4月3日に入国者に対する新型コロナウイルス感染症検査(PCR検査または抗原検査)の全員実施が始まってから11か月が過ぎました。
3月2週目(3月5日〜3月11日)は、検査対象数13,246人中、陽性者数25人、罹患率0.188%(推定値)となりました。
■ほぼ横ばいの傾向
検査数は、3月2週目は1日平均1,892人でした。検査数(≒入国者数)は微減でした。全入国者に対する検査が始まってから一気に人数が落ちた状態でしたが、徐々に入国者が戻ってきています。
陽性者は、週間では25人と前週と同数でした。3月8日着で陽性者が確認されませんでしたが、総数は減りませんでした。
罹患率は、微増の0.188%(推定値)です。
罹患率0.18%台は一見かなり低く見えますが、感染が緊急事態の今年1月初旬の日本国内ですら罹患率は0.06%弱ほど(人口1億2571万人中治療必要者7万人)なので、空港検疫が、まだ国内よりも危険な状態には変わりません。
グラフ化すると、検査者数(青)、陽性者数(赤)、罹患率(緑)ともに横ばいです。
(赤が感染者数(左目盛)、青が検査者数(右目盛)、緑が罹患率(右目盛))
■関空着が急増
[空港別] 25人中 成田12・羽田5・中部0・関空8・福岡0
成田国際着が相変わらず最多ですが48%(前週+4P)と五割切りが続いています。
東京国際着は20%(前週比-4%)、関西国際(関空)着は32%(前週比+4%)で、たいして便数は増えていないのに関空の割合が高いままです。
中部国際着、福岡着は陽性者が出ませんでした。
■男性七割切る
[男女別] 25人中 男17・女8
男性は68%(前週比-16P)と一気に減少しています。
ここ数週間の男女比はいまいち謎推移です。
■20代・30代増加
[年齢別] 25人中 10代下2・20代9・30代7・40代4・50代2・60代1・70代0・80代上0
20代〜40代は20人80%(前週比+12P)と増加。久々に30代も多くなりました。
10歳未満はいませんでした。
女性が増えると家族渡航が増えるのか10代以下が増える傾向にありましたが、今週はそうではありませんでした。
■パキスタンとウクライナが多いまま
[渡航元] 25人中 パキスタン5人・ウクライナ4人・非上陸拒否国0人
急激に悪化中のパキスタンはやや減ったものの5人20%(前週比-8P)と相変わらず高いまま。ウクライナは4人16%(前週比+4P)と悪化が止まりません。アラブ首長国連邦(UAE)は、変異株持ち込みの主因である在留邦人がほぼ帰国し切ったのか1人4%(前週比-8P)でした。
欧州は合計7人28%(前週比+8P)で増加が続いています。英国は、こちらも変異株持ち込みの主因である在留邦人帰国が収まったのか0人が続いています。
2月以降はだいぶ落ち着いてきていた米国はついに0人(前週比-12P)でした。
アフリカは3人12%(前週比±0P)で、出やすいままです。
非上陸拒否国の陽性未確認は2週間ぶりです。
間近の感染が急激に増加中の国:フィリピン・インド・パキスタン・トルコ・ウクライナ・マルタ・ケニア・ギニア・ブラジル
感染状況がピークの国:マルタ・ブラジル
以上の異常状態の国からの入国者も感染確認されています。
ロイターのページが分かりやすいです。https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/
南アジアや欧州の緑や青が目立っている状況です。
(東アジア:赤系統、東南アジア:黄系統、南アジア:緑系統、欧州:青系統、米州:紫系統)
■全国にばらける
[居住地] 25人中非公表が2人、東京・愛知・大阪各4人
非公表者は2人8%(前週比-1P)です。
南関東は6人24%(前週比-37P)と一気に減少しています。
全国に広がっており、秋田や島根、高知などの地方在住者の陽性が目立ちました。
公共交通機関が利用できないので14日間のホテル住まいがほぼ確定の北海道在住者が確認されています。
グラフを見ると、関東が一気に減りました。
(関東:赤黄系統、中部:緑系統、関西:青系統、中四国九州:紫系統)
■有症状はまた増加
[その他] 有症状者24%と高率
