入国者数のほぼ判明している状態が6週目に突入
厚生労働省(厚労省)は3日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の2月3週目(2月14日〜2月20日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が6週連続で判明しています。
■検査数≒入国者はほぼ横ばい
2月3週目は、検査数は9,523件(前週比+100件)と、前週から横ばいでした。
日本国籍者は4,503件(前週比-661件)と減少止まらず、一方で外国籍者は5,020件(前週比+761件)と増加し、500件ほど外国籍者の方が多くなりました。
■米中比変わらず多い
国別で見ると、最も入国が多かったのは米国で1,915件(前週比-40件)でした。二位は中国で1,104件(前週比-114件)、三位はフィリピンで1,076件(前週比+24件)、四位は韓国で681件(前週比+144件)、五位はインドで368件(前週比+54件)と順番は前週と同じで、それぞれの件数もほぼ横ばいでした。。
六番目〜八番目も前週と同じで、台湾307件(前週比-1件)、インドネシア291件(前週比+17件)、タイ265件(前週比-5件)でした。
九番目はネパールで227件(前週比+58件)、ドイツが十位で223件(前週比+20件)でした。
この他に目立った国は、ほぼ皆増で一気に増えたのが、グアム(皆増の71件)。一気に減ったのがモンゴル(47件減の0件)やマダガスカル(16件減の0件)でした。
グアムは直行便が飛んでいませんので、米軍関係者の可能性があります。
■中国・台湾の外国籍者が増加、旧正月需要?
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイ、ドイツです。
米国は相変わらず日本人が多く、日本国籍者1,328件・外国籍者587件と差がさらに開いています。
タイ(日本国籍者211件・外国籍者54件)はずっと日本人が多い傾向が続いています。
ドイツも同様で日本国籍者187件・外国籍者36件でした。
欧米は日本人が多いのは傾向として変わっていません。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、韓国、インド、台湾、インドネシア、ネパールでした。
中国は外国籍者が減り続けてきましたが、今週状況が一変。日本国籍者316件・外国籍者788件といきなり外国籍者が倍いる状態になりました。台湾(日本国籍者115件・外国籍者192件)も外国籍者が逆転しています。旧正月需要と思われる動きです。
外国人がずっと多いままの筆頭はフィリピンで、日本国籍者123件・外国籍者953件。インド(日本国籍者66件・外国籍者302件)やネパール(日本国籍者7件・外国籍者220件)など南アジア諸国は、圧倒的に外国籍者が多いままです。
韓国は日本国籍者213件・外国籍者468件、インドネシアは日本国籍者107件・外国籍者184件でした。
この他、十位以内に入っていませんが11位のブラジルと12位のパキスタンは外国籍者の方が多く、13位の英国、14位のシンガポール、15位のフランスは日本国籍者の方が多い状況です。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本人が多い
・アジアからの入国は、高感染国は外国人、低感染国は日本人の方が多い
といった傾向が続いています。
今週はこれに旧正月需要が出たといったところでしょうか。
罹患状況などの詳細の分析は後日別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7