2021年04月10日

検疫週間速報3月4_率悪化0.30%

◇空港検疫(週間速報)3月4週目 検体数≒入国者数激減も陽性者は横ばいで罹患率悪化、1月以来の0.30%

厚生労働省(厚労省)は7日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の3月4週目(3月21日〜3月27日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。今回の公表で、2020年10月4日〜2021年3月27日分が公表されたことになりました。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 罹患率0.3%台まで悪化、原因は邦人減少と外人増加
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)

03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)

検査数は、12月中旬〜下旬に日本国籍者が外国籍者の二倍ほどいたのに対し、12月5週目に日本国籍:外国籍=1:1.16と逆転。1月1週目に1:1.8、1月2週目に1:2.6、1月3週目に1:3.7とどんどん外国籍者が増えていました。
1月4週目に外国籍者が急激に減って日本国籍:外国籍=1:1.05とほぼ同じになり、2月1週目に1:0.88と日本国籍者が逆転。2月2週目は1:0.82まで進みました。
2月3週目に再び外国籍者が多くなり1:1.11になったものの、2月4週目は再び1:1.02とほぼ同数に逆戻り。その後は日本国籍者が多い傾向が続いており、3月1週目は1:0.86、3月2週目は1:0.63、前週3月3週目は1:0.52でした。
今週は日本国籍者が激減し、1:0.79となっています。完全に年度末需要の増減と推定されます

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、前週と変わらず米国、中国、韓国、フィリピン、タイの順でした。
日本人は12月4週目に12,354人いたのに対し、1月以降は激減後徐々に回復していましたが、今週は再び減少して7,832人でした。
外国人は大幅に減少が継続。1月3週目に17,873人だったものが、今週は6,208人と3分の1程度のまま変わりません。

10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
11月に入ってからは、日本国籍者、外国籍者ともに急上昇しました。外国籍者の方が多かった印象ですが、差は小さく、日本国籍者の割合も追いかけるように増えていました。
検体数が増加していますが、三日間強制隔離対象国が増えており、二回検査する人が増えていることも、増加した一因と推定されます。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が33%減少に対して陽性者数は50%減少。外国籍者は検査数がほぼ横ばいに対して陽性者数は20%増加です。外国籍者の陽性者の増加が目立ちます。
このため、罹患率は、日本国籍者は改善、外国籍者は悪化しています。

罹患率は、0.3%台まで上がってきました。
日本国内の罹患率は、最悪のピークだった1月初旬でも0.06%(人口約1億2500万人のうち治療中+死者約70,000人)ですから、空港検疫は国内より著しく危険であることが分かります。

[陽性者数多い国分析] 全18か国、パキスタンの悪化進む
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているパキスタン、米国、バングラデシュ、フィリピン、ブラジル、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、カメルーンなどを含めて18か国でした。
最多だったのはパキスタンで12人と先週に引き続き急激悪化しています。全員外国籍者という異常状態でした。
米国が前週に引き続き悪化して6人で続き、バングラデシュが4人です。米国は外国籍者4人と多く、バングラデシュは全員外国籍者でした。
インドネシアは3人で全員日本国籍者です(この国は入国は日外同じくらい)。
続いてフィリピン、インド、ブラジルが各2人です。フィリピンとブラジルは全員外国籍者、インドは全員日本国籍者でした。
残り11か国は1人ずつで、UAE、トルコ、ポーランド、マルタ、ジブチは日本国籍者でした。ジブチ、ドミニカ共和国、カメルーン、急場は入国者数が1桁なのに陽性者が出る異常事態です(カメルーンは2週連続の超異常)。
相変わらず欧米は日本国籍者、南アジアは外国籍者が多い印象です。