・詳細は公開されていないので推定でしかないですが、同日に同一空港へ同一国からの入国で同一都道府県在住者が連番確認された場合の、団体感染の疑いが強い事例はありませんでした。ただし、1件それに近い事例として、ウクライナからの入国者2人がありました。
・行動歴、居住地とも非公表者の人はいませんでした。
・有症状者は6人24%(前週比+8P)と再び悪化しています。羽田着5人のうち4人は有症状者と超高確率です。
・2か国以上滞在者は1人でした。
・5日から三日間強制隔離の対象国が増えましたが、3日遅れ陽性が1週間で3人も出ています。これらの人はこれまでの枠組みでは検疫すり抜けになっていた事例で、非常に危険な結果を示していることになっています。
・変異株はいまのところ未確認です。
・自県の感染者増加でアップアップしているのか、在住都道府県からの発表がほぼなくなっています。
■団体感染が疑われる事例(連番確認)
・該当なし
※2235と2236が同一団体の可能性あり(直行便のないウクライナからの入国者で同じ羽田着)
■団体感染が疑われる事例(10歳未満)
・該当なし
■在住地が非公表の事例
・3月6日 2235 羽田 20代 男性 非公表 ウクライナ 咽頭痛、咳
・3月5日 2228 羽田 40代 男性 非公表 ロシア 無症状
■有症状事例
・3月5日 2229 成田 20代 男性 福岡県 ネパール 咳嗽
・3月5日 2231 羽田 30代 男性 東京都 ロシア/トルコ 咽頭痛、痰
・3月6日 2235 羽田 20代 男性 非公表 ウクライナ 咽頭痛、咳
・3月6日 2236 羽田 20代 男性 東京都 ウクライナ 咳、鼻閉
・3月9日 2242 成田 20代 男性 群馬県 ウクライナ 発熱、咳嗽、下痢
・3月9日 2243 羽田 20代 女性 愛知県 マルタ 咳嗽
■2か国以上滞在者事例
・3月5日 2231 羽田 30代 男性 東京都 ロシア/トルコ 咽頭痛、痰
■変異株
・未確認(分析に時間がかかるため)
■非上陸拒否国からの入国者
・該当なし
■空港検疫での感染確認 週間別の傾向(検査対象人数が推定値)
・2020/04/03-2021/03/11:検査対象541,859人(1,579人/日) 感染2,172人=罹患率0.400%
※検査対象:上記合計は11月5日分の過計上1,838件をマイナス済。下記各週の数値はマイナスせず。
2020年
・04/03-04/09:検査対象10,010人(1,430人/日) 感染34人=罹患率0.339%
・04/10-04/16:検査対象 7,375人(1,053人/日) 感染16人=罹患率0.216%
・04/17-04/23:検査対象 4,480人( 640人/日) 感染 8人=罹患率0.178%
・04/24-04/30:検査対象 4,744人( 677人/日) 感染13人=罹患率0.274%
・05/01-05/07:検査対象 3,861人( 551人/日) 感染 5人=罹患率0.129%
・05/08-05/14:検査対象 4,130人( 590人/日) 感染 5人=罹患率0.121%
・05/15-05/21:検査対象 3,948人( 564人/日) 感染 3人=罹患率0.075%
・05/22-05/28:検査対象 3,988人( 569人/日) 感染23人=罹患率0.576%
・05/29-06/04:検査対象 5,869人( 838人/日) 感染20人=罹患率0.340%
・06/05-06/11:検査対象 6,081人( 868人/日) 感染29人=罹患率0.476%
・06/12-06/18:検査対象 6,788人( 969人/日) 感染41人=罹患率0.604%
・06/19-06/25:検査対象 7,677人(1,096人/日) 感染30人=罹患率0.390%
・06/26-07/02:検査対象 9,458人(1,351人/日) 感染20人=罹患率0.211%
・07/03-07/09:検査対象10,800人(1,542人/日) 感染41人=罹患率0.379%
・07/10-07/16:検査対象 9,702人(1,386人/日) 感染76人=罹患率0.783%
