2021年03月27日

1月入国3万人減8万人

◇1月入国者は約3万人減って8万人強、技能実習生減少が入国減へのカギ

法務省は25日、出入国管理統計の2021年1月分の月報を発表しました。1月の日本への入国者数は84,540人で、外国人は59,308人が入国していたことが判明しました。

総合
2021年1月の入国者数は日本人25,232人、外国人59,308人(米軍の協定該当者含む)、合計84,540人でした。12月(130,233人)に比べて約4万6千人弱も激減しています。
前年比は98.0%減で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響がそのまま出た結果になりました。12月と比べてもかなり利用者が減っています。

前月と比べると、日本人は3万2千人も減少(前月比-56.2%)、外国人は1万3千人減少(前月比-18.3%)しています。12月は年末年始帰国需要なのか日本人の入国が異常に急増していたということがはっきりしました。
12月〜年末年始にかけての日本国内の感染者急増を入国者のせいだという意見が多いですが、そうだとすると、その原因の多くは日本人自身(在留邦人)だったということになります。日本国内では帰省すら憚られていた状況でしたから、そういう動きからすると、海外との不要不急の行き来は控えたいところでした。

空港別
最も入国者が多かった空港は成田国際で46,886人(前月比-24,205人)と2万人以上の激減です。全入国者に占める割合は55%(前月比±0P)と比率は変わりませんでした。
東京国際(羽田)は17,712人(前月比-14,149人、全入国者の21%(前月比-3P))と同じく激減です。空港別の比率は下がっており、やはり日本人の帰国が増えると羽田が増える傾向にあるのは正しいようです。
関西国際(関空)は14,666人(前月比-6,736人、同17%(前月比+1P))。相変わらず外国籍者は前月に引き続き羽田より多くなりました。便数は羽田の方が断然多いので、利用率は関空の方が全然良さそうですね。
中部国際は2,583人(同3.1%)、福岡は2,443人(同2.9%)と中部が再び福岡を超えました。
入国者が全員米軍関係者と思われる三沢を除くと、定期便が細々続いている5空港と新千歳のみで入国者がありました。新千歳は定期便は飛んでいないのでチャーター便による入国とみられます。
アジアとのつながりの強い関空が外国籍者入国に特徴を出した一方、昨年夏と同様に日本人が減ると羽田が減る傾向も変わらない印象です。12月〜年末年始にかけての日本国内の感染者急増を入国者のせいだという意見が多いですが、そうだとすると、東京の感染が突出している理由も何となく入国変動と関係がありそうです(羽田から入国する日本人が感染原因になりやすい???)。

外国籍者の在留資格別
在留資格別でみると、55,718人のうち、再入国は18,535人でした。
永住者が4,955人、日本人・永住者の配偶者は2,223人、定住者1,767人、特別永住者258人など、元からの日本在住者の割合はほぼ横ばいです。一方、留学6,368人、短期滞在1,763人、家族滞在3,233人でいずれも減少気味です。
全体はかなり減っているのに、技能実習(1号イ〜3号ロ合計)は23,541人(前月比+3,798人)とまだ増加が止まりません。技術・人文知識・国際業務は微増の5,431人でした。

外国籍者の国籍別
その国から来たかどうかは分かりませんが、国籍別でみてみます。
1月は順位が大きく入れ替わっており、ベトナムがトップになりました
ベトナム、中国、韓国、フィリピン、米国のそれぞれの国籍者の入国が上位5位を占めています。欧州国籍者の入国者数も15位以内入るようになりました。引き続き、だいたい在日外国人の多い国が上位を占めています。
1月9日から入国者全員の検査が始まり、新規入国が再び禁止されましたので、全体的に減少傾向ですが、なぜかベトナムだけは異様なほど急増していました(原因等の詳細は後述)。

