厚生労働省(厚労省)は26日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の5月2週目(5月9日〜5月15日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。5月26日の公表で、2020年10月4日〜2021年5月15日分が公表されています。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 外国籍者陽性半減
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
今週の検体数は、日外ともに増加し、日外比率は1:0.76と前週と同水準になっています。
今週の陽性数は、日外ともに微減で、日外比率は1:1.94と外国籍者がまだ二倍います。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、インド、フィリピン、韓国の順でした。インドが569人も増加し、フィリピンを超えました。
日本人は今週は増加し7,307人でした。12月4週目に12,354人いたのち、1月以降は一度激減後、徐々に回復していましたが、ここのところ減少気味です。
外国人はここのところ大幅減少が継続。今週も減少しており、1月3週目に17,873人だったものが、今週は5,584人と3分の1程度まで減ったままです。
全体の罹患率は、0.4%弱まで戻しました。
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
その後半年以上細かいデータが出ていますが、外国籍者の方が罹患率が高く、日本国籍者は上下を繰り返してきた印象でした。
ここ1か月ほどは、日本国籍者は0.2%台が続いており、外国籍者の上下で全体の罹患率が上下しています。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が17%増加に対して陽性者数は6%増加。外国籍者は検査数が9%増加に対して陽性者数は50%減少です。
このため、罹患率は、日本国籍者はやや改善。外国籍者は半減し大幅改善しています。
■[陽性者数多い国分析] わずか8か国/インドに集中
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているインド、フィリピン、米国、メキシコ、バングラデシュ、アラブ首長国連邦などを含めて8か国でした。だいぶ陽性者が出る国が限定されてきました。
インドは34人(前週比+12人)と再び増加しました。日本国籍者は入国者数が845人(前週比+387人)・陽性者数は11人(前週比+1人)。外国籍者は入国者数は381人(前週比+182人)・陽性者数は23人(前週比+11人)でした。
日本国籍者の入国者が急増したものの、陽性者数は横ばい。外国籍者は入国者数も陽性者数も増えています。日本人の緊急帰国が続いており、加えて外国籍者の脱出が増えていると思われます。
続いて多かったのは、フィリピンで7人(+5人)。2人が日本国籍者です。
3番目に多かったのは米国で4人(+1人)でした。1人が日本国籍者です。
4月初めまで悪化の一途だったパキスタンは外国籍者の1人のみでした。
残り4か国は1人ずつで、スウェーデンが外国籍者でした。
急増が続いていたネパールは0人(前週比-40人)と一気に消滅しました。入国者自体が外国籍者の1人だけでした。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは8か国中3か国
罹患率は、今週は二桁割合の超危険状態の国は出ませんでした。
最も率が悪かったのは、スウェーデンで4.17%(検体24人中1人陽性=外国籍者検体16人中1人陽性)でした。パキスタン3.23%(検体31人中1人陽性=外国籍者検体17人中1人陽性)、インド2.77%(検体1,226人中34人陽性)と続いています。
1%超えは以上の3か国でした。
インドは連続で1%超えの異常状態です。パキスタンは再び1%超えとなりました。
インドは入国者数がある程度多くいる中でのこの罹患率ですので、非常に危険であることが分かります。。36人に1人という超危険状態となっています。
■[航空便利用者数分析] ネパールが運航停止の為皆減
合計の利用者数は、17,764人(前週比-478人)と減少しています。検体数は増えているので、日本を経由して第三国へ抜ける人が減ったものと思われます。
全体では利用者は増えていますが、国によって増減がバラバラです。
増加している国は、最も人数が増えたのは米国直行便で4,800人(前週比+697人)と急増。続いてインド直行便1,118人(前週比+189人)などとなっています。
減少している国は、最も人数が減ったのはインドネシア直行便で643人(前週比-388人)。中国直行便が1,211人(前週比-291人)のほか、マレーシア直行便169人(前週比-224人)などとなっています。
皆増した国は、ミャンマー直行便86人のみでした。
皆減した国は、ベルギーが14人皆減したほか、注目なのがネパール直行便(273人皆減)でした。ネパールは、ネパール政府が感染対策で海外からの入国を遮断するため、国際線の運航を停止したことが影響しています。
変異株で騒ぎになっている英国直行便は170人(前週比-22人)で二週連続減少しました。
■[変異株陽性者数分析] 変異株陽性者は3週連続データ反映前
データ反映前のため分析はしません。来週からはこの項目は表示しません。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
05/09-05/15
全検査
合計 検体12,891陽性50 0.39%↓ 急減
日本 検体 7,307陽性17 0.23%
外国 検体 5,584陽性33 0.59%↓ 急減
検体数の多い国
米 国:合計 検体3,265、陽性 4=0.12%
日本国籍 検体2,428 陽性 1=0.04%/外国籍 検体 837 陽性 3=0.35%
中 国:合計 検体1,380、陽性 0=0%
日本国籍 検体 479 陽性 0=0%/外国籍 検体 901 陽性 0=0%
イ ン ド:合計 検体1,226、陽性34=2.77%
日本国籍 検体 845 陽性11=1.30%/外国籍 検体 381 陽性23=6.03%
フィリピン:合計 検体1,045、陽性7=0.67%
日本国籍 検体 158 陽性 2=1.26%/外国籍 検体 887 陽性 5=0.56%
韓 国:合計 検体 762、陽性 0=0%
日本国籍 検体 237 陽性 0=0%/外国籍 検体 525 陽性 0=0%
罹患率の高い国
スウェーデン:合計 検体 24、陽性 1=4.17%
日本国籍 検体 8 陽性 0=0%/外国籍 検体 16 陽性 1=6.25%
パキスタン:合計 検体 16、陽性 1=3.23%
日本国籍 検体 14 陽性 0=0%/外国籍 検体 17 陽性 0=5.88%
イ ン ド:合計 検体1,226、陽性34=2.77%
日本国籍 検体 845 陽性11=1.30%/外国籍 検体 381 陽性23=6.03%
バングラデシュ:合計 検体 131、陽性 1=0.76%
日本国籍 検体 65 陽性 1=1.53%/外国籍 検体 66 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,045、陽性7=0.67%
日本国籍 検体 158 陽性 2=1.26%/外国籍 検体 887 陽性 5=0.56%
■毎日の個別発表との誤差状況(5月9日〜5月15日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):50人
(B)毎日発表:50人中非公表0人(複数国滞在者0人)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
誤差なし
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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