検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が18週目に突入
厚生労働省(厚労省)は26日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の5月2週目(5月9日〜5月15日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が18週連続で判明しています。
ここのところ3日間強制隔離(入国時と三日後の二回検査)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は日外ともに一割ほど増加
5月2週目は、検査数は12,891件(前週比+1,340件)と、前週から1割ほど増加しました。
日本国籍者は7,307件(前週比+860件)、外国籍者は5,584件(前週比+480件)で、日本国籍者も外国籍者も増えています。
■ネパールが衝撃の検体数1件のみ
国別で見ると、最も入国が多かったのは米国で3,265件(前週比+577件)で、二番目は中国1,380件(前週比+25件)でした。そして、インドが1,226件(前週比+569件)と倍近く増加して三番目に上がりました。
フィリピンは四番目となりましたが1,045件(前週比+114件)と件数は増えています。韓国が五番目に上がり762件(前週比+273件)でした。
六番目はタイ426件(前週比-1件)、七番目はインドネシア406件(前週比-210件)、八番目は台湾301件(前週比+11件)、九番目はドイツ234件(前週比-9件)、十番目はベトナム228件(前週比+14件)でした。インドネシアが急減したほかは、前週と大きく変わりませんでした。
4月末〜今月初旬に陽性者だらけで大騒ぎとなったネパールは検体数はなんと1件(前週比-526件)でした。前週の七番目から一気に消滅しました。
インドが緊急帰国需要で日本国籍者を中心に増加しているのとは非常に対照的です。
ネパールについては、10日から再入国禁止+6日間強制隔離となったため、水際対策が大成功したように見えます。しかし、日本国籍者も0人になっており、原因は日本の水際対策ではなく、ネパールが国際航空便を7日に運航停止したおかげと言えそうです。外国籍者が多かったので、再入国禁止がある程度は効いてはいるのでしょうが、やはり国境を越えられないというのは、ウイルス密輸阻止には抜群の効果を発揮しますね。
日本の水際対策は実行が遅すぎて何の効果も発揮しないという、非常におバカな事態になっています。
この週は、多くの国が検体数(≒入国者数)を増やしました。
■インドが異常に日本人偏り、緊急帰国続く?
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、インド、タイ、インドネシア、ドイツでした。
米国は相変わらず日本人が多く、日本国籍者2,428件・外国籍者837件で、先週に引き続きやや差が広がりました。
インドは、日本国籍者845件・外国籍者381件。日外ともに増加しており、特に日本国籍者は倍近く増えています。年末の英国同様に緊急帰国が続いている模様です。
タイは、日本国籍者304件・外国籍者122件で、外国籍者は減少、日本国籍者は増加です。
インドネシアは、日本国籍者320件・外国籍者86件で、日外ともに減少しており、特に外国籍者が激減状態です。
ドイツは、日本国籍者178件・外国籍者56件で、前週同様でした。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、台湾でした。
台湾は、日本国籍者186件・外国籍者115件。前週とほぼ同数でした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、韓国、ベトナムでした。
中国は日本国籍者479件・外国籍者901件とやや差が広がっています。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピンで、日本国籍者158件・外国籍者887件です。
韓国は、日本国籍者237件・外国籍者525件。再び外国籍が一気に増加しました。
ベトナムは、日本国籍者83件・外国籍者145件。前週同様に外国籍者がやや多い状況が続いています。
この他、十位以内に入っていませんが、13位のブラジルは外国籍者の方が多く、11位のフランス、12位の英国、14位のメキシコ、15位のアラブ首長国連邦は日本国籍者の方が多い状況です。
なお、10日間強制隔離となることが決まった6か国のうち上記以外の4か国は、
バングラデシュ 131件(前週比+22件)=ほぼ日本国籍者の増加
パキスタン 31件(前週比-75件)=主に外国籍者が減少
スリランカ 84件(前週比+8件)=ほぼ外国籍者の増加
モルディブ 18件(前週比-9件)=ほぼ日本国籍者の減少
と増減状況・原因がバラバラです。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本人が多い
・南アジアからは圧倒的に外国人が多い。→インドは日本国籍急増・ネパールは消滅・パキスタンは落ち込み続く・バングラデシュは日本人の緊急帰国あり?といった状況でしょうか。
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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