) 上記患者Eの濃厚接触元の東京都在住40代男は、その方の濃厚接触者が入国者だったのではなく、東京iCDCの変異株スクリーニングで検査された、1,453例のうちの1例とのことです。
従って、この例も後述の静岡県の60代男女と同じく、濃厚接触元が不明の感染例となっています。
■東京iCDCにおける変異株スクリーニングの状況について(第1505報)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/01/23/03.html
これらの入国者の情報が一切出てこないのはあまりに不可解。報道機関が突っ込まないのも変です(文春さん、出番ですよ)。
それとも、変異株だと疑う、特徴的な症状などがあるのでしょうか。そんなもの公開されていないのですが、これまた厚生労働省が隠しているのでしょうか?(といったように疑心暗鬼がドンドン拡がります)
厚生労働省は同一クラスターになっていることに気付いていて、同一クラスターなら感染経路が明確だから、これ以上の市中感染はないと判断。個人特定などの無用な混乱を避けるために、これ以上の情報公開をしていない。といった流れならまだ良いのですが、そんな都合良いとも思えません。
行動歴をきちんと出してもらえば、(例えば同じ電車に乗ったといった感じで)接触した可能性のある人は外出自粛等の自制をしますし、既に陽性になっているなら変異株検査を受けることも必要でしょう。今後の予防策を立てるのにも役立ちます。特に入国者に隔離の重要性を伝える良い機会になると思うのですが、、、???
なぜ、麻疹の時のように、行動歴(今回は二週間分)が公開されないのか、よく分かりません。
3月に神戸→那覇線の航空機内で大規模クラスターが起こった際には、その濃厚接触連絡が遅れたせいで、一か月以上にも渡って、防げたはずの余計な感染が多数発生しました。
ひと言「〇日□便搭乗者から複数の患者が出ているので、同便利用者とその接触者は、念のため今すぐ検査か14日間の外出自粛を!」と言えば、その便を利用した人が、それ以上動き回るのを止めることができたのに。この時は沖縄の地元新聞がだいぶ初期の段階から航空機内クラスターではないかと突っ込んではいたようですが、沖縄県は隠匿し続けました。結果は沖縄県自身の職員にも感染が拡がる阿呆みたいな大規模クラスターになっています(未だにそのことに気付いていない沖縄県民が大半なのでは?)。
入国者には、感染者との接触履歴がなくても「お前はバイ菌Manだ」と言わんばかりに、全員に14日間隔離をさせるのに、感染者との接触履歴があるのに日本在住者には14日隔離をさせられないのは、意味不明です。
隠匿したところで予防には何も役立ちません。さっさと行動歴を公開しないと、国内拡散が広がるだけです。
■最大の課題は静岡の60代男女
そして、今回の変異株市中感染で最大の課題は、実は静岡県在住の60代男女(患者CとD)の感染者集団と言えます。
患者Cは、患者Aのゲノム解析を頼むついでに、たまたま解析されて変異株と判明した事例です。つまり、患者A・B・Eと異なり、患者Cにウイルスをうつした変異株疑い者(患者Hとします)がはっきりしていないのです。これこそ感染経路不明と言えます。
居住地が近いようなので「患者AかBと静岡県内で接触した(つまり患者H=患者AかB)」という可能性が高いものの、「他の変異株陽性者と接触した」可能性も否定できません。患者AやBと患者CとDの生活圏が被るなら、この四人の行動歴との被りを追えば、感染した可能性のある、まだ発覚していない無症状スプレッダーが外出自粛しやすいですが、それすら分かりません。
なお、発症の順番から患者Dは患者Cからうつされたと思われていますが、わずかながら患者Dが患者Hからウイルスを貰ってきた可能性は否定できないです。ただ、その場合でも感染経路不明には変わりありません。
静岡県内の全陽性者のゲノム解析を始めているので、原因となった患者Hが静岡県内在住なら、経路特定は推定しやすいです。また、仮にクラスターが拡大していた場合、それを止める動きは取りやすいです。しかし、患者Cは、他の都道府県に移動したことが分かっていますから、その時に患者Hと接触したのだとすると、患者Hは他の都道府県の人になります。他の都道府県の患者は、ゲノム解析していませんから、患者Cに繋がる感染経路の推定や、原因となったた都道府県の患者からの拡大を防ぐのは不可能です。
