2021年05月01日

空港検疫全検(1)率0.252%

◇STAY HOME特集 空港検疫全員検査分析(その1) 空港検疫での罹患率は0.252%

空港検疫の全員検査結果を確認しました。今日は全体の状況を見ていきます。
今年1月9日〜4月3日の感染状況は、検体数170,392人・陽性者数430人で、罹患率は0.252%であることが判明しました。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックから1年経ち、変異株が登場したことで、空港検疫では、今年1月9日から、抗原定量検査とはいえ、日本への入国する全員を対象にした検査が始まりました
これにより、入国者の感染動向が正確に捉えられるようになりました。日本国内で、万人単位で唯一母集団の全員を対象とした感染実態が明らかになっています。抗原定量検査ですので、偽陰性は多いと言われていますが、PCR検査でも検査抑制して、感染実態を低く見せているどこぞの国の国内状況よりはましでしょう。

空港検疫での検査強制化が始まったのは昨年4月3日。それまで任意となっていた検査が、特定国から入国する場合に、症状の有無に関係なく強制的に実施されることになりました。
日本国内では、症状のある人や濃厚接触者などにしか検査しておらず、罹患していても検査から逃げ回ることすら可能です。しかし、空港検疫は、全員が対象になるため、逃れることは出来ず、国内で唯一、実態に近い罹患率を捉えることが出来ていました。
日本空港情報館ブログでは毎日発表されているデータを取り上げていますが、それで昨年4月3日以降の数字を見てみると、今年4月30日現在、推定検査数637,883件に対し、陽性人数は2,610人なので、罹患率は0.409%です。日本国内や都内が緊急事態の時より約10倍の危険度であることが分かっています。

しかし、これらで捉えている数字は、今年1月8日までは、検査対象となっていたのは渡航の危険度がレベル3以上の国々のみでした。このため、上の数字すらも、入国者全員の実態を捉えたものではありませんでした。

これが、1月9日からは全員検査となりました。
定期便のみならず、チャーター便の利用の場合などでも例外なく検査対象となり、さらに正確な数値になりました。


罹患率は平均よりも低めに推移
今年1月9日以降データですが、日本空港情報館ブログで取り上げているのは、毎日発表されているデータです。この他に、検体数と陽性者数は、国別に細かいデータが7日間ごとに出ています。今回分析では、後者の数値を使って、罹患率を推定します。

1月9日以降の週間集計は、1月10日〜1月16日を皮切りに3月28日〜4月3日までの12週分(84日分)のデータが出ています。
この数字は、入国日ではなく、検査日をベースにしたデータのようですので、若干のブレはあるものの、かなり正確な数字のはずです。

この数字を基にすると、
検体数170,392人・陽性者数430人=罹患率0.252%
でした。

レベル2の国々には、中国、韓国、ベトナムなど日本への入国者が多い国も含まれています。
特に、昨年11月1日に韓国、中国(香港・澳門含む)、台湾、ベトナム、タイ、シンガポール、ブルネイ、オーストラリア、ニュージーランドの9か国が検査解除となっていますが、これらの国々からの入国者は、外国籍者の半数以上を占めていましたら、検査数が著しく少なかった=罹患率が高く出る傾向にありました。
(→「空港検疫 上陸拒否対象解除国9か国のこれまでの陽性確認動向(2020/11/1配信)」「空港検疫 低感染国の感染確認状況(2021/1/11配信)」で取り上げています。)

そう考えると、昨年4月3日以降の罹患率平均が0.409%なので、全入国者の罹患率0.252%は妥当と言えるかもしれません。
緊急事態宣言が出ている東京都は罹患率0.047%(=治療中6,555人/人口13,942,024人)、大阪府は罹患率0.225%(=治療中19,862人/人口8,806,371人)です。東京や大阪の数値は全員検査ではなく抽出検査なので単純比較はできませんが、ヤバい大阪よりも酷い数値と言えそうです。


国際線が到着する空港はとにかくリスキー
よく考えてみると、入国者は飛行機に乗ってきている人です。
いまは、搭乗前に体調が悪化している人はそもそも飛行機に乗れません。さらに、1月9日以降、ほぼ全員がわざわざ入国72時間前までの陰性証明を取ってきている人たちです。搭乗前に万全の準備をしてきているはずの人たちです。

そんな感染対策が万全の人たちですら0.252%も感染しているのですから、国際線が到着する空港がいかに危険かが分かります。

そして、今のインドからのように、自分の感染を隠してでも、とにかく逃げてきたい人が殺到したらと思うとぞっとします。
日本への逃げ帰り殺到は、これまで、昨年2月の中国、3月の欧州、6月のパキスタン、7月のフィリピン、12月の欧州等々、何度も何度も何度も何度も何度も繰り返されてきています。

なお、1月9日以降、入国者総数は激減しています。特に2月は陽性者数も少なく、罹患率はやや低めに推移していると推定されます。
4月はパキスタンとインドからの入国者の感染が多発していますので、罹患率が大幅にアップしている可能性があります。
下のグラフを見ての通り、3月以降、罹患率がぐんぐん上昇しています。0.252%程度の話ではない点、ご注意ください。
(本当は4月17日までの結果確認を行いたかったのですが、なぜかデータが公開されていないので、3月までの確認になっています)

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明日もSTAY HOME特集と題して、空港検疫の全員検査結果を確認していきます。


STAY HOME→PROTECT HEALTH CARE HEROES→SAVE LIVES
お家にいることが、防疫ヒーローを助け、世界の命に繋がる
STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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