4月3日に入国者に対する新型コロナウイルス感染症検査(PCR検査または抗原検査)の全員実施が始まってから11か月半が過ぎました。
3月4週目(3月19日〜3月25日)は、検査対象数14,457人中、陽性者数43人、罹患率0.297%(推定値)となりました。
■検査数減少で罹患率上昇
検査数は、3月4週目は1日平均2,065人でした。検査数(≒入国者数)は4千人ほど減りました。全入国者に対する検査が始まってから一気に人数が落ちた状態でしたが、徐々に入国者が戻ってきています。3日後検査が増えたことで二回計上されている人が増えている可能性があります。
陽性者は、週間では43人と前週からさらに増加しました。
罹患率は、増加し0.297%(推定値)です。検査数も減ったことに伴うものです。
罹患率0.29%台は一見かなり低く見えますが、感染が緊急事態の今年1月初旬の日本国内ですら罹患率は0.06%弱ほど(人口1億2571万人中治療必要者7万人)なので、空港検疫が、まだ国内よりも危険な状態には変わりません。
グラフ化すると、検査者数(青)は減少、陽性者数(赤)は横ばい、罹患率(緑)上昇しているのが一目で分かります。
(赤が感染者数(左目盛)、青が検査者数(右目盛)、緑が罹患率(右目盛))
■成田着減少、福岡久々確認
[空港別] 43人中 成田25・羽田9・中部0・関空8・福岡1
成田国際着が最多ですが58%(前週-10P)と割合は減少です。
東京国際着は21%(前週比+4%)、関西国際(関空)着は19%(前週比+7%)でした。
福岡着が久々に陽性者が出ました。例のごとくフィリピンからの入国者です。
■男性が4分の3のまま
[男女別] 43人中 男31・女12
男性は72%(前週比-4P)です。
久々に男性が4分の3程度のままです。
■40代が特に増える
[年齢別] 43人中 10代下2・20代9・30代7・40代13・50代9・60代2・70代1・80代上0
20代〜40代は29人67%(前週比+8P)と増加。特に40代が増えました。
10歳未満はいませんでした。
■ウクライナは収束気味
[渡航元] 43人中 パキスタン9人・米国5人・非上陸拒否国0人
急激に悪化中のパキスタンは9人21%(前週比+6P)と悪化が止まりません。フィリピンも4人9%(前週比-3P)と高めが続いています。アラブ首長国連邦(UAE)は2人5%(前週比-2P)、ウクライナは0人(前週比-16P)と収束気味になってきました。
欧州は合計6人14%(前週比-20P)で一気に減りました。ウクライナがいなくなったことが大きく作用しています。
2月以降はだいぶ落ち着いてきていた米国は5人12%(前週比+7P)と増加傾向になってきています。
アフリカは2.5人6%(前週比-4P)で減少傾向です。
非上陸拒否国は出ませんでした。。
間近の感染が急激に増加中の国:フィリピン・ネパール・バングラデシュ・インド・パキスタン・ブルガリア・ボスニア・ヘルツェゴビナ・ポーランド・ハンガリー・フランス・エジプト・ジブチ・米国・ペルー・ブラジル
感染状況がピークの国:フィリピン・バングラデシュ・ブルガリア・ボスニア・ヘルツェゴビナ・ポーランド・ハンガリー・カメルーン・ペルー・ブラジル
以上の異常状態の国からの入国者も感染確認されています。
ロイターのページが分かりやすいです。https://graphics.reuters.com/world-coronavirus-tracker-and-maps/ja/
様々な国が出てきている状況で、国はバラバラですが、少し南アジアの緑系統が目立つでしょうか。
(東アジア:赤系統、東南アジア:黄系統、南アジア:緑系統、欧州:青系統、米州:紫系統)
■非公表が急増
[居住地] 43人中非公表が5人、東京9人・大阪兵庫が3人ずつ
非公表者は5人12%(前週比+7P)と急増しています。
南関東は19人50%(前週比+1P)です。少し東京が減っています。
全国に広がりは少し収まりましたが、それでも公共交通機関が利用できないので14日間のホテル住まいがほぼ確定の北海道在住者は3週連続の確認です。
グラフを見ると、関東圏が目立つでしょうか。
(関東:赤黄系統、中部:緑系統、関西:青系統、中四国九州:紫系統)
※北海道と栃木が富山を超えましたので、表示を開始しました。これで北関東は全県表示開始です。
■3日遅れ急増止まらず
[その他] 3日遅れ43人中9人