早急に行動歴を元にして調べないと、原因の患者Hが仮にスーパースプレッダーだったら、あっという間に全国に変異株が拡がってしまいます。
この時期に県外へ遊びに出ているとは思えないので、60代とはいえ、患者Cは、病院やインフラなどのキーワーク勤務で県外に出たと思われますが、それだと、毎日同じ交通機関で同じ場所に向かっているはず。そうなると、単発的なすれ違いだけでなく、感染リスクが高まる毎日の接触も考慮しなくてはならなくなります。
そうなってしまうと、静岡だけでなく、その都県も含めた大規模調査が必要なはず。そういう話が盛り上がらないのが変です。
こういった調査をしないというのは、空港検疫で言えば入国者の行動歴(出発国)の感染状況を調べないというのと同じです。そんなバカなことはしないでしょう。
まさに瀬戸際です。
患者とその接触者の行動歴から調査を徹底分析する。
空港検疫で連絡先控えてるんだから、少なくとも12月以降の英国からの入国者を全数調査する。
などできることはいくらでもあるはず。
ちまちま情報隠匿するよりも、広く情報公開すれば、情報提供を受けられますし、国民の自衛、入国者や患者Hの行動自制を促せると思うのですが、、、。
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まずは、患者A・B・Eに感染を拡げた入国者Gのどの行動が悪かったのかを、早く知りたいですね。
3月の神戸→那覇線大規模クラスターの時のように、国民がクラスターと気が付けないまま何か月も経ってしまうのでしょうか。本当に国内拡大の瀬戸際です。
※3月の神戸→那覇線大規模クラスターでは、「マスクしないことの影響は大きすぎること」「2-row ruleを超えた機内感染は普通に起こること」「連絡が遅れると濃厚接触者が無症状中に動き回り感染を拡げること」「情報公開を拒むとクラスターが大規模でも全く気付けないこと」「結果として防げた感染を防げなくなること」などが分かっています。
ちなみに、秋までの国内感染者のゲノム解析結果では、国内で拡がったのは三種類しかないことが分かっています。
つまり、入国者三人だけが原因の可能性があるわけです。ここに英国変異株で一人加わるのかどうか。
空港検疫の大切さが改めてよく分かる状況になっています。
あと、患者A〜Eの事例だけを市中感染と言うの止めませんか?患者A〜Eは、経路不明感染なだけです。
日本では、変異株に関して、航空機パイロットの家族と思われる人物など上記以外に3人の市中感染が既に発覚しています。これを市中感染と言いたくないのは、日本国内のことではなく、出島のような遠い場所で起こっただけで、知らん振りしたいからでしょうか。外国から入国した人と14日以内に会うと市中感染する可能性あるという、国内問題であることに、早く気付いてほしいものです。(上記のうちの2人は会食感染ですから、その行き来でばらまいている可能性はゼロではありませんが、何せすれ違ったくらいでは濃厚接触したことにならないからなあ、、、。)
そう言えば、未だにパイロットの所属する航空会社から、(検疫から責任を委譲されている)乗員入国時の検査体制の不備、感染防止対策の不備、14日以内に他人と接触したコンプライアンス違反へのお詫びが出ていませんね。ちょうど年末年始休暇に入った時期だったから、年明けにでも出てくるかと少し待っていましたが、ひと月経ってもお詫び一文すら出さないということは、コンプライアンスの感覚は1ミリも無いクソ会社ということなのでしょうね。ちなみに同様のコンプライアンス違反が発覚した台湾やベトナムでは、当該者が解雇されたり、管理者が管理不行き届きで処分を受けたりしています。(感染したことをお詫びしろとは言うつもりは毛頭ないし、解雇しろとまでは思いませんが、、、。)
なぜ、皆隠匿したがるのでしょうか。
感染するのはロシアンルーレットなんだから仕方ないでしょう。原因解明と罹患しやすい行動を防ぐことに注力しなければならないのに、これでは、対策もとれないです。そして、一部で対策しても何の意味もない、と思われてしまいます。外出自粛が馬鹿らしくなるのもなんとなく理解できます。
非常に残念です。
2021年01月24日
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