◇空港検疫 規制ものともせず入国者数が増加、外国籍者ばかり増加 ベトナムがトップ変わらず
厚生労働省(厚労省)は3日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の1月3週目(1月17日〜1月23日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別の入国者数が2週連続で判明しています。
■検査数は増加中、外国籍者ばかり増加
1月3週目は、検査数は22,678件(前週比+1,288件)と、前週よりも増加しています。
日本国籍者は4,805件(前週比-1,012件)と二割近く減少した一方、外国籍者は17,873件(前週比+2,300件)と大幅に増加しています。
入国時検査は9日着から全入国者対象となり、さらに、72時間前までの検査陰性証明の提示義務付けが、猶予期間を経て13日着以降実施されています。今週分から全期間通じて入国のハードルが一段上がった状態になりましたが、外国籍者の入国が減る気配はありませんでした。
国別で見ると、最も入国が多かったのは、二週連続でベトナムからで8,246件(前週比+3,462件)。大幅に増えています。
続いてが中国なのも変わりませんが、3,772件(前週比-8件)で微減です。続いて米国は2,193件(前週比-726件)、フィリピン1,170件(前週比-354件)といずれも減少しています。
韓国は1,141件(前週比-75件)、タイは482件(前週比-16件)とそれぞれ微減で、六位までは前週と同じ国々でした。
7番目はミャンマーが459件(前週比+24件)、代わりに順位を落としたのがインドで382件(前週比-72件)でした。両国とも大きな変動はないものの、順位が入れ替わっています。9位はブラジルで371件(前週比+12件)、台湾は340件(前週比-100件)と減少幅が大きく10番目でした。
ベトナムは、日本国籍者92件、外国籍者8,154件と外国籍者が倍増し、さらに外国籍者に偏った状況です。
中国は、日本国籍者589件、外国籍者3,183件と相変わらず外国籍者が多くを占めていますが、日本国籍者は微増、外国籍者は微減です。
フィリピン、韓国、ミャンマー、インド、ブラジルは外国籍者が明らかに多いです。タイも外国籍者が明らかに多くなりました。
一方、米国は、日本国籍者1,259件、外国籍者934件と日本国籍者が多くなっています。台湾も、日本国籍者の方が多い状況です。
日本国籍者が多い米国と台湾が、比較的多めに入国者数が減少したのは気になる傾向です。
過去のデータでは、ベトナムは永住者などは少なく、技能実習生が多いのです。12月には原則無くなった新規入国がまだ続いているのでしょうか。謎推移です。
12月下旬に入国規制を求める声が強まった際、「外人の入国を制限しろ!」という声が多かったですが、入国規制強化は外国籍者の入国減少にはあまり効果が出ていないようにみえます。
罹患状況などの詳細の分析は後日別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2021年02月03日
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