2021年05月18日

インド変異株入国規制強化へ

◇新型コロナウイルス感染症 インド変異株確認指定国からの入国規制を強化でまず13か国指定 リスク高い国からの入国者を6日間強制隔離でまずは6か国指定

18日、インドで初めて確認された変異株B.1.617指定国・地域(変異株B.1.617指定国・地域)からの全ての入国者に対し、新たな水際対策措置を開始すると発表しました。新規に指定されたのは13か国です。また、当該変異株が流入するリスクがより高いと懸念される国・地域は6日間の強制隔離が実施されることとなり、まず南アジア3か国(バングラデシュ、モルディブ、スリランカ)が新たに適用されました。

今回の措置は、「水際対策強化に係る新たな措置(13)」として発表されています。

■新たな水際対策の内容
新たな水際対策の内容は、主に3点あります。

(1) 入国後3日間の強制隔離開始
・措置期間:5月21日午前0時入国分から適用。当分の間。
・対象地域:変異株B.1.617指定国・地域
・今回対象:13か国(インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、モルディブ、スリランカ、ギリシャ、ヨルダン、アイルランド、オランダ、フランス、フィンランド、ポーランド)
「当分の間、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る)での待機を求める。その上で、入国後3日目に改めて検査を行い、陰性と判定された者については、検疫所が確保する宿泊施設を退所し、入国後 14 日間の自宅等待機を求める」と発表されています。

(2) (発表では「2の前段」との表現)入国後6日間の強制隔離開始
・措置期間:5月21日午前0時入国分から適用。当分の間。
・対象地域:(1)に該当する国・地域のうち、現地の感染状況、我が国の空港検疫での検査結果等を総合的に判断の上、当該変異株が流入するリスクがより高いと懸念される国・地域
・今回対象:6か国(インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、モルディブ、スリランカ)
「当分の間、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る)での待機を求める。その上で、入国後3日目及び6日目に改めて検査を行い、いずれの検査においても陰性と判定された者については、検疫所が確保する宿泊施設を退所し、入国後 14 日間の自宅等待機を求める」と発表されています。

(3) (発表では「2の後段」との表現)在留資格保持者の再入国の原則拒否開始
・措置期間:5月20日午前0時入国分から適用。
・対象地域:(2)に該当する国・地域のうち、特に高い懸念があると判断された国・地域
・今回対象:5か国(インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、モルディブ)
「特に高い懸念があると判断された国・地域からの在留資格保持者の再入国は、当分の間、特段の事情がない限り、拒否する」と発表されています。
この在留資格保持者の再入国拒否は、「入国拒否対象国・地域」に対して行うとしているため、非上陸拒否国であるスリランカは指定から外れました。なお、指定日翌日までに出国している再入国者は対象外ですので、実質的に効果が薄いものと推定されます(明日以降の出国者は再入国できないことを分かってて日本から出国するため)。

このほか、変異株B.1.617指定国・地域からの航空便搭乗者数の抑制すること、日本への再入国・帰国を前提とした変異株B.1.617指定国・地域への短期渡航中止を強く要請することを発表しています。


■これまでの対策との重複に伴う変更内容
今回発表された措置は、これまでに出されている様々な対策と被る内容があるため、これまで出された措置の廃止や重複した際の扱いについても明らかにされています。

これまでに南アジア3か国(インド、パキスタン、ネパール)に出ていたものと被る内容であるため、5月7日に発表された「水際対策強化に係る新たな措置(11)」(インド、パキスタン、ネパール対象の6日間強制隔離)は5月21日午前0時、5月12日に発表された「水際対策強化に係る新たな措置(12)」(インド、パキスタン、ネパール対象の在留資格保持者の再入国拒否)は5月20日午前0時に廃止となります。⇒対策内容はそのまま今回発表分に引き継がれています。

一方、変異株B.1.617以外の変異株発生に対応する、2月2日に発表された「水際対策強化に係る新たな措置(8)」(32か国・5地域対象の3日間強制隔離・新規入国の一時停止・短期出張特例措置の一時停止)は継続運用するとしています。
この措置で指定する「変異株流行国・地域」と今回の措置((1)、(2)、(3)のいずれかの措置)で指定する国・地域の双方に指定された場合には、より厳しい内容を適用するとしています。今回「変異株B.1.617指定国・地域」に指定された13か国のうち、アイルランド、オランダ、フランス、フィンランド、ポーランドの5か国は、「水際対策強化に係る新たな措置(8)」で既に「変異株流行国・地域」にもなっており、3日間強制隔離は継続適用されます。インド、ネパール、パキスタンは、今回の措置の方が厳しい内容なので、3日間強制隔離ではなく6日間強制隔離が適用です。


■対策内容のまとめ
例外だらけでわけが分からないのですが、これまで出ている内容をまとめると、今回の措置の適用後は以下の通りとなります。(国名の後ろの(数字)は適用根拠の「水際対策強化に係る新たな措置」の(番号)です。)

<隔離措置 対象国> 全38か国・5地域 5月21日午前0時以降の状況
・3日間強制隔離+11日間自主隔離 新規 2か国・0地域:ギリシャ(13)、ヨルダン(13)
・3日間強制隔離+11日間自主隔離 継続 30か国・5地域:アイルランド(8)(13)、オランダ(8)(13)、フランス(8)(13)、フィンランド(8)(13)、ポーランド(8)(13)、英国(3)(8)、南アフリカ共和国(3)(8)、イスラエル(8)、ブラジル(8)、アラブ首長国連邦(8)、イタリア(8)、オーストリア(8)、スイス(8)、スウェーデン(8)、スロバキア(8)、デンマーク(8)、ドイツ(8)、ナイジェリア(8)、フランス(8)、ベルギー(8)、エストニア(8)、チェコ(8)、ハンガリー(8)、ポーランド(8)、ルクセンブルク(8)、レバノン(8)、ウクライナ(8)、フィリピン(8)、カナダ(オンタリオ州)(8)、スペイン(8)、アメリカ(テネシー州、フロリダ州、ミシガン州、ミネソタ州)(8)、ペルー(8)
・6日間強制隔離+8日間自主隔離 新規 3か国・0地域:バングラデシュ(13)、モルディブ(13)、スリランカ(13)
・6日間強制隔離+8日間自主隔離 継続 3か国・0地域:インド(8)(13)*、パキスタン(8)(13)*、ネパール(8)(13)*
・14日間自主隔離 継続:上記記載の国・地域以外の全世界全国家・全地域
*:5月21日午前0時までは(11)が適用

<在留資格保持者の再入国拒否 対象国> 全5か国・0地域 5月20日午前0時以降の状況
・新規 2か国・0地域:バングラデシュ(13)、モルディブ(13)
・継続 3か国・0地域:インド(13)*、パキスタン(13)*、ネパール(13)*
*:5月20日午前0時までは(12)が適用



もう少しシンプルにまず原則14日間強制隔離として、数値根拠を示して対策を頑張って低感染になった国・地域は指定を除外していく、と言う形ではダメなんでしょうか。数値根拠もなく規制をする方向に恣意的に国・地域を増加させていくので、感染の急激悪化や新たな変異株発生時にすぐ対応できませんし、何となく差別しているように見えてしまい、なんであそこが指定されずにこっちは指定されるんだみたいな反発が起きそうなのが残念なところです、、、。
それにしてもややこしいので、入国を検討している方はよく調べることをお勧めします。

新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置(インドで初めて確認された変異株B.1.617への対応)(外務省公式サイト)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2021C078.html
posted by johokotu at 22:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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