■空港検疫(週間速報)1月2週目 外国籍者の入国急増で罹患率減少し、日本国籍者・外国籍者とも0.31%
厚生労働省(厚労省)は27日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の1月2週目(1月10日〜1月16日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。27日の公表で、2020年10月4日〜2021年1月16日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じていますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 外国籍者検体数急増で罹患率0.31%まで下がる
2020年
10/04-10/31 (日本国籍0.34%:外国籍0.35%)
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
検査数は、12月中旬〜下旬に日本国籍者が外国籍者の二倍ほどいたのに対し、前々週に日本国籍:外国籍=6:7と逆転。前週は5:9まで外国籍者が多くなり、今週も外国籍者が増えて5:13となっています。
検査対象が全入国者になりました。入国者の多さは、ベトナム、中国、米国、フィリピン、韓国の順でした。
日本人は12月4週目に12,354人いたのに対し、今週も5,817人だけと、大幅減少が続いています。
日本人の場合、原因は年末年始帰省とみられますが、ここまで露骨に数値に差が出ると、年末入国した日本人は不要不急の行き来が多かったと言えそうです。国内間では帰省自粛の動きもありましたが、海外-日本間はその動きはなかったということかもしれません。
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しています。外国籍者の方が多い印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えています。
今週は検体数が増えた一方、陽性者数は減ったため、全体の罹患率は下がっています。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が12%増加に対して陽性者数は50%増加。外国籍者は検査数が74%増加に対して陽性者数は23%減少です。
このため、罹患率は、日本国籍者は増加、外国籍者は大幅減少し、いずれも0.31%で横並びとなりました。
入国者数の多いベトナムや中国などの国が検査対象だった10月の罹患率に近いです。このため、この数値が空港検疫での平均的な数値に近いのかもしれません。
外国籍者の検査数急増に伴い、日本国籍者と外国籍者との間での罹患率の差は一気に縮まりました。それでもまだ0.3%超えです。
日本国内の罹患率は0.06%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約70,000人)ですから、空港検疫は相変わらず国内の5倍程度危険であることが分かります。
■[陽性者数多い国分析] 米国最多も人数3分の1
今週も、日本国籍者は減少、外国籍者は横ばいといった傾向です。
相変わらず数が最多なのは米国でしたが、11人と前週の3分の1まで激減しています。前週に引き続き外国籍者の方が多く7人です。
2番目に多いのはパキスタンで8人陽性者が出ています。パキスタンは全員外国籍者の陽性です。
ベトナムとインドネシアが4人で続いています。ベトナムは全員外国籍者、インドネシアは日本国籍者と外国籍者は半々です。
■[罹患率高い国分析] パキスタンが3%超え
罹患率は、ある程度の検体数(100人以上)がいる国では、今週はパキスタンが最も悪く3.43%でした。ロシアが続いており、2.44%と相変わらず非常に悪い罹患率です。
1%を超える国がパキスタン、ロシア、メキシコ、インドネシアの4か国でした。今週は地域がバラバラです。スペインも検体数99人で1人感染の1.01%です。
検体数が少ない国では、コートジボワール(100.00%)、カザフスタン(60.00%)、エチオピア(14.29%)、セネガル(11.11%)、マルタ(10.00%)と5か国も10%を超えています。
空港検疫で変異株が確認されたナイジェリアが26人中2人の7.69%、ガーナが15人中1人の6.67%で続いています。
■[非公表の多い国分析] 非公表消滅したのに誤差が発生
毎日の詳細発表で非公表者は消滅しました。
非公表者が消滅したので、誤差がなくなるかと思いきや、かなり誤差が出ています。原因が謎です。
■[航空便利用者数分析] 利用者16%減少
合計の利用者数は16%・5千人ほど減って、26,681人でした。
インドネシア直行便が1,000人ほど、タイ直行便が800人ほど、カナダ直行便が300人ほどで横ばい。それ以外の国からの直行便は多くが減少傾向です。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
※非公表がなくなりましたので、細かい分析は今週で終了します。
■米国からの入国者の動向
10月04日〜10月10日:罹患率0.23%
日本国籍 検体1,674・陽性4=罹患率0.24%、外国籍 検体547・陽性1=罹患率0.18%
10月11日〜10月17日:罹患率0.54%
日本国籍 検体532・陽性4=罹患率0.75%、外国籍 検体215・陽性0=罹患率0.00%
10月18日〜10月24日:罹患率0.15%
日本国籍 検体823・陽性0=罹患率0.00%、外国籍 検体489・陽性2=罹患率0.41%
10月25日〜10月31日:罹患率0.13%
日本国籍 検体1,545・陽性1=罹患率0.06%、外国籍 検体783・陽性2=罹患率0.26%
11月01日〜11月07日:罹患率1.19%
日本国籍 検体1,832・陽性26=罹患率1.42%、外国籍866・陽性6=罹患率0.69%
11月08日〜11月14日:罹患率0.67%
日本国籍 検体1,829・陽性11=罹患率0.60%、外国籍851・陽性7=罹患率0.82%
11月15日〜11月21日:罹患率0.78%
日本国籍 検体2,043・陽性11=罹患率0.54%、外国籍1,017・陽性13=罹患率1.28%
