2021年02月06日

検疫週間速報1月3_邦人の方が率悪

■空港検疫(週間速報)1月3週目 日本国籍者の罹患率が11月以降で初めて外国籍者より悪化

厚生労働省(厚労省)は3日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の1月3週目(1月17日〜1月23日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。27日の公表で、2020年10月4日〜2021年1月23日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じていますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 外国籍者の罹患率が日本国籍者を下回る!
2020年
10/04-10/31 (日本国籍0.34%:外国籍0.35%)
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)

01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)

検査数は、12月中旬〜下旬に日本国籍者が外国籍者の二倍ほどいたのに対し、12月5週目に日本国籍:外国籍=1:1.16と逆転。1月1週目に1:1.8、1月2週目に1:2.6、今週は1:3.7とどんどん外国籍者が増えています。
検査対象が全入国者になりました。入国者の多さは、前週同様にベトナム、中国、米国、フィリピン、韓国の順でした。
日本人は12月4週目に12,354人いたのに対し、今週も4,805人だけと、大幅減少が続いています。

10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しています。外国籍者の方が多い印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えていました。
今週は検体数が増えた一方、陽性者数は減ったため、全体の罹患率は下がっています。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が17%減少に対して陽性者数は17%減少。外国籍者は検査数が15%増加に対して陽性者数は47%減少です。
このため、罹患率は、日本国籍者は横ばい、外国籍者は大幅減少し、日本国籍者の方が罹患率が高くなりました外国籍者より日本国籍者の方が罹患率が悪いのは11月1日以来初めてです。表現としては、「日本国籍者が悪化した」のではなく、「外国籍者が改善した」という方が正しいでしょうか。日本国籍者はあまり変化なく、外国籍者は検体数が増えたのに陽性者は大幅減少だからです。

入国者数の多いベトナムや中国などの国が検査対象だった10月の罹患率に近いです。このため、この数値が空港検疫での平均的な数値に近いのかもしれません。

罹患率は減少したとは言ってもまだ0.18%です。
日本国内の罹患率は0.06%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約70,000人)ですから、空港検疫は相変わらず国内より危険であることが分かります。

[陽性者数多い国分析] 米国は日本国籍者増加
今週は、日本国籍者は横ばいからやや減少、外国籍者は減少と傾向が変わりました。
相変わらず数が最多なのは米国で14人でした。今週は日本国籍者が増えており、9人と多くを占めています。
2番目に多いのはベトナムで4人陽性者が出ています。ベトナムは全員外国籍者の陽性です
ナイジェリアが3人で続いています。ナイジェリアも全員外国籍者の陽性です。

[罹患率高い国分析] メキシコ罹患率1%超え、入国少人数の高感染はアフリカばかり
罹患率は、ある程度の検体数(100人以上)がいる国では、メキシコが最も悪く1.96%でした。
1%を超えたのはメキシコのみでした。アラブ首長国連邦が0.81%、米国が0.64%と続いています。メキシコとUAEは陽性者が全員日本国籍者、米国は日本国籍者が外国籍者の2倍います(入国者数は2倍も差は無い)です。

検体数が少ない国では、ガンビア(50.00%)、エチオピア(25.00%)、ガーナ(14.29%)、ナイジェリア(11.11%)、南アフリカ(10.00%)と5か国も10%以上です。すべてアフリカ諸国で、こちらは1人除いてすべて外国籍者。入国者数が少ないのに陽性確認が続いています
アフリカ諸国からの入国者はとにかく少ないです。現地の感染がそれだけ危険状態に陥っている国が増えている可能性があります

検体数、陽性者数の推移と、罹患率の変化を見ると、入国規制で渡航を自粛しているのは日本人がメイン。外国人はあまり気にせず渡航を継続しているように感じます。

そんな中で陽性者が減っているので、陽性疑い者は飛行機を利用できなくなってきたという見方もできるかもしれません。
一方で、大幅に入国者数が増えたのが低感染国のベトナムから。感染確率の高い国からの入国が減ったわけではなく、単に感染可能性の低い人たちが増えただけだけかもしません。
後者だとすると、手放しには喜べませんね

