検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が19週目に突入
厚生労働省(厚労省)は2日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の5月3週目(5月16日〜5月22日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が19週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は日外ともに一割弱減少
5月2週目は、検査数は11,644件(前週比-1,247件)と、前週から1割弱減少しました。
日本国籍者は6,417件(前週比-890件)、外国籍者は5,227件(前週比-357件)で、日本国籍者も外国籍者も減っています。
■ネパールは2週連続検体数1件のみ、インドは半減、陽性悪化中アフガニスタンは倍増
国別で見ると、最も入国が多かったのは米国で3,429件(前週比+164件)で、二番目は中国1,475件(前週比+95件)でした。三番目は再びフィリピンで994件(前週比-51件)でした。
四番目は、数を減らしましたが韓国が618件(前週比-144件)でした。
大きく人数が減ったのはインドで596件(前週比-630件)と半減し、五番目でした。
六番目はタイ404件(前週比-22件)。七番目はベトナムが294人(前週比+66件)とジリジリ増えてきています。八番目はインドネシア286件(前週比-120件)、九番目は台湾284件(前週比-17件)、十番目は英国229件(前週比+35件)でした。
4月末〜今月初旬に陽性者だらけで大騒ぎとなったネパールは検体数がなんと二週連続1件(前週比±0件)でした。原因は日本の水際対策ではなく、ネパールが国際航空便を7日に運航停止したおかげと確定です。外国籍者が多かったので、再入国禁止がある程度は効いてはいるのでしょうが、やはり国境を越えられないというのは、ウイルス密輸阻止には抜群の効果を発揮しますね。
ここのところ陽性者が増え、いきなり10日間強制隔離・再入国拒否となったアフガニスタンが52人(前週比+39人)と急増しています。日本国籍者はもともと少ない上に減っており、外国籍者が急増の原因です。とにかく再入国での駆け込み入国によるウイルス密輸を防ぎたかったのでしょうね。
この週は、検体数(≒入国者数)が減った国がやや多い印象でした。
■インドが異常に日本人偏り、緊急帰国続く?
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、インド、タイ、英国でした。
米国は相変わらず日本人が多く、日本国籍者2,444件・外国籍者985件で、やや差が詰まっています。
インドは、日本国籍者455件・外国籍者141件。日外ともに半減しました。まだ人数は多い状態が続いています。
タイは、日本国籍者263件・外国籍者141件です。日本国籍者は減りましたが、外国籍者は増えています。
英国は、日本国籍者167件・外国籍者62件。日本国籍者は増え、外国籍者は減っています。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、ベトナム、インドネシア、台湾でした。
ベトナムは、日本国籍者129件・外国籍者165件。日外ともに増えています。
インドネシアは、日本国籍者110件・外国籍者176件で、日本国籍者は210人も激減、外国籍者は90人も増えています。
台湾は、日本国籍者181件・外国籍者103件と、前週と大きく変わりませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、韓国でした。
中国は日本国籍者611件・外国籍者864件。日本国籍者が増え、外国籍者が減ったので、差は縮まっています。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピンで、日本国籍者138件・外国籍者856件です。
韓国は、日本国籍者209件・外国籍者409件。外国籍者が116人も減っています。
この他、十位以内に入っていませんが、12位のロシアと13位のブラジルは外国籍者の方が多く、11位のドイツ、14位のフランス、15位のメキシコは日本国籍者の方が多い状況です。
なお、10日間強制隔離になる7か国のうち上記以外の4か国は、
バングラデシュ 63件(前週比-68件)=日本国籍者の方が減少幅大
パキスタン 30件(前週比-9件)=日本国籍者減・外国籍者増
スリランカ 117件(前週比+33件)=ほぼ外国籍者の増加
モルディブ 11件(前週比-7件)=ほぼ外国籍者の減少
でした。今週は外国籍者の動きが大きく影響しています。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本人が多い
・南アジアからは圧倒的に外国人が多い。→インド半減・ネパール消滅・パキスタンは落ち込み続く・バングラデシュは日本人の緊急帰国終了?・アフガニスタンは外人急増といった状況でしょうか。
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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