・詳細は公開されていないので推定でしかないですが、同日に同一空港へ同一国からの入国で同一都道府県在住者が連番確認された場合の、団体感染の疑いが強い事例は1件です。家族感染で昨年6月以降、毎度おなじみともいうべきパキスタンからの入国者です。
・行動歴、居住地とも非公表者の人はいませんでした。
・有症状者は7人16%(前週比+1P)とまだまだ1割超えの状態です。
・2か国以上滞在者は3人ですが、2人はUAEでの乗り継ぎ客と推定されます。
・5日と20日から三日間強制隔離の対象国が増えましたが、3日後陽性が1週間で9人と相変わらず多いです。これらの人はこれまでの枠組みでは検疫すり抜けになっていた事例で、非常に危険な結果を示していることになっています。
・変異株はいまのところ未確認です。
・自県の感染者増加でアップアップしているのか、在住都道府県からの発表がほぼなくなっています。
■団体感染が疑われる事例(連番確認)
・3月23日 2320 成田 40代 男性 非公表 パキスタン 無症状
3月23日 2321 成田 30代 女性 非公表 パキスタン 無症状
■団体感染が疑われる事例(10歳未満)
・該当なし
■在住地が非公表の事例
・3月20日 2299 羽田 40代 男性 非公表 イタリア 無症状
・3月20日 2300 成田 50代 男性 非公表 フィリピン 無症状
・3月23日 2320 成田 40代 男性 非公表 パキスタン 無症状
・3月23日 2321 成田 30代 女性 非公表 パキスタン 無症状
・3月25日 2329 成田 20代 男性 非公表 フィリピン 無症状
■有症状事例
・3月20日 2302 成田 20代 女性 東京都 フィリピン 発熱
・3月21日 2311 羽田 50代 男性 東京都 米国 発熱
・3月22日 2316 成田 40代 男性 埼玉県 ジブチ 咽頭痛
・3月22日 2317 成田 30代 男性 茨城県 パキスタン 発熱
・3月24日 2324 成田 20代 女性 兵庫県 ネパール 咳嗽、咽頭痛
・3月24日 2327 成田 20代 女性 埼玉県 カメルーン 咳嗽、鼻汁
・3月25日 2351 成田 20代 女性 東京都 ハンガリー 発熱
■2か国以上滞在者事例
・3月19日 2293 関空 20代 男性 兵庫県 ボスニア・ヘルツェゴビナ/セルビア 無症状
・3月20日 2305 関空 40代 男性 奈良県 エジプト/アラブ首長国連邦 無症状
・3月20日 2318 関空 40代 男性 佐賀県 アフガニスタン/アラブ首長国連邦 無症状
■変異株
・未確認(分析に時間がかかるため)
■非上陸拒否国からの入国者
・該当なし
■空港検疫での感染確認 週間別の傾向(検査対象人数が推定値)
・2020/04/03-2021/03/25:検査対象574,611人(1,609人/日) 感染2,256人=罹患率0.393%
※検査対象:上記合計は11月5日分の過計上1,838件をマイナス済。下記各週の数値はマイナスせず。
2020年
・04/03-04/09:検査対象10,010人(1,430人/日) 感染34人=罹患率0.339%
・04/10-04/16:検査対象 7,375人(1,053人/日) 感染16人=罹患率0.216%
・04/17-04/23:検査対象 4,480人( 640人/日) 感染 8人=罹患率0.178%
・04/24-04/30:検査対象 4,744人( 677人/日) 感染13人=罹患率0.274%
・05/01-05/07:検査対象 3,861人( 551人/日) 感染 5人=罹患率0.129%
・05/08-05/14:検査対象 4,130人( 590人/日) 感染 5人=罹患率0.121%
・05/15-05/21:検査対象 3,948人( 564人/日) 感染 3人=罹患率0.075%
・05/22-05/28:検査対象 3,988人( 569人/日) 感染23人=罹患率0.576%
・05/29-06/04:検査対象 5,869人( 838人/日) 感染20人=罹患率0.340%
・06/05-06/11:検査対象 6,081人( 868人/日) 感染29人=罹患率0.476%
・06/12-06/18:検査対象 6,788人( 969人/日) 感染41人=罹患率0.604%
・06/19-06/25:検査対象 7,677人(1,096人/日) 感染30人=罹患率0.390%
・06/26-07/02:検査対象 9,458人(1,351人/日) 感染20人=罹患率0.211%