今のところ、翌週1月4週目は入国者数が激減しているようなので、1月3週目までは技能実習生などの外国籍者の駆け込み需要があったと推定される結果となりました。翌週1月4週目の詳細がどうなるかは要注目です。


[非公表の多い国分析] 誤差だいぶ減少
毎日の詳細発表で非公表者は消滅しています。
誤差はだいぶ少なくなってきました。

[航空便利用者数分析] 航空利用者は微増
合計の利用者数は3%・752人微増で、27,433人でした
ベトナム直行便は2千人以上、シンガポール直行便は千人弱の増加。中国直行便は4千人弱で横ばい。
米国直行便は約千人、フィリピン直行便と韓国直行便はそれぞれ5百人ほど減少しています。
ポーランドは毎週50人ほどでしたが、直行便欠航が始まり0人でした。毎週1便(252席仕様)で50人前後ですから、搭乗率は2割程度。厳しい運航だったと推定できます。
なお、英国からは入国者数が大幅に減っていますので、この週をもってブリティッシュ・エアウェイズが運航を取り止めています。

毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

米国からの入国者の動向
10月04日〜10月10日:罹患率0.23%
日本国籍 検体1,674・陽性4=罹患率0.24%、外国籍 検体547・陽性1=罹患率0.18%
10月11日〜10月17日:罹患率0.54%
日本国籍 検体532・陽性4=罹患率0.75%、外国籍 検体215・陽性0=罹患率0.00%
10月18日〜10月24日:罹患率0.15%
日本国籍 検体823・陽性0=罹患率0.00%、外国籍 検体489・陽性2=罹患率0.41%
10月25日〜10月31日:罹患率0.13%
日本国籍 検体1,545・陽性1=罹患率0.06%、外国籍 検体783・陽性2=罹患率0.26%
11月01日〜11月07日:罹患率1.19%
日本国籍 検体1,832・陽性26=罹患率1.42%、外国籍866・陽性6=罹患率0.69%
11月08日〜11月14日:罹患率0.67%
日本国籍 検体1,829・陽性11=罹患率0.60%、外国籍851・陽性7=罹患率0.82%
11月15日〜11月21日:罹患率0.78%
日本国籍 検体2,043・陽性11=罹患率0.54%、外国籍1,017・陽性13=罹患率1.28%
11月22日〜11月28日:罹患率0.64%
日本国籍 検体3,307・陽性20=罹患率0.60%、外国籍933・陽性7=罹患率0.75%
11月29日〜12月05日:罹患率0.75%
日本国籍 検体2,644・陽性14=罹患率0.53%、外国籍1,209・陽性15=罹患率1.24%
12月06日〜12月12日:罹患率0.37%
日本国籍 検体3,544・陽性10=罹患率0.28%、外国籍1,080・陽性 7=罹患率0.65%
12月13日〜12月19日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,300・陽性12=罹患率0.28%、外国籍 963・陽性10=罹患率1.04%
12月20日〜12月26日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,887・陽性20=罹患率0.41%、外国籍 789・陽性 4=罹患率0.51%
12月27日〜01月02日:罹患率0.50%
日本国籍 検体2,746・陽性11=罹患率0.40%、外国籍1,426・陽性10=罹患率0.70%
01月03日〜01月09日:罹患率0.71%
日本国籍 検体2,384・陽性 6=罹患率0.25%、外国籍1,850・陽性24=罹患率1.30%
01月10日〜01月16日:罹患率0.38%
日本国籍 検体1,782・陽性 4=罹患率0.22%、外国籍1,137・陽性 7=罹患率0.62%