[罹患率高い国分析] 1%超えは18か国中10か国も
罹患率は、キューバが最も悪く33.33%(検体3人中1人陽性=外国籍者2人中1人)。カメルーンが25.00%(検体4人中1人陽性=全員外国籍者)、ドミニカ共和国が20.00%(検体5人中1人陽性=外国籍者4人中1人)、ジブチが16.67%(検体6人中1人陽性=日本国籍者5人中1人)で、合計4か国が二桁割合の超危険状態(カメルーンは2週連続の超異常)でした。
パキスタンが7.36%(検体163人中12人陽性)、バングラデシュが3.81%(検体105人中4人陽性)、マルタが3.13%(検体32人中1人陽性)、ポーランドが2.63%(検体38人中1人陽性)、ペルーが2.04%(検体49人中1人陽性)、トルコが2.00%(検体50人中1人陽性)と続いています。
1%超えは以上の10か国でした。

カメルーン、パキスタン、バングラデシュは前週から連続で1%超えの異常状態です。相変わらずアフリカと東欧が多い印象で、南アジア〜中東も増えてきています。

[航空便利用者数分析] 航空利用者は激減
合計の利用者数は、17,753人(前週比-4,318人)と前週から激減しました
多くの国で利用者数が減少しています。最も人数が減ったのは米国直行便で4,490人(前週比-579人)。ドイツ直行便が441人(前週比-560人)、フィリピン直行便が1,474人(前週比-487人)などとなっています。
増加した国は少なく、ロシア直行便が200人(前週比+78人)が比較的多めに増加した程度でした。
皆増したのがポーランド直行便45人のみ。ミャンマー直行便が150人皆減の0人でした。
変異株で騒ぎになっている英国直行便は306人(前週比-103人)で4分の1が減少していました(日本国籍者の年度末帰国が減ったためと推定)。

[変異株陽性者数分析] 変異株陽性者が過半数!!
詳細発表された47人の陽性者のうち、19人が英国で確認された変異株、2人がブラジルで確認された変異株、3人が南アフリカで確認された変異株と判明しています。実に51%も占めています。
そのうち4人は3日遅れ陽性で、従来の入国方法ではすり抜けていた事例でした。

毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
03/21-03/27
全検査
合計 検体14,040陽性42 0.30%
日本 検体 7,832陽性12 0.15%
外国 検体 6,208陽性30 0.48%


検体数の多い国
米  国:検体3,180 陽性 6=0.19%
  日本国籍 検体2,443 陽性 2=0.08%/外国籍 検体 737 陽性 4=0.54%
中  国:検体2,379 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 779 陽性 0=0%/外国籍 検体1,600 陽性 0=0%
韓  国:検体 920 陽性 1=0.11%
  日本国籍 検体 223 陽性 0=0%/外国籍 検体 697 陽性 1=0.14%
フィリピン:検体 737 陽性 2=0.27%
  日本国籍 検体 120 陽性 0=0%/外国籍 検体 617 陽性 2=0.32%
タ  イ:検体 567 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 488 陽性 0=0%/外国籍 検体 79 陽性 0=0%

罹患率の高い国
キューバ:合計 検体 3、陽性 1=33.33%
  日本国籍 検体 1 陽性 0=0%/外国籍 検体 2 陽性 1=50.00%
カメルーン:合計 検体 4、陽性 1=25.00%
  日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 4 陽性 1=25.00%
ドミニカ共和国:合計 検体 5、陽性 1=20.00%
  日本国籍 検体 1 陽性 0=0%/外国籍 検体 4 陽性 1=25.00%
ジ ブ チ:合計 検体 6、陽性 1=16.67%
  日本国籍 検体 5 陽性 1=20.00%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
パキスタン:合計 検体 163、陽性12=7.36%
  日本国籍 検体 18 陽性 0=0%/外国籍 検体 145 陽性12=8.28%


毎日の個別発表との誤差状況(3月21日〜3月27日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):42人
(B)毎日発表:47人中非公表0人(2か国滞在者なし)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 パキスタン(A)12人(B)15人=Bが3人超過
 ブラジル(A)2人(B)3人=Bが1人超過
 ハンガリー(A)0人(B)1人=Bが1人超過

水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: