2021年02月02日

検疫週間別1月4_検査急減0.2%台

◇空港検疫結果分析(週間別)1月4週目 検査数激減、罹患率0.2%台

4月3日に入国者に対する新型コロナウイルス感染症検査(PCR検査または抗原検査)の全員実施が始まってから9か月半が過ぎました。
1月4週目(1月22日〜1月28日)は、検査対象数9,694人中、陽性者数28人、罹患率0.288%(推定値)となりました。


■検査人数激減 5か月ぶりに一万人切る
1月4週目は、1日平均1,384人が検査しました。検査数(≒入国者数)は激減し、9月4日〜9月10日以来実に5か月ぶりに週間一万人を切りました。全入国者に対する検査が始まっていますが、許可済みの入国が完了したせいか一気に人数が落ちています。
前週は検査数が過去最高でしたが、増加の大部分は外国籍者でした。前週に駆け込み需要があり、今週は一気に減ったと推定されます。
陽性者は週間28人と前週から半減しました。検査数は半減以上の減りでしたので、罹患率は上昇し0.288%(推定値)と、なかなか下がらない印象です。
罹患率0.28%台は一見かなり低くなったように見えますが、感染が緊急事態の今の日本国内ですら罹患率は0.06%弱ほど(人口1億2571万人中治療必要者7万人)なので、空港検疫が、まだまだ国内よりも危険な状態には変わりません。

グラフ化すると、検査者数(青)は急減、陽性者数(赤)は微減。このため罹患率(緑)は上昇しています。
(赤が感染者数(左目盛)、青が検査者数(右目盛)、緑が罹患率(右目盛))
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■羽田着増加
[空港別] 28人中 成田15・羽田7・中部3・関空2・福岡1

成田国際着が相変わらず最多ですが54%(前週-10P)とだいぶ比率が落ちてきました。
代わりに東京国際(羽田)着が25%(前週比+10P)と比率を上げています
ここのところ羽田同等に数が多かった関西国際着は7%(前週比-8%)と少数に収まりました。
二週連続で中部国際着、福岡着ともに陽性者が出ています。
羽田着は米国便比率が高いので、米国からの入国はあまり減らずに、成田着・関空着は入国者全体が減ったと考えられます。

■男性比率再び低下
[男女別] 28人中 男16・女12

男性は57%(前週比-17P)で男性比率が再び大幅減少しました
ビジネス渡航が減った感じでしょうか。入国者数激減の傾向から外国籍者は減ったと推定されるので、日本国籍者が家族だけ先に帰すといったパターンが増えたのでしょうか?12月まではだいたい男が7割〜8割だったので、ここ数週間の男女比はいまいち謎推移です。

■20代〜40代の減少続く
[年齢別] 28人中 10代下5・20代5・30代6・40代3・50代7・60代2・70代0・80代上0

20代〜40代は14人50%(前週比-16P)と前週に引き続きかなり減りました。50代が増加しています。
やはり技能実習生などのビジネス団体や留学生は減ったと考えられる推移です。
10歳未満は3人11%(前週比+3P)とやや比率が増加しています。

■米国悪い勢い止まらず
[渡航元] 28人中 米国9人・アフリカ大陸4人・非上陸拒否国0人

米国は9人32%(前週比+4P)と悪い勢いが止まりません。
欧州は合計3人11%(前週比+7P)とやや悪化しています。
変異株警戒中の英国は1人4%、ナイジェリア2人7%、ガーナは1人4%、フランス1人4%、イタリアは1人4%、米国9人32%でした。
アフリカから入国の陽性が増加中で、4人14%(前週比+1P)でした。
南アジアは合計3人11%(前週比-8P)とだいぶ比率が落ちてきました。
9日から全入国者に対する検査が始まって、ポツポツ陽性者が出ていた非上陸拒否国の陽性は今週はありませんでした

カタールは、全員検査が始まった2020年4月3日以来初めての確認です。

間近の感染が急激に増加中の国:インドネシア・カタール・フランス・ガーナ・ペルー
感染状況がピークの国:インドネシア・ナイジェリア
以上の異常状態の国からの入国者も感染確認されています。

ロイターのページが分かりやすいです。https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/

グラフにすると、相変わらず米国が目立ちます。
(東アジア:赤系統、東南アジア:黄系統、南アジア:緑系統、欧州:青系統、米州:紫系統)
・ペルーからの入国者の陽性確認数がタイと並びましたので追加しました。

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今週はいませんでしたが、全入国者への検査が始まって、非上陸拒否国など低感染国からの感染が増えてきたと感じていますので、状況をグラフにしてみました。
このグラフは、日本より死亡率が低い国(低感染国)からの入国者の陽性者数をグラフ化しています。
7月29日の検査方法変更以降、全体の20〜30%が低感染国でしたが、11月1日の低感染国9か国の検査免除化以降はほぼゼロでした。全入国者検査が再び始まった1月9日以降は、低感染国は再び全体の20〜30%で推移しています。これが、低感染国からの平均なのかもしれません。
外国籍者の許可済み者の入国が途切れたころから、ぐっと人数が下がってきています。
低感染国からはほぼ陽性の人はいないはず。偽陽性が疑われているため、今後も注視していきます。
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■大都市圏ばかり
[居住地] 28人中非公表が1人、南関東18人・愛知5人

非公表者は1人4%(前週比-7P)とだいぶ減りました。
南関東は18人67%(前週比+18P)と前々週レベルまで戻りました。東京が8人30%(前週比+15P)と前々週レベルまで上昇。神奈川は7人26%(前週比+9P)と悪化が止まりません神奈川は7人中6人が米国からと異様に偏っています(米国からの3人に2人は神奈川県在住)。船員なら千葉も増えそうですし、南関東三県でここまで露骨に差が出る理由が引き続き謎です。米国+神奈川特有というとやはり米軍でしょうか。
愛知が5人19%(前週比+8%)と増加傾向です。
今週は、群馬の1人以外大都市圏の都府県ばかりです。技能実習生が激減したと推定されるので、地方への一次産業でのビジネス渡航が減ってますかね。群馬が残り、愛知も増えているから車産業だけは呼び寄せ中??

グラフを見ると、相変わらず東京(濃赤色)と神奈川(黄色)が目立ちます。
(関東:赤黄系統、中部:緑系統、関西:青系統、中四国九州:紫系統)
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■有症状悪化したまま
[その他] 団体感染疑い1件、有症状者が4人と悪いまま

・詳細は公開されていないので推定でしかないですが、同日に同一空港へ同一国からの入国で同一都道府県在住者が連番確認された場合の、団体感染の疑いが強い事例は1件のみでしたが、10歳未満が含まれる家族感染疑い事例でした。
・行動歴、居住地とも非公表者の人はいませんでした。
有症状者は4人15%(前週比+2P)と悪い状態が続いています
・2か国以上滞在者はいませんでした。
変異株は英国からの1名のみが確認されています(今週英国から入国の陽性者は100%変異株となりました)
・自県の感染者増加でアップアップしているのか、在住都道府県からの発表がほぼなくなっています。

■団体感染が疑われる事例(連番確認)
・1月26日 2117 成田 10代 男性 神奈川県 米国 無症状
 1月26日 2118 成田 10歳未満 男性 神奈川県 米国 無症状

■団体感染が疑われる事例(10歳未満)
・1月22日 2104 成田 10歳未満 女性 東京都 インド 無症状
・1月24日 2113 成田 10歳未満 女性 神奈川県 米国 無症状
・1月26日 2118 成田 10歳未満 男性 神奈川県 米国 無症状

■在住地が非公表の事例
・1月22日 2107 羽田 50代 男性 非公表 メキシコ 無症状

■有症状事例
・1月22日 2106 羽田 20代 女性 愛知県 英国 嗅覚障害、味覚障害
・1月26日 2120 羽田 50代 男性 神奈川県 米国 発熱、咳
・1月26日 2121 羽田 10代 女性 東京都 米国 咳、鼻汁、倦怠感
・1月27日 2125 成田 40代 男性 埼玉県 ナイジェリア 発熱