外国籍者の国籍別詳細
ベトナム:入国規制が強まる中、なぜか急増した国家です。再入国者は前月からもさらに減ってわずか214人1.1%で、ほとんど新規入国者です。永住者29人、配偶者等39人、定住者18人しかいないのに家族滞在は188人。だいぶ減りましたが、永住者+配偶者等+定住者よりも多いです。また、技能実習は17,263人と急増を続けており、留学は950人まで半減以下となりました。技術・人文知識・国際業務は前月からやや減って647人でした。技能実習生の異常な駆け込み入国があったとみられます。

中国:前月同様に再入国者は3,135人で26%。平均的な割合です。留学3,582人、技能実習3,814人、永住者1,330人でした。全体的に減少しており、それぞれの目的別も減少傾向です

韓国:先月同様に再入国者は2,483人68%と増加。元々日本と行き来していた人が多めです。永住者589人、特別永住者244人。短期滞在431人、技術・人文知識・国際業務が737人、留学494人と、短期滞在が多い傾向は変わりません。比較的短期の行き来と捉えれば良いのでしょうか?

米国:再入国者は1,136人69%と高いですが、永住者186人、配偶者等209人、定住者26人とやや少なめで、家族滞在が200人を占めています。短期滞在158人、技術・人文知識・国際業務が272人、留学168人です。

インドネシア:急減した国なので、11番目ですが取り上げます。再入国者は330人31%と平均的な割合です。永住者48人、配偶者等46人、定住者28人しかおらず、家族滞在も28人と少なめです。技能実習がやはり多く584人と半数以上を占めています。前月は技能実習だけで1,943人いましたから、激減の原因は技能実習生の激減です。

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ビジネス入国のユルさへの批判が多いですが、増減を大きく左右するのは技能実習生です
そして、1月は日本人の異常な急減が目立ちました

空港検疫での国籍別の感染状況については、詳細を別途アップします。

<2021年1月入国者数>
入国者計 84,540人(前年 4,326,835人/△98.0%)
日 本 人 25,232人(前年 1,608,306人/△98.4%)
外 国 人 55,718人(前年 2,698,824人/△97.9%)
協定該当者 3,590人(前年 19,705人/△81.8%)
   
<2021年1月空港別入国者数> 日本人・外国人・協定該当者の3分類
新 千 歳 2人(外国人 2人、協定該当者 0人)
三  沢 204人(外国人 0人、協定該当者 203人)
成田国際46,886人(外国人33,824人、協定該当者1,640人)
東京国際17,712人(外国人 6,569人、協定該当者1,612人)
中部国際 2,583人(外国人 2,275人、協定該当者 0人)
関西国際14,666人(外国人10,919人、協定該当者 124人)
福  岡 2,443人(外国人 2,129人、協定該当者 11人)

<2021年1月国籍別入国者数 上位15位>
◆:1月前半に入国時の検査が対象外だった国(14日間自主隔離は必須、1月9日から全入国者が検査の対象)
◇:ビジネストラック対象国(ビジネストラックは1月は全日程通して運用停止)
矢印は、12月と比較したときの人数増減状況
ベトナム◆◇20,118↑激増(前月比+4,245)
中  国◆◇12,076↓激減(前月比-9,340)
韓  国◆◇ 3,638↓急減(前月比-982)
フィリピン 3,032↓
米  国 1,633↓
ネパール 1,467↓急減(前月比-1,122)
ブラジル 1,273↑
イ ン ド 1,072↓
ミャンマー 1,070↑
パキスタン 1,058↑
インドネシア 1,044↓激減(前月比-2,420)
タ  イ◆ 908↓
台  湾◆ 822↓
フランス 648↑
ド イ ツ 405↑

出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/housei/toukei/toukei_ichiran_nyukan.html

2020年12月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/480370936.html
2020年11月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/479721270.html
2020年10月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/479239992.html
2020年09月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/478700697.html
2020年08月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/478127066.html
2020年07月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/477602353.html
2020年06月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/477054206.html
2020年05月分の配信内容 https://johokotu.seesaa.net/article/476533684.html


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