2021年03月13日

検疫週間速報2月4_邦人急激悪化

◇空港検疫(週間速報)2月4週目 罹患率横ばいも日本国籍者の罹患率急激悪化

厚生労働省(厚労省)は10日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の2月3週目(2月14日〜2月20日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。3日の公表で、2020年10月4日〜2021年2月20日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 日本国籍者が急激に悪化
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)

02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)

検査数は、12月中旬〜下旬に日本国籍者が外国籍者の二倍ほどいたのに対し、12月5週目に日本国籍:外国籍=1:1.16と逆転。1月1週目に1:1.8、1月2週目に1:2.6、1月3週目に1:3.7とどんどん外国籍者が増えていました。1月4週目に外国籍者が急激に減って日本国籍:外国籍=1:1.05とほぼ同じになり、2月1週目に1:0.88と日本国籍者が逆転。2月2週目は1:0.82でしたが、先週2月3週目は再び外国籍者が多くなり1:1.11でした。
今週は1:1.02とほぼ同数でした

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、前週から変わらず、米国、中国、フィリピン、韓国、インドの順でした。
日本人は12月4週目に12,354人いたのに対し、1月以降は激減しており、今週も5,830人だけと、大幅減少の状況が続いています。
外国人は1月4週目に大きく減少したところからさらに減少が続いていましたが、今週は増加。1月3週目に17,873人だったものが、今週は5,949人でした。

10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しました。外国籍者の方が多かった印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えていました。
陽性者数が同数で、全体の罹患率もほぼ横ばいです。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が29%増加に対して陽性者数は160%増加(2.6倍)。外国籍者は検査数が19%増加に対して陽性者数は29%減少です。
このため、罹患率は、日本国籍者は悪化、外国籍者は改善。5週間ぶりに日本国籍者の方が悪くなりました。

入国者数の多いベトナムや中国などの国が検査対象だった10月の罹患率に近いです。このため、この数値が空港検疫での平均的な数値に近いのかもしれません。

罹患率は減少したとは言ってもまだ0.20%です。
日本国内の罹患率は、最悪のピークだった1月初旬でも0.06%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約70,000人、現在は治療中+死者約3万5千人で罹患率0.03%)ですから、空港検疫は相変わらず国内より危険であることが分かります。

[陽性者数多い国分析] 11か国のみ、UAEが急激悪化、フィリピンが続く
今週陽性者が確認されたのは、アラブ首長国連邦(UAE)、フィリピン、ウクライナ、パキスタン、米国、インドネシア、コートジボワール、ナイジェリア、ハンガリー、バングラデシュ、ルーマニアの11か国でした。
最多だったのはUAEで8人でした。全員日本国籍者です。
フィリピンが3人で続き、ウクライナ、パキスタン、米国が2人で並んでいます。フィリピンは3人とパキスタンの2人はともに外国籍者、米国は2人とも日本国籍者です。
残り6か国は1人ずつで、このうち日本国籍者はインドネシアとハンガリーです。ハンガリーはUAEの1人と同一人物です。
英国は五週連続陽性0人と安定してきています。

[罹患率高い国分析] 1%超えは11か国中7か国
罹患率は、コートジボワールが最も悪く20.00%(検体5人中1人陽性、陽性は外国籍者)でした。ルーマニアが6.25%(検体16人中1人陽性、陽性は外国籍者)、ハンガリーが4.17%(検体24人中1人陽性、陽性は日本国籍者)、ウクライナが4.08%(検体49人中2人陽性)、UAEが2.74%(検体292人中8人陽性、陽性者は全員日本国籍者)、ナイジェリアが2.17%
(検体46人中1人陽性、陽性は外国籍者)、バングラデシュが1.12%(検体89人中1人陽性、陽性者は外国籍者)
と続いています。
1%超えは以上の7か国でした。UAEは連続で1%超えの危険状態です。

[航空便利用者数分析] 航空利用者は大幅増加
合計の利用者数は、15,953人(前週比+2,502人)と大幅増加でした
増加傾向の国が多く、中国直行便が2,014人(前週比+712人)、米国直行便が3,467人(前週比+527人)と比較的多めに増加しています。
その他目立った国はありません。
変異株で騒ぎになっている英国直行便は228人(前週比+62人)でした。

[変異株陽性者数分析] 変異株陽性者6割超え!!
23人の陽性者のうち、11人が英国で確認された変異株、3人が南アフリカで確認された変異株と確認されています。実に61%も占めています。
そのうち5人は有症状者でした。

毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

米国からの入国者の動向
10月04日〜10月10日:罹患率0.23%
日本国籍 検体1,674・陽性4=罹患率0.24%、外国籍 検体547・陽性1=罹患率0.18%
10月11日〜10月17日:罹患率0.54%
日本国籍 検体532・陽性4=罹患率0.75%、外国籍 検体215・陽性0=罹患率0.00%
10月18日〜10月24日:罹患率0.15%
日本国籍 検体823・陽性0=罹患率0.00%、外国籍 検体489・陽性2=罹患率0.41%
10月25日〜10月31日:罹患率0.13%
日本国籍 検体1,545・陽性1=罹患率0.06%、外国籍 検体783・陽性2=罹患率0.26%
11月01日〜11月07日:罹患率1.19%
日本国籍 検体1,832・陽性26=罹患率1.42%、外国籍866・陽性6=罹患率0.69%
11月08日〜11月14日:罹患率0.67%
日本国籍 検体1,829・陽性11=罹患率0.60%、外国籍851・陽性7=罹患率0.82%
11月15日〜11月21日:罹患率0.78%
日本国籍 検体2,043・陽性11=罹患率0.54%、外国籍1,017・陽性13=罹患率1.28%
11月22日〜11月28日:罹患率0.64%
日本国籍 検体3,307・陽性20=罹患率0.60%、外国籍933・陽性7=罹患率0.75%
11月29日〜12月05日:罹患率0.75%
日本国籍 検体2,644・陽性14=罹患率0.53%、外国籍1,209・陽性15=罹患率1.24%
12月06日〜12月12日:罹患率0.37%
日本国籍 検体3,544・陽性10=罹患率0.28%、外国籍1,080・陽性 7=罹患率0.65%
12月13日〜12月19日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,300・陽性12=罹患率0.28%、外国籍 963・陽性10=罹患率1.04%
12月20日〜12月26日:罹患率0.42%
日本国籍 検体4,887・陽性20=罹患率0.41%、外国籍 789・陽性 4=罹患率0.51%
12月27日〜01月02日:罹患率0.50%
日本国籍 検体2,746・陽性11=罹患率0.40%、外国籍1,426・陽性10=罹患率0.70%
01月03日〜01月09日:罹患率0.71%
日本国籍 検体2,384・陽性 6=罹患率0.25%、外国籍1,850・陽性24=罹患率1.30%
01月10日〜01月16日:罹患率0.38%
日本国籍 検体1,782・陽性 4=罹患率0.22%、外国籍1,137・陽性 7=罹患率0.62%
01月17日〜01月23日:罹患率0.64%
日本国籍 検体1,259・陽性 9=罹患率0.71%、外国籍 934・陽性 5=罹患率0.54%
01月24日〜01月30日:罹患率0.48%
日本国籍 検体1,214・陽性 1=罹患率0.08%、外国籍 663・陽性 8=罹患率1.21%
01月31日〜02月06日:罹患率0.35%
日本国籍 検体1,297・陽性 5=罹患率0.39%、外国籍 708・陽性 2=罹患率0.28%
02月07日〜02月13日:罹患率0.10%
日本国籍 検体1,317・陽性 1=罹患率0.08%、外国籍 638・陽性 1=罹患率0.16%
02月14日〜02月20日:罹患率0.10%
日本国籍 検体1,328・陽性 2=罹患率0.15%、外国籍 587・陽性 0=罹患率0%
02月21日〜02月27日:罹患率0.09%
日本国籍 検体1,646・陽性 2=罹患率0.12%、外国籍 641・陽性 0=罹患率0%


週間速報内容
02/07-02/13
全検査
合計 検体11,779陽性23 0.20%
日本 検体 5,830陽性13 0.22%↑
外国 検体 5,949陽性10 0.17%↓


検体数の多い国
米  国:検体2,287 陽性 2=0.09%
  日本国籍 検体1,646 陽性 2=0.12%/外国籍 検体 641 陽性 0=0%
中  国:検体1,736 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 456 陽性 0=0%/外国籍 検体1,280 陽性 0=0%
フィリピン:検体1,092 陽性 3=0.27%
  日本国籍 検体 151 陽性 0=0%/外国籍 検体 941 陽性 3=0.32%
韓  国:検体 876 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 302 陽性 0=0%/外国籍 検体 574 陽性 0=0%
イ ン ド:検体 427 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 105 陽性 1=0%/外国籍 検体 322 陽性 0=0%

罹患率の高い国
コートジボワール:合計 検体 5、陽性 1=20.00%
  日本国籍 検体 1 陽性 0=0%/外国籍 検体 4 陽性 1=25.00%
ルーマニア:合計 検体 16、陽性 1=6.25%
  日本国籍 検体 5 陽性 0=0%、外国籍 検体 11 陽性 1=9.09%
ハンガリー:合計 検体 24、陽性 1=4.17%
  日本国籍 検体 23 陽性 1=4.35%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
ウクライナ:合計 検体 49、陽性 2=4.08%
  日本国籍 検体 8 陽性 1=12.50%/外国籍 検体 41 陽性 1=2.44%
アラブ首長国連邦:合計 検体 292 陽性 8=2.74%
  日本国籍 検体 251 陽性 8=3.19%/外国籍 検体 41 陽性 0=0%


毎日の個別発表との誤差状況(2月14日〜2月20日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):23人
(B)毎日発表:22人中非公表0人(2か国滞在者1人)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 アラブ首長国連邦(A)8人(B)7人=Aが1人超過(日本国籍8・外国籍0)

水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


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ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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