2021年05月22日

検疫週間速報5月1_最悪レベル継続

◇空港検疫(週間速報)5月1週目 日本国籍者はやや改善も最悪レベル継続

厚生労働省(厚労省)は12日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の5月1週目(5月2日〜5月8日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。5月19日の公表で、2020年10月4日〜2021年5月8日分が公表されています。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 最悪レベルのまま外国籍者は罹患率1.29%
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)

05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)

今週の検体数は、日外ともに減少し、日外比率は1:0.79と前週と同水準になっています。
今週の陽性数は、日外ともに微減で、日外比率は1:4.13と外国籍者比率の増加が止まりません。後述しますが、主因はネパールからの外国籍者です。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、フィリピン、インド、インドネシアの順でした。インドが32人増加とジリジリ増え、インドネシアと韓国を超えました。
日本人は今週は減少し6,447人でした。12月4週目に12,354人いたのち、1月以降は一度激減後、徐々に回復していましたが、ここのところ減少気味です。
外国人はここのところ大幅減少が継続。今週も減少しており、1月3週目に17,873人だったものが、今週は5,104人と3分の1程度まで減ったままです。

全体の罹患率は、2週連続0.7%台で大幅悪化したままです
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
その後半年以上細かいデータが出ていますが、外国籍者の方が罹患率が高く、日本国籍者は上下を繰り返している印象です。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が12%減少に対して陽性者数は24%減少。外国籍者は検査数が10%減少に対して陽性者数は11%減少です。
このため、罹患率は、日本国籍者はやや改善。外国籍者は横ばいで1%超えのままです。外国籍者の罹患率が0.1%を超えたのは、今年1月9日の全員検査開始以降初めてだった前週から2週連続です。データは昨年10月以降しかありませんが、1月迄は入国者が多い上に低感染の国が多数検査対象外だったために、罹患率が高く出やすい傾向にありました。そんな期間も含めて昨年10月以降で最悪が続くという超危険状態になっています。

[陽性者数多い国分析] 全15か国/インド・ネパールに集中、チュニジアは2週連続1桁入国者での陽性発生
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているネパール、インド、米国、フィリピン、ロシア、パキスタン、チュニジア、インドネシアなどを含めて15か国でした。
急増が続くネパールは40人(前週比+9人)とさらに増加。日本国籍者は入国者数が21人(前週比-1人)・陽性者数は0人(前週比-1人)。外国籍者は入国者数は505人(前週比+173人)・陽性者数は40人(前週比+10人)です。元々入国者が圧倒的に外国籍者が多い国で、陽性者増加も外国籍者要因でした。外国籍者の入国者数が激増し、さらに陽性者の急増が目立ちます。
インドは22人(前週比-14人)と減少しました。日本国籍者は入国者数が458人(前週比+168人)・陽性者数は10人(前週比±0人)。外国籍者は入国者数は199人(前週比-136人)・陽性者数は12人(前週比-14人)でした。
ネパールは、外国籍者の入国が急増し、それに伴って陽性者も増加しています。感染状態が高い外人の緊急入国が増加していると印象です。
一方のインドは、日本国籍者の入国者が急増したものの、陽性者数は横ばい。外国籍者は入国者数も陽性者数も減っています。感染状態がピークを過ぎた日本人の緊急帰国が続いていると思われます。

続いて多かったのは、米州3か国(米国、メキシコ、ブラジル)の3人。メキシコは全員日本国籍者、ブラジルは全員外国籍者、米国は1人が日本国籍者でした。
フィリピンは2人まで減少。2人とも外国籍者です。
4月初めまで悪化の一途だったパキスタンは外国籍者の1人のみでした。
残り8か国は1人ずつで、ロシアとチュニジアが日本国籍者。ニュージーランドとベトナムは超低感染の非上陸拒否国ですが、陽性者が出ています。
チュニジアとギニア、パラグアイが、1桁入国者数で陽性者が出ている異常状態です。チュニジアは2週連続の1桁入国者での陽性者発生です。
相変わらず欧米は日本国籍者、南アジアは外国籍者が多い印象です。

[罹患率高い国分析] 1%超えは15か国中8か国/南米が急激悪化中
罹患率は、最も率が悪かったのは、パラグアイで33.33%(検体3人中1人陽性=外国籍者検体1人中1人陽性)、続いてチュニジア16.67%(検体6人中1人陽性=日本国籍者検体5人中1人陽性)とギニア16.67%(検体6人中1人陽性=外国籍者検体1人中1人陽性)でした。二桁割合の超危険状態は以上の3か国です。
続いて率が悪かったのは、ネパールで7.60%(検体526人中40人陽性)、インド3.35%(検体657人中22人陽性)、の南アジア2か国。ニュージーランドが3.03%(検体33人中1人陽性)、メキシコが1.94%(検体155人中3人陽性)、ブラジルが1.80%(検体167人中3人陽性)と続いています。
1%超えは以上の8か国でした。
チュニジア、ネパール、インドと3か国も、前週から連続で1%超えの異常状態です。パキスタンは1%を切りました。
超低感染国のニュージーランドが1%を超えています。移動の制限で入国者数が少ないため、罹患率が高く出ました。
ここのところ南アジア〜中央アジアばかりになっていましたが、罹患率だけ見ると南米が急に悪化しています。