・07/03-07/09:検査対象10,800人(1,542人/日) 感染41人=罹患率0.379%
・07/10-07/16:検査対象 9,702人(1,386人/日) 感染76人=罹患率0.783%
・07/17-07/23:検査対象 9,388人(1,341人/日) 感染64人=罹患率0.681%
・07/24-07/30:検査対象 9,055人(1,293人/日) 感染84人=罹患率0.927%
・07/31-08/06:検査対象12,190人(1,741人/日) 感染67人=罹患率0.549%
・08/07-08/13:検査対象 9,453人(1,350人/日) 感染36人=罹患率0.380%
・08/14-08/20:検査対象10,254人(1,464人/日) 感染39人=罹患率0.380%
・08/21-08/27:検査対象10,612人(1,516人/日) 感染31人=罹患率0.292%
・08/28-09/03:検査対象11,895人(1,699人/日) 感染47人=罹患率0.395%
・09/04-09/10:検査対象 9,679人(1,382人/日) 感染27人=罹患率0.278%
・09/11-09/17:検査対象11,654人(1,664人/日) 感染41人=罹患率0.351%
・09/18-09/24:検査対象11,262人(1,608人/日) 感染45人=罹患率0.399%
・09/25-10/01:検査対象13,766人(1,966人/日) 感染48人=罹患率0.348%
・10/02-10/08:検査対象12,579人(1,797人/日) 感染51人=罹患率0.405%
・10/09-10/15:検査対象12,755人(1,822人/日) 感染43人=罹患率0.337%
・10/16-10/22:検査対象15,304人(2,186人/日) 感染44人=罹患率0.287%
・10/23-10/29:検査対象16,650人(2,378人/日) 感染51人=罹患率0.306%
・10/30-11/05:検査対象15,804人(2,257人/日) 感染54人=罹患率0.341%
・11/06-11/12:検査対象10,227人(1,461人/日) 感染100人=罹患率0.977%
・11/13-11/19:検査対象11,591人(1,655人/日) 感染77人=罹患率0.664%
・11/20-11/26:検査対象12,322人(1,760人/日) 感染88人=罹患率0.714%
・11/27-12/03:検査対象13,348人(1,906人/日) 感染83人=罹患率0.621%
・12/04-12/10:検査対象15,699人(2,242人/日) 感染79人=罹患率0.503%
・12/11-12/17:検査対象17,378人(2,482人/日) 感染69人=罹患率0.397%
・12/18-12/24:検査対象21,365人(3,052人/日) 感染115人=罹患率0.538%
・12/25-12/31:検査対象13,804人(1,972人/日) 感染63人=罹患率0.456%
2021年
・01/01-01/07:検査対象13,130人(1,875人/日) 感染92人=罹患率0.701%
・01/08-01/14:検査対象19,668人(2,809人/日) 感染63人=罹患率0.320%
・01/15-01/21:検査対象27,317人(3,902人/日) 感染53人=罹患率0.194%
・01/22-01/28:検査対象 9,694人(1,384人/日) 感染28人=罹患率0.288%
・01/29-02/04:検査対象10,520人(1,502人/日) 感染23人=罹患率0.247%
・02/05-02/11:検査対象 9,729人(1,389人/日) 感染12人=罹患率0.123%
・02/12-02/18:検査対象 8,716人(1,245人/日) 感染18人=罹患率0.206%
・02/19-02/25:検査対象10,797人(1,542人/日) 感染23人=罹患率0.213%
・02/26-03/04:検査対象13,935人(1,990人/日) 感染25人=罹患率0.179%
・03/05-03/11:検査対象13,246人(1,892人/日) 感染25人=罹患率0.188%
・03/12-03/18:検査対象18,295人(2,613人/日) 感染41人=罹患率0.224%
・03/19-03/25:検査対象14,457人(2,065人/日) 感染43人=罹患率0.297%
