◇12月入国者は約3万人増えて13万人強 日本人2万7千人増で帰省相次いだ?
法務省は25日、出入国管理統計の2020年12月分の月報を発表しました。10月の日本への入国者数は99,663人で、外国人は69,210人が入国していたことが判明しました。
■総合
2020年12月の入国者数は日本人57,601人、外国人72,632人(米軍の協定該当者含む)、合計130,233人でした。11月に比べて約3万人増加しています。
前年比は96.8%減で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響がそのまま出た結果になりました。
比率では、外国人が55.8%(前月比-13.6%)と減少しています。外国人は前月からほぼ横ばいで、増加の大部分は日本人となっています。日本人は前月比で2万7千人増加・約1.9倍にもなっており、年末の帰国需要があったものとみられます。
■空港別
最も入国者が多かった空港は成田国際で71,091人(前月比+9,905人)と1万人近い増加です。全入国者に占める割合は55%(前月比-6P)とやや減少気味でした。東京国際(羽田)の方が増加人数が多く31,861人(前月比+11,879人、全入国者の24%(前月比+4P))でした。関西国際(関空)は七千人ほど増えて21,402人(前月比+5,295人、同16%(前月比±0P))。外国籍者は前月に引き続き羽田より多くなりました。便数は羽田の方が断然多いので、利用率は関空の方が全然良さそうですね。
中部国際は2.5倍の2,472人(同1.9%)、福岡は2.7倍の3,187人(同2.4%)でした。
入国者が全員米軍関係者と思われる三沢を除くと、定期便が細々続いている5空港と新たに新千歳のみで入国者がありました。新千歳は定期便は飛んでいないのでチャーター便による入国とみられます。空港の分担割合は10月から少しずつ変化しているように見えます。
アジアとのつながりの強い関空が外国籍者入国に特徴を出した一方、昨年夏と同様に日本人が増えると羽田が増える傾向も変わらない印象です。
■外国籍者の在留資格別
在留資格別でみると、69,742人のうち、永住者が6,019人、日本人・永住者の配偶者は2,818人、定住者1,750人、特別永住者531人など、元からの日本在住者は微増傾向です。留学16,050人、短期滞在3,907人、家族滞在6,307人なども入国を許可されています。先月まで激増が続いていた留学者は減少、家族滞在も急増が止まっています
また、技能実習(1号イ〜3号ロ合計)は19,743人(前月比1.5倍)とまだ増加が止まりませんが、技術・人文知識・国際業務は微減の5,209人でした。
■外国籍者の国籍別
その国から来たかどうかは分かりませんが、国籍別でみると、中国、ベトナム、韓国、フィリピン、インドネシアのそれぞれの国籍者の入国が上位5位を占めています。欧州国籍者の入国者数は15位以内に入らず、人数は各国とも微増傾向の印象です。だいたい、在日外国人の多い国が上位を占めています。激増した国は減り、前月比千人以上の増加だったのはネパールのみでした。
台湾、タイは、11月から新たに検査なしになったものの、前月に引き続き入国者が減少しています。
一方で、米国はそれほど外国籍者は増えていないのですが、11月以降陽性者が急増しています。11月から、日本人短期出張者対象の帰国後14日待機緩和が始まっていて、この最も危険なスキームが影響した可能性が強く疑われる入国者数結果となりました。
■外国籍者の国籍別詳細
中国:前月同様に再入国者は4,638人で22%。平均的な割合です。留学9,164人、技能実習4,632人、永住者2,198人でした。技能実習が千人以上伸びた一方、留学は千人近い減少です。
ベトナム:前月同様に再入国者はわずか419人3%で、ほとんど新規入国者です。永住者40人、配偶者等73人、定住者47人しかいないのに家族滞在は相変わらず多い910人。また、技能実習が倍増して10,080人と人数が戻った一方、留学は半分以下の2,994人でした。技術・人文知識・国際業務は前月からやや減って858人でした。ビジネストラックが11月から始まっていますが、影響が少しずつ出てきた印象です。
韓国:先月同様に再入国者は4,620人58%で、元々日本と行き来していた人が多めです。永住者941人、特別永住者480人。短期滞在758人、技術・人文知識・国際業務が547人、留学528人と、短期滞在が多い傾向は変わりません。ビジネスの短期出張と捉えれば良いのでしょうか?
フィリピン:再入国者は1,293人33%とやや比率が落ちています。日本在住者の入国が多いのか、永住者が多く704人。配偶者等も383人、定住者も456人います。
技能実習が1,296人と倍増しており、少しずつ日本在住者以外の行き来が増え始めている印象です。
インドネシア:再入国者はわずか222人6%。そして技能実習が1,943人と3分の2を占める状況は変わりません。留学は半減近い355人、特定活動が406人います。永住者は63人、配偶者等47人、定住者31人しかいませんでした。
ネパール:急増した国なので、6番目ですが取り上げます。再入国者は953人37%とやや高めです。永住者85人、配偶者等38人、定住者24人しかいませんが、家族滞在が1,303人と異常に多いのが特徴です。留学は468人、実習生ではない技能が333人いるのが目立ちます。
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ビジネス入国のユルさへの批判が多いですが、家族滞在や留学なども注意が必要そうです。
そして、12月は日本人の異常な急増が目立ちました。
日本国内では帰省自粛する人が後を絶たなかったのに、月末には変異株騒動も起きているなか、昨年3月のように日本人の海外からの帰省が結構あったのは非常に残念な結果ですね。
空港検疫での国籍別の感染状況については、詳細を別途アップします。
<2020年12月入国者数>
入国者計130,233人(前年 4,069,060人/△96.8%)
日 本 人 57,601人(前年 1,567,008人/△96.3%)
外 国 人 69,742人(前年 2,482,441人/△97.2%)
協定該当者 2,890人(前年 19,611人/△85.3%)
<2020年12月空港別入国者数> 日本人・外国人・協定該当者の3分類
新 千 歳 7人(外国人 7人、協定該当者 0人)
三 沢 189人(外国人 0人、協定該当者 189人)
成田国際71,091人(外国人44,594人、協定該当者1,310人)
東京国際31,861人(外国人 7,384人、協定該当者1,309人)
中部国際 2,472人(外国人 1,788人、協定該当者 0人)
関西国際21,402人(外国人13,553人、協定該当者 41人)
福 岡 3,187人(外国人 2,414人、協定該当者 41人)
<2020年12月国籍別入国者数 上位15位>
◆:12月に入国時の検査が対象外だった国(14日間自主隔離は必須)
◇:12月にビジネストラック対象国
矢印は、11月と比較したときの人数増減状況
中 国◆◇21,416↑
ベトナム◆◇15,873↑急増(前月比+979)
韓 国◆◇ 4,620↑
フィリピン 3,861↑
インドネシア 3,464↓
ネパール 2,589↑急増(前月比+1,055)
米 国 1,861↑
イ ン ド 1,817↑
台 湾◆ 1,358↓
ミャンマー 1,065↑
ブラジル 1,049↑
スリランカ◆ 1,013↑
タ イ◆ 952↓
パキスタン 765↓
モンゴル◆ 569↑
■出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_nyukan.html
2020年11月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/479721270.html
2020年10月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/479239992.html
2020年09月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/478700697.html
2020年08月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/478127066.html
2020年07月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/477602353.html
2020年06月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/477054206.html
2020年05月分の配信内容 http://johokotu.seesaa.net/article/476533684.html
2021年02月28日
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