・07/17-07/23:検査対象 9,388人(1,341人/日) 感染64人=罹患率0.681%
・07/24-07/30:検査対象 9,055人(1,293人/日) 感染84人=罹患率0.927%
・07/31-08/06:検査対象12,190人(1,741人/日) 感染67人=罹患率0.549%
・08/07-08/13:検査対象 9,453人(1,350人/日) 感染36人=罹患率0.380%
・08/14-08/20:検査対象10,254人(1,464人/日) 感染39人=罹患率0.380%
・08/21-08/27:検査対象10,612人(1,516人/日) 感染31人=罹患率0.292%
・08/28-09/03:検査対象11,895人(1,699人/日) 感染47人=罹患率0.395%
・09/04-09/10:検査対象 9,679人(1,382人/日) 感染27人=罹患率0.278%
・09/11-09/17:検査対象11,654人(1,664人/日) 感染41人=罹患率0.351%
・09/18-09/24:検査対象11,262人(1,608人/日) 感染45人=罹患率0.399%
・09/25-10/01:検査対象13,766人(1,966人/日) 感染48人=罹患率0.348%
・10/02-10/08:検査対象12,579人(1,797人/日) 感染51人=罹患率0.405%
・10/09-10/15:検査対象12,755人(1,822人/日) 感染43人=罹患率0.337%
・10/16-10/22:検査対象15,304人(2,186人/日) 感染44人=罹患率0.287%
・10/23-10/29:検査対象16,650人(2,378人/日) 感染51人=罹患率0.306%
・10/30-11/05:検査対象15,804人(2,257人/日) 感染54人=罹患率0.341%
・11/06-11/12:検査対象10,227人(1,461人/日) 感染100人=罹患率0.977%
・11/13-11/19:検査対象11,591人(1,655人/日) 感染77人=罹患率0.664%
・11/20-11/26:検査対象12,322人(1,760人/日) 感染88人=罹患率0.714%
・11/27-12/03:検査対象13,348人(1,906人/日) 感染83人=罹患率0.621%
・12/04-12/10:検査対象15,699人(2,242人/日) 感染79人=罹患率0.503%
・12/11-12/17:検査対象17,378人(2,482人/日) 感染69人=罹患率0.397%
・12/18-12/24:検査対象21,365人(3,052人/日) 感染115人=罹患率0.538%
・12/25-12/31:検査対象13,804人(1,972人/日) 感染63人=罹患率0.456%
2021年
・01/01-01/07:検査対象13,130人(1,875人/日) 感染92人=罹患率0.701%
・01/08-01/14:検査対象19,668人(2,809人/日) 感染63人=罹患率0.320%
・01/15-01/21:検査対象27,317人(3,902人/日) 感染53人=罹患率0.194%
・01/22-01/28:検査対象 9,694人(1,384人/日) 感染28人=罹患率0.288%
・01/29-02/04:検査対象10,520人(1,502人/日) 感染23人=罹患率0.247%
・02/05-02/11:検査対象 9,729人(1,389人/日) 感染12人=罹患率0.123%
・02/12-02/18:検査対象 8,716人(1,245人/日) 感染18人=罹患率0.206%
・02/19-02/25:検査対象10,797人(1,542人/日) 感染23人=罹患率0.213%
・02/26-03/04:検査対象13,935人(1,990人/日) 感染25人=罹患率0.179%
・03/05-03/11:検査対象13,246人(1,892人/日) 感染25人=罹患率0.188%
[空港別] 成田12・羽田5・中部0・関空8・福岡0