■2か国以上滞在者事例
・該当無し

■変異株
・1月22日 2106 羽田 20代 女性 愛知県 英国 嗅覚障害、味覚障害

■非上陸拒否国からの入国者
・該当無し

■空港検疫での感染確認 週間別の傾向(検査対象人数が推定値)
2020/04/03-2021/01/21:検査対象474,916人(1,577人/日) 感染2,164人=罹患率0.455%
(上記合計は11月5日分の過計上1,838件をマイナス済。下記各週の数値はマイナスせず。)
2020年
04/03-04/09:検査対象10,010人(1,430人/日) 感染34人=罹患率0.339%
04/10-04/16:検査対象 7,375人(1,053人/日) 感染16人=罹患率0.216%
04/17-04/23:検査対象 4,480人( 640人/日) 感染 8人=罹患率0.178%
04/24-04/30:検査対象 4,744人( 677人/日) 感染13人=罹患率0.274%
05/01-05/07:検査対象 3,861人( 551人/日) 感染 5人=罹患率0.129%
05/08-05/14:検査対象 4,130人( 590人/日) 感染 5人=罹患率0.121%
05/15-05/21:検査対象 3,948人( 564人/日) 感染 3人=罹患率0.075%
05/22-05/28:検査対象 3,988人( 569人/日) 感染23人=罹患率0.576%
05/29-06/04:検査対象 5,869人( 838人/日) 感染20人=罹患率0.340%
06/05-06/11:検査対象 6,081人( 868人/日) 感染29人=罹患率0.476%
06/12-06/18:検査対象 6,788人( 969人/日) 感染41人=罹患率0.604%
06/19-06/25:検査対象 7,677人(1,096人/日) 感染30人=罹患率0.390%
06/26-07/02:検査対象 9,458人(1,351人/日) 感染20人=罹患率0.211%
07/03-07/09:検査対象10,800人(1,542人/日) 感染41人=罹患率0.379%
07/10-07/16:検査対象 9,702人(1,386人/日) 感染76人=罹患率0.783%
07/17-07/23:検査対象 9,388人(1,341人/日) 感染64人=罹患率0.681%
07/24-07/30:検査対象 9,055人(1,293人/日) 感染84人=罹患率0.927%
07/31-08/06:検査対象12,190人(1,741人/日) 感染67人=罹患率0.549%
08/07-08/13:検査対象 9,453人(1,350人/日) 感染36人=罹患率0.380%
08/14-08/20:検査対象10,254人(1,464人/日) 感染39人=罹患率0.380%
08/21-08/27:検査対象10,612人(1,516人/日) 感染31人=罹患率0.292%
08/28-09/03:検査対象11,895人(1,699人/日) 感染47人=罹患率0.395%
09/04-09/10:検査対象 9,679人(1,382人/日) 感染27人=罹患率0.278%
09/11-09/17:検査対象11,654人(1,664人/日) 感染41人=罹患率0.351%
09/18-09/24:検査対象11,262人(1,608人/日) 感染45人=罹患率0.399%
09/25-10/01:検査対象13,766人(1,966人/日) 感染48人=罹患率0.348%
10/02-10/08:検査対象12,579人(1,797人/日) 感染51人=罹患率0.405%
10/09-10/15:検査対象12,755人(1,822人/日) 感染43人=罹患率0.337%
10/16-10/22:検査対象15,304人(2,186人/日) 感染44人=罹患率0.287%
10/23-10/29:検査対象16,650人(2,378人/日) 感染51人=罹患率0.306%
10/30-11/05:検査対象15,804人(2,257人/日) 感染54人=罹患率0.341%
11/06-11/12:検査対象10,227人(1,461人/日) 感染100人=罹患率0.977%
11/13-11/19:検査対象11,591人(1,655人/日) 感染77人=罹患率0.664%
11/20-11/26:検査対象12,322人(1,760人/日) 感染88人=罹患率0.714%
11/27-12/03:検査対象13,348人(1,906人/日) 感染83人=罹患率0.621%
12/04-12/10:検査対象15,699人(2,242人/日) 感染79人=罹患率0.503%
12/11-12/17:検査対象17,378人(2,482人/日) 感染69人=罹患率0.397%
12/18-12/24:検査対象21,365人(3,052人/日) 感染115人=罹患率0.538%
12/25-12/31:検査対象13,804人(1,972人/日) 感染63人=罹患率0.456%
2021年
01/01-01/07:検査対象13,130人(1,875人/日) 感染92人=罹患率0.701%
01/08-01/14:検査対象19,668人(2,809人/日) 感染63人=罹患率0.320%
01/15-01/21:検査対象27,317人(3,902人/日) 感染53人=罹患率0.194%
01/22-01/28:検査対象 9,694人(1,384人/日) 感染28人=罹患率0.288%
 [空港別] 成田15・羽田7・中部3・関空2・福岡1
 [男女別] 男16・女12
 [年代別] 10代下5・20代5・30代6・40代3・50代7・60代2・70代0・80代上0
 [渡航元] フィリピン5・インドネシア1・
   ネパール1・インド1・パキスタン1・カタール1・
   フランス1・イタリア1・英国1・エジプト1・ガーナ1・ナイジェリア2・
   米国9・メキシコ1・ペルー1・非公表0
 [居住地] 群馬1・埼玉3・東京8・神奈川7・愛知5・大阪2・福岡1・非公表1
 22日7(1)、23日2、24日5、25日1、26日6(2)、27日4(1)、28日3=28
 43週(301日)経過