パキスタンは1%を切りましたが、ネパールとインドはまだ1%超えが続いています。いずれも入国者数がある程度多くいる中でのこの罹患率ですので、非常に危険であることが分かります。
ネパールは13人に1人、インドは30人に1人という超危険状態となっています。ネパールは、この期間は3日間強制隔離対象になっておらず、すり抜け含めると陽性者はもっと多いと推定されます。
1機200人搭乗していると15人程度は陽性者という異様な飛行機になりますね、、、。

[航空便利用者数分析] 検体数減る中航空利用者は増加、日本経由者増加?
合計の利用者数は、18,242人(前週比+350人)と増加しています。検体数は減っているので、日本を経由して第三国へ抜ける人が増えているものと思われます。

全体では利用者は増えていますが、国によって増減がバラバラです。
増加している国は、最も人数が増えたのはフィリピン直行便で2,533人(前週比+391人)。続いてニューカレドニア直行便361人(前週比+221人)、インドネシア直行便1,031人(前週比+197人)などとなっています。
減少している国は、最も人数が減ったのはシンガポール直行便で589人(前週比-345人)。続いて韓国直行便が677人(前週比-195人)、フランス直行便491人(前週比-129人)などとなっています。
皆増した国は、ベルギー直行便14人のみ。皆減した国は、モンゴル直行便(37人皆減)でした。

変異株で騒ぎになっている英国直行便は192人(前週比-73人)で再び減少しました。
陽性急増中のインド直行便は929人(前週比+17人)とほとんど増加していません。
一方のネパール直行便は273人(前週比+103人)と急増。入国者増加がそのまま航空便利用増加につながっています。週2便のまま増便はされていないので、機内混雑が激しくなった可能性があります。ネパール航空は247席の機材での運航なので、利用率50%といったところでしょうか。機内クラスターが心配されます。

[変異株陽性者数分析] 変異株陽性者は2週連続データ反映前
データ反映前のため分析はしません。

[個別発表との誤差分析] 「−」結局判明せず!!!
毎日の個別発表と、今回の週間集計の誤差を確認しましたが、5月2日に出た3人の行動歴「−」は判明しませんでした
今週の週間集計結果は82人で、毎日の個別発表の合計より3人少なく、「−」は謎のままでした。
今回の週間集計は、毎日の個別発表と比べると、ネパールが1人少なく、ニュージーランドが1人多い状況です。


毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
05/02-05/08
全検査
合計 検体11,551陽性82 0.71%
日本 検体 6,447陽性16 0.25%
外国 検体 5,104陽性66 1.29%


検体数の多い国
米  国:合計 検体2,688、陽性 3=0.11%
  日本国籍 検体2,067 陽性 1=0.04%/外国籍 検体 621 陽性 2=0.32%
中  国:合計 検体1,355、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 500 陽性 0=0%/外国籍 検体 855 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体 931、陽性 2=0.21%
  日本国籍 検体 110 陽性 0=0%/外国籍 検体 821 陽性 2=0.24%
イ ン ド:合計 検体 657、陽性22=3.35%
  日本国籍 検体 458 陽性10=2.18%/外国籍 検体 199 陽性12=6.03%
インドネシア:合計 検体 616、陽性 1=0.16%
  日本国籍 検体 400 陽性 0=0%/外国籍 検体 216 陽性 1=0.46%

罹患率の高い国
パラグアイ:合計 検体 3、陽性 1=33.33%
  日本国籍 検体 2 陽性 0=0%/外国籍 検体 1 陽性 1=100.00%
チュニジア:合計 検体 6、陽性 1=16.67%
  日本国籍 検体 5 陽性 1=20.00%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
ギ ニ ア:合計 検体 6、陽性 1=16.67%
  日本国籍 検体 5 陽性 0=0%/外国籍 検体 1 陽性 1=100.00%
ネパール:合計 検体 526、陽性40=7.60%
  日本国籍 検体 21 陽性 0=0%/外国籍 検体 505 陽性40=7.92%
イ ン ド:合計 検体 657、陽性22=3.35%
  日本国籍 検体 458 陽性10=2.18%/外国籍 検体 199 陽性12=6.03%


毎日の個別発表との誤差状況(5月2日〜5月8日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):82人
(B)毎日発表:84人中非公表0人(複数国滞在者1人)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 ネパール     (A)40人/(B)41人=(B)が1人超過
 ニュージーランド (A)1人/(B)0人=(A)が1人超過
 −        (A)0人/(B)3人=(B)が3人超過


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☁| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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