01月17日〜01月23日:罹患率0.64%
日本国籍 検体1,259・陽性 9=罹患率0.71%、外国籍 934・陽性 5=罹患率0.54%


英国からの入国者の動向
11月22日〜11月28日:罹患率0.77%
日本国籍 検体 304・陽性 2=罹患率0.66%、外国籍 87・陽性 1=罹患率1.15%
11月29日〜12月05日:罹患率0.29%
日本国籍 検体 587・陽性 2=罹患率0.34%、外国籍 105・陽性 0=罹患率0%
12月06日〜12月12日:罹患率0.17%
日本国籍 検体1,066・陽性 2=罹患率0.19%、外国籍 136・陽性 0=罹患率0%
12月13日〜12月19日:罹患率0.33%
日本国籍 検体1,102・陽性 4=罹患率0.36%、外国籍 108・陽性 0=罹患率0%
12月20日〜12月26日:罹患率1.50%
日本国籍 検体 986・陽性17=罹患率1.72%、外国籍 149・陽性 0=罹患率0%
12月27日〜01月02日:罹患率0.39%
日本国籍 検体 168・陽性 1=罹患率0.60%、外国籍 87・陽性 0=罹患率0%
01月03日〜01月09日:罹患率0.52%
日本国籍 検体 241・陽性 1=罹患率0.41%、外国籍 141・陽性 1=罹患率0.71%
01月10日〜01月16日:罹患率0.59%
日本国籍 検体 252・陽性 2=罹患率0.79%、外国籍 89・陽性 0=罹患率0%

01月17日〜01月23日:罹患率0.40%
日本国籍 検体 203・陽性 1=罹患率0.49%、外国籍 48・陽性 0=罹患率0%


週間速報内容
01/17-01/23
全検査
合計 検体22,678陽性41 0.18%↓陽性率半減

日本 検体 4,805陽性15 0.31%↑
外国 検体17,873陽性26 0.15%↓陽性率半減

検体数の多い国
ベトナム:検体8,246 陽性 4=0.05%
  日本国籍 検体 92 陽性 0=0%/外国籍 検体 8,154 陽性 4=0.05%
中  国:検体3,772 陽性 1=0.03%
  日本国籍 検体 589 陽性 0=0%/外国籍 検体3,183 陽性 1=0.03%
米  国:検体2,193 陽性14=0.64%
  日本国籍 検体1,259 陽性 9=0.71%、外国籍 検体 934 陽性 5=0.54%
フィリピン:検体1,170 陽性 2=0.17%
  日本国籍 検体 102 陽性 0=0%/外国籍 検体1,068 陽性 2=0.19%
韓  国:検体1,141 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 214 陽性 0=0%/外国籍 検体 927 陽性 0=0%

罹患率の高い国(検体数100以上)
メキシコ:合計 検体 102、陽性 2=1.96%
  日本国籍 検体 86、陽性 2=2.33%/外国籍 検体 16、陽性 0=0%
U A E:合計 検体 124、陽性 1=0.81%
  日本国籍 検体 84、陽性 1=1.19%/外国籍 検体 40、陽性 0=0%
米  国:合計 検体2,193、陽性14=0.64%
  日本国籍 検体1,259 陽性 9=0.71%、外国籍 検体 934 陽性 5=0.54%
ネパール:合計 検体 183、陽性 1=0.55%
  日本国籍 検体 4、陽性 0=0%/外国籍 検体 179、陽性 1=0.56%
イ ン ド:合計 検体 382、陽性 2=0.52%
  日本国籍 検体 81、陽性 0=0%/外国籍 検体 301、陽性 2=0.66%
※特記
罹患率はガンビアが最悪です(検体2・陽性1(全員外国籍者)の50.00%)。
エチオピア(25.00%、外国籍3人中陽性1人)、ガーナ(14.29%、外国籍6人中陽性1人)、ナイジェリア(11.11%、外国籍25人中陽性3人)、南アフリカ(10.00%、日本国籍7人中陽性1人)が10%以上です。


毎日の個別発表との誤差状況(1月17日〜1月23日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):41人
(B)毎日発表:38人中非公表0人(複数国滞在者なし)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 米  国(A)14人(B)13人=Aが1人超過(日本籍9・外国籍5)
 メキシコ(A)2人(B)1人=Aが1人超過(日本籍2・外国籍0)
 オランダ(A)1人(B)0人=Aが1人超過(日本籍0・外国籍1)

水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 02:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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