※検査対象数は、何月何日着が何人という発表ではなく、2日遅れで集計発表していると思われる数値しか公表されていません。毎日更新されているので、それほど大きくブレることはないと思いますが、確実に何月何日到着分の数値かは不明です。推定値に近い数値として捉えてください。
※上記数字は、検査者数は海港検疫を含めた数値、陽性者数は海港検疫を含めない数値で記載しています。


■これまでの毎週配信している期間集計(週間別)の記事
<2020年07月から週間分析>
01月26日 検疫週間別1月3_検査増で0.1%台
01月19日 検疫週間別1月2_検査あまり増えず
01月12日 検疫週間別1月1_激増0.7%超
01月03日 検疫週間別12月5_減少も0.45%超
12月27日 検疫週間別12月4_過去最悪陽性115人
12月20日 検疫週間別12月3_検査最多 陽性60人台
12月13日 検疫週間別12月2_70人台0.5%超
12月06日 検疫週間別12月1_悪化続き80台
11月29日 検疫週間別11月4_悪化したまま
11月22日 検疫週間別11月3_まだ率0.6%超
11月15日 検疫週間別11月2_状況過去最悪
11月08日 検疫週間別11月1_検査前増後減
11月01日 検疫週間別10月4_罹患率0.3%超
10月25日 検疫週間別10月3_検査1日2千人超
10月18日 検疫週間別10月2_南亜急増中
10月11日 検疫週間別10月1_9週ぶり50人超 グラフ掲出開始
10月04日 検疫結果週間別9月5_最多検査0.3%超
09月27日 検疫結果週間別9月4_罹患0.4%肉薄
09月20日 検疫結果分析9月3_陽性40人台
09月13日 検疫結果分析9月2_9週ぶり20人台
09月06日 検疫結果分析9月1_4週ぶり40人超
08月30日 検疫結果分析8月4_罹患0.3%切
08月23日 検疫結果分析8月3_罹患横ばい
08月16日 検疫結果分析8月2_若干落ち着き
08月09日 検疫結果分析8月1_検査増で罹患減
08月02日 検疫結果分析7月4_最悪0.9%超
07月26日 検疫結果分析7月3_高水準続く
07月19日 検疫結果分析7月2_過去最悪
07月12日 検疫結果分析7月1_感染拡大戻り
07月05日 検疫結果分析(6月4週)_少し落ち着き
06月28日 検疫結果分析(6月3週目)_罹患高率(4月1〜6月3迄分析)
<07月まで上中下順別分析>
08月03日 検疫結果分析7月下_最悪悪化
07月23日 検疫結果分析7月中_最悪更に大悪化
07月13日 検疫結果分析7月上_感染数最悪
07月03日 検疫結果分析_6月下旬変化?
06月23日 検疫結果分析_6月中旬率最悪
06月13日 検疫結果分析_6月上旬も異常
06月04日 検疫結果分析_5月下旬異常(4月上〜5月下迄分析)


ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☁| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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