11月22日〜11月28日:罹患率0.64%
日本国籍 検体3,307・陽性20=罹患率0.60%、外国籍933・陽性7=罹患率0.75%
11月29日〜12月05日:罹患率0.75%
日本国籍 検体2,644・陽性14=罹患率0.53%、外国籍1,209・陽性15=罹患率1.24%
12月06日〜12月12日:罹患率0.37%
日本国籍 検体3,544・陽性10=罹患率0.28%、外国籍1,080・陽性 7=罹患率0.65%
12月13日〜12月19日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,300・陽性12=罹患率0.28%、外国籍 963・陽性10=罹患率1.04%
12月20日〜12月26日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,887・陽性20=罹患率0.41%、外国籍 789・陽性 4=罹患率0.51%
12月27日〜01月02日:罹患率0.50%
日本国籍 検体2,746・陽性11=罹患率0.40%、外国籍1,426・陽性10=罹患率0.70%
01月03日〜01月09日:罹患率0.71%
日本国籍 検体2,384・陽性 6=罹患率0.25%、外国籍1,850・陽性24=罹患率1.30%
01月10日〜01月16日:罹患率0.38%
日本国籍 検体1,782・陽性 4=罹患率0.22%、外国籍1,137・陽性 7=罹患率0.62%
■英国からの入国者の動向
11月22日〜11月28日:罹患率0.77%
日本国籍 検体 304・陽性 2=罹患率0.66%、外国籍 87・陽性 1=罹患率1.15%
11月29日〜12月05日:罹患率0.29%
日本国籍 検体 587・陽性 2=罹患率0.34%、外国籍 105・陽性 0=罹患率0%
12月06日〜12月12日:罹患率0.17%
日本国籍 検体1,066・陽性 2=罹患率0.19%、外国籍 136・陽性 0=罹患率0%
12月13日〜12月19日:罹患率0.33%
日本国籍 検体1,102・陽性 4=罹患率0.36%、外国籍 108・陽性 0=罹患率0%
12月20日〜12月26日:罹患率1.50%
日本国籍 検体 986・陽性17=罹患率1.72%、外国籍 149・陽性 0=罹患率0%
12月27日〜01月02日:罹患率0.39%
日本国籍 検体 168・陽性 1=罹患率0.60%、外国籍 87・陽性 0=罹患率0%
01月03日〜01月09日:罹患率0.52%
日本国籍 検体 241・陽性 1=罹患率0.41%、外国籍 141・陽性 1=罹患率0.71%
01月10日〜01月16日:罹患率0.59%
日本国籍 検体 252・陽性 2=罹患率0.79%、外国籍 89・陽性 0=罹患率0%
■週間速報内容
01/10-01/16
全検査
合計 検体21,399陽性67 0.31%↓
日本 検体 5,817陽性18 0.31%↑
外国 検体15,582陽性49 0.31%↓検体数急増
検体数の多い国
ベトナム:検体4,784 陽性 4=0.08%
日本国籍 検体 119 陽性 0=0%/外国籍 検体 4,665 陽性 4=0.09%
中 国:検体3,780 陽性 2=0.05%
日本国籍 検体 544 陽性 0=0%/外国籍 検体3,236 陽性 2=0.06%
米 国:検体2,919 陽性11=0.38%
日本国籍 検体1,782 陽性 4=0.22%、外国籍 検体1,137 陽性 7=0.62%
フィリピン:検体1,524 陽性 2=0.13%
日本国籍 検体 175 陽性 1=0.57%/外国籍 検体1,349 陽性 1=0.07%
韓 国:検体1,223 陽性 1=0.08%
日本国籍 検体 241 陽性 0=0%/外国籍 検体 982 陽性 1=0.10%
罹患率の高い国(検体数100以上)
パキスタン:合計 検体 233、陽性 8=3.43%
日本国籍 検体 15、陽性 0=0%/外国籍 検体 218、陽性 8=3.67%
ロ シ ア:合計 検体 123、陽性 3=2.44%
日本国籍 検体 22、陽性 0=0%/外国籍 検体 101、陽性 3=2.97%
メキシコ:合計 検体 129、陽性 2=1.55%
日本国籍 検体 106、陽性 2=1.89%/外国籍 検体 23、陽性 0=0%
インドネシア:合計 検体 373、陽性 4=1.07%
日本国籍 検体 153、陽性 2=1.31%/外国籍 検体 220、陽性 2=0.91%
ネパール:合計 検体 226、陽性 2=0.88%
日本国籍 検体 7、陽性 0=0%/外国籍 検体 219、陽性 2=0.91%
※特記
罹患率はコートジボワールが最悪です(検体1・陽性1(全員外国籍者)の100.00%)。
カザフスタン(60.00%、全員外国籍で5人中陽性3人)、エチオピア(14.29%、外国籍5人中陽性1人)、セネガル(11.11%、外国籍5人中陽性1人)、マルタ(10.00%、全員日本国籍で10人中陽性1人)が10%を超えています。
■毎日の個別発表との誤差状況(1月10日〜1月16日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):67人
(B)毎日発表:61人中非公表0人(2か国滞在者3人、3か国滞在者1人)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
メキシコ(A)2人(B)1人=Aが1人超過(日本籍2・外国籍0)
ト ル コ(A)2人(B)1人=Aが1人超過(日本籍0・外国籍2)
韓 国(A)1人(B)0人=Aが1人超過(日本籍0・外国籍1)
シンガポール(A)1人(B)0人=Aが1人超過(日本籍1・外国籍0)
マ ル タ(A)1人(B)0人=Aが1人超過(日本籍1・外国籍0)
エチオピア(A)1人(B)0人=Aが1人超過(日本籍0・外国籍1)
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2021年01月30日
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