[空港別] 成田25・羽田9・中部0・関空8・福岡1
[男女別] 男31・女12
[年代別] 10代下2・20代9・30代7・40代13・50代9・60代2・70代1・80代上0
[渡航元] フィリピン4・インドネシア1・
ネパール1・バングラデシュ4・インド2・パキスタン9・UAE1・
アフガニスタン/UAE1・エジプト/UAE1・
ブルガリア1・ボスニア・ヘルツェゴビナ/セルビア1・ポーランド1・
ハンガリー1・イタリア1・フランス1・ジブチ1・カメルーン1・
米国5・キューバ1・ペルー1・ブラジル4・非公表0
[居住地] 北海道2・茨城3・栃木1・埼玉5・千葉1・東京9・神奈川4・
静岡2・愛知1・奈良1・大阪3・兵庫3・鳥取1・福岡1・佐賀1・非公表5
19日6、20日10(1)、21日8(1)、22日2(2)、23日6、24日6(2)、25日5(1)=43
2020年4月3日の特定国全員検査開始から51週(357日)経過
※検査対象数は、何月何日着が何人という発表ではなく、2日遅れで集計発表していると思われる数値しか公表されていません。毎日更新されているので、それほど大きくブレることはないと思いますが、確実に何月何日到着分の数値かは不明です。推定値に近い数値として捉えてください。
※上記数字は、検査者数は海港検疫を含めた数値、陽性者数は海港検疫を含めない数値で記載しています。
■これまでの毎週配信している期間集計(週間別)の記事
<2020年07月から週間分析>
2021年
・03月23日 検疫週間別3月3_3日遅れ急増
・03月16日 検疫週間別3月2_横ばい有症悪化
・03月09日 検疫週間別3月1_検査増で率減少
・03月02日 検疫週間別2月4_3割有症危険
・02月23日 検疫週間別2月3_率0.20%台
・02月16日 検疫週間別2月2_率最低に肉薄
・02月09日 検疫週間別2月1_検査増陽性減
・02月02日 検疫週間別1月4_検査急減0.2%台
・01月26日 検疫週間別1月3_検査増で0.1%台
・01月19日 検疫週間別1月2_検査あまり増えず
・01月12日 検疫週間別1月1_激増0.7%超
・01月03日 検疫週間別12月5_減少も0.45%超
2020年
・12月27日 検疫週間別12月4_過去最悪陽性115人
・12月20日 検疫週間別12月3_検査最多 陽性60人台
・12月13日 検疫週間別12月2_70人台0.5%超
・12月06日 検疫週間別12月1_悪化続き80台
・11月29日 検疫週間別11月4_悪化したまま
・11月22日 検疫週間別11月3_まだ率0.6%超
・11月15日 検疫週間別11月2_状況過去最悪
・11月08日 検疫週間別11月1_検査前増後減
・11月01日 検疫週間別10月4_罹患率0.3%超
・10月25日 検疫週間別10月3_検査1日2千人超
・10月18日 検疫週間別10月2_南亜急増中
・10月11日 検疫週間別10月1_9週ぶり50人超 グラフ掲出開始
・10月04日 検疫結果週間別9月5_最多検査0.3%超
・09月27日 検疫結果週間別9月4_罹患0.4%肉薄
・09月20日 検疫結果分析9月3_陽性40人台
・09月13日 検疫結果分析9月2_9週ぶり20人台
・09月06日 検疫結果分析9月1_4週ぶり40人超
・08月30日 検疫結果分析8月4_罹患0.3%切
・08月23日 検疫結果分析8月3_罹患横ばい
・08月16日 検疫結果分析8月2_若干落ち着き
・08月09日 検疫結果分析8月1_検査増で罹患減
・08月02日 検疫結果分析7月4_最悪0.9%超
・07月26日 検疫結果分析7月3_高水準続く
・07月19日 検疫結果分析7月2_過去最悪
・07月12日 検疫結果分析7月1_感染拡大戻り
・07月05日 検疫結果分析(6月4週)_少し落ち着き
・06月28日 検疫結果分析(6月3週目)_罹患高率(4月1〜6月3迄分析)
<07月まで上中下順別分析>
・08月03日 検疫結果分析7月下_最悪悪化
・07月23日 検疫結果分析7月中_最悪更に大悪化
・07月13日 検疫結果分析7月上_感染数最悪
・07月03日 検疫結果分析_6月下旬変化?
・06月23日 検疫結果分析_6月中旬率最悪
・06月13日 検疫結果分析_6月上旬も異常
・06月04日 検疫結果分析_5月下旬異常(4月上〜5月下迄分析)
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