[男女別] 男17・女8
[年代別] 10代下2・20代9・30代7・40代4・50代2・60代1・70代0・80代上0
[渡航元] フィリピン3・ネパール1・インド1・パキスタン5・UAE1・
ロシア1・ロシア/トルコ1・モルドバ1・ウクライナ4・マルタ1・ドイツ1・
ケニア1・ギニア1・ナイジェリア1・ブラジル1・カナダ1・非公表0
[居住地] 北海道1・秋田1・茨城2・群馬2・千葉1・東京4・神奈川1・
愛知4・大阪4・島根1・高知1・福岡1・非公表2
5日8(2)、6日3(2)、7日2、8日0、9日5(2)、10日2、11日5=25
2020年4月3日の特定国全員検査開始から49週(343日)経過
※検査対象数は、何月何日着が何人という発表ではなく、2日遅れで集計発表していると思われる数値しか公表されていません。毎日更新されているので、それほど大きくブレることはないと思いますが、確実に何月何日到着分の数値かは不明です。推定値に近い数値として捉えてください。
※上記数字は、検査者数は海港検疫を含めた数値、陽性者数は海港検疫を含めない数値で記載しています。
■これまでの毎週配信している期間集計(週間別)の記事
<2020年07月から週間分析>
2021年
・03月09日 検疫週間別3月1_検査増で率減少
・03月02日 検疫週間別2月4_3割有症危険
・02月23日 検疫週間別2月3_率0.20%台
・02月16日 検疫週間別2月2_率最低に肉薄
・02月09日 検疫週間別2月1_検査増陽性減
・02月02日 検疫週間別1月4_検査急減0.2%台
・01月26日 検疫週間別1月3_検査増で0.1%台
・01月19日 検疫週間別1月2_検査あまり増えず
・01月12日 検疫週間別1月1_激増0.7%超
・01月03日 検疫週間別12月5_減少も0.45%超
2020年
・12月27日 検疫週間別12月4_過去最悪陽性115人
・12月20日 検疫週間別12月3_検査最多 陽性60人台
・12月13日 検疫週間別12月2_70人台0.5%超
・12月06日 検疫週間別12月1_悪化続き80台
・11月29日 検疫週間別11月4_悪化したまま
・11月22日 検疫週間別11月3_まだ率0.6%超
・11月15日 検疫週間別11月2_状況過去最悪
・11月08日 検疫週間別11月1_検査前増後減
・11月01日 検疫週間別10月4_罹患率0.3%超
・10月25日 検疫週間別10月3_検査1日2千人超
・10月18日 検疫週間別10月2_南亜急増中
・10月11日 検疫週間別10月1_9週ぶり50人超 グラフ掲出開始
・10月04日 検疫結果週間別9月5_最多検査0.3%超
・09月27日 検疫結果週間別9月4_罹患0.4%肉薄
・09月20日 検疫結果分析9月3_陽性40人台
・09月13日 検疫結果分析9月2_9週ぶり20人台
・09月06日 検疫結果分析9月1_4週ぶり40人超
・08月30日 検疫結果分析8月4_罹患0.3%切
・08月23日 検疫結果分析8月3_罹患横ばい
・08月16日 検疫結果分析8月2_若干落ち着き
・08月09日 検疫結果分析8月1_検査増で罹患減
・08月02日 検疫結果分析7月4_最悪0.9%超
・07月26日 検疫結果分析7月3_高水準続く
・07月19日 検疫結果分析7月2_過去最悪
・07月12日 検疫結果分析7月1_感染拡大戻り
・07月05日 検疫結果分析(6月4週)_少し落ち着き
・06月28日 検疫結果分析(6月3週目)_罹患高率(4月1〜6月3迄分析)
<07月まで上中下順別分析>
・08月03日 検疫結果分析7月下_最悪悪化
・07月23日 検疫結果分析7月中_最悪更に大悪化
・07月13日 検疫結果分析7月上_感染数最悪
・07月03日 検疫結果分析_6月下旬変化?
・06月23日 検疫結果分析_6月中旬率最悪
・06月13日 検疫結果分析_6月上旬も異常
・06月04日 検疫結果分析_5月下旬異常(4月上〜5月下迄分析)
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