2021年06月19日

検疫週間速報6月1_0.2%台維持

◇空港検疫(週間速報)6月1週目 検体数増加も外国籍者は罹患率0.4%台まで悪化、全体はまだ0.2%台維持

厚生労働省(厚労省)は18日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の6月1週目(5月30日〜6月5日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。18日の公表で、2020年10月4日〜2021年6月5日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 外国籍者は悪化し再び0.4%台
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)

05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)

今週の検体数は、日外ともに増加していますが外国籍者は微増で、日外比率は1:0.65と一気に日本国籍者が多くなりました。
今週の陽性数は、日本国籍者は横ばい。日外比率は1:1.85と外国籍者が増えています。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、フィリピン、韓国、台湾の順でした。インドは一気に減少し、緊急入国は下火になっています。
日本人は今週は急増して9,759人でした。12月4週目に12,354人いたのち、1月以降は一度激減後、徐々に回復していましたが、ここのところ減少気味でした。今週だいぶ持ち直した印象です。
外国人はここのところ大幅減少が継続。今週も減少しており、1月3週目に17,873人だったものが、今週は6,307人と3分の1程度まで減ったままです。

全体の罹患率は、0.2%強まで戻しています
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
その後半年以上細かいデータが出ていますが、外国籍者の方が罹患率が高く、日本国籍者は上下を繰り返してきた印象でした。
だいぶ改善してきた印象です。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が31%増加に対して陽性者数は増減なし。外国籍者は検査数が2%増加に対して陽性者数は44%増加です。
このため、罹患率は、日本国籍者は改善、外国籍者は悪化しています

[陽性者数多い国分析] 微増の14か国/フィリピンがワースト1に
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているフィリピン、アフガニスタン、インド、インドネシア、米国、パキスタン、エジプト、ネパールなどを含めて14か国でした。少し陽性者が出る国が増えつつある印象です。
今週最も悪かったのはフィリピンで、9人(前週比+5人)の急激悪化。日本国籍者が4人確認され急増しています。
続いたのがアフガニスタンで8人(前週比+3人)と悪化しっぱなし。全員外国籍者で、全員6月3日着です。
インドは5人(前週比-4人)と前週に引き続き半減。だいぶ落ち着いてきた印象です。外国籍者が4人といつも感じになってきました。
インドネシアが4人(前週比+3人)と不気味に増え始めています。3人が外国籍者です。
米国は3人(外国籍者2人)。
ウガンダ、パキスタンが各2人で、ウガンダの1人以外は日本国籍者です。
残り7か国は1人ずつで、ブルガリア、タイ、ガーナは外国籍者でした。
ネパールは珍しく2週連続で日本国籍者の陽性です(これまではほぼ外国籍者の入国・陽性の国)。

[罹患率高い国分析] 1%超えは14か国中9か国も
罹患率は、最も率が悪かったのは、3週連続でアフガニスタンで21.05%(検体38人中8人陽性=外国籍者検体31人中8人陽性)と悪化の一途。ウガンダが10.53%(検体19人中2人陽性=日本国籍者検体11人中1人)で続いています。
この2か国が二桁割合(10%超え)の超危険状態の国でした。

コンゴ民主共和国が続き8.33%(検体12人中1人陽性=日本国籍者検体11人中1人陽性)。この後は、ブルガリア5.88%(検体17人中1人陽性=外国籍者検体12人中1人陽性)、ネパール4.00%(検体25人中1人陽性=日本国籍者検体12人中1人陽性)、エジプト2.78%(検体36人中1人陽性=日本国籍者検体9人中1人陽性)、パキスタン2.63%(検体76人中2人陽性=日本国籍者検体19人中2人陽性)、ガーナ2.00%(検体50人中1人陽性=外国籍者検体43人中1人陽性)、インド1.55%(検体323人中5人陽性=外国籍者検体123人中4人陽性)でした。
1%超えは以上の7か国でした。南アジア〜中東にかけてが、アフリカにシフトしつつあります。
アフガニスタン、ネパール、エジプト、パキスタン、インドは連続で1%超えの異常状態です。

アフガニスタンからの入国の外国籍者は4人に1人が陽性者という超危険状態でした。
アフガニスタンは6月4日から急に10日間強制隔離・外国籍者の再入国停止措置になりました。8人ともその前日の6月3日に入国を図っています。有無を言わさず10日間強制隔離、とにかく急いで外国人の再入国停止にした理由が良く分かります。
なんとなく駆け込み入国が急増した印象でしたが、検体数はほとんど増えていないので、罹患率が急増したためであることが明白です。とにかく危険な状況だったことが判明しました。


[航空便利用者数分析] 利用者は2週連続でまた急増
合計の利用者数は、25,192人(前週比+4,135人)と2週連続で急増しています

全体では利用者は増えており、増加している国がほとんどです。
増加している国:最も人数が増えたのは、2週連続で米国直行便で8,162人(前週比+2,037人)と急増。続いてフィリピン直行便3,401人(前週比+384人)などとなっています。
皆増した国:ミャンマー直行便84人のみでした。

減少している国:最も人数が減ったのはカタール直行便で387人(前週比-157人)が目立つ程度です。
皆減した国:2週連続でありませんでした。

注目なのがネパール直行便で、ついに4週連続0人となりました。ネパール政府が感染対策で海外からの入国を遮断するため、国際線の運航を停止したことが影響しています。

変異株で騒ぎになっている英国直行便は357人(前週比+138人)で増えています。

毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
05/30-06/05
全検査
合計 検体16,066陽性40 0.25%
日本 検体 9,759陽性14 0.14%
外国 検体 6,307陽性26 0.41%↑


検体数の多い国
米  国:合計 検体5,936、陽性 3=0.05%
  日本国籍 検体4,625 陽性 1=0.02%/外国籍 検体1,311 陽性 2=0.15%
中  国:合計 検体1,384、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 622 陽性 0=0%/外国籍 検体 762 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,192、陽性 9=0.76%
  日本国籍 検体 152 陽性 4=2.63%/外国籍 検体1,040 陽性 4=0.48%
韓  国:合計 検体 730、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 277 陽性 0=0%/外国籍 検体 453 陽性 0=0%
台  湾:合計 検体 609、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 449 陽性 0=0%/外国籍 検体 160 陽性 0=0%

罹患率の高い国
アフガニスタン:合計 検体 38、陽性 8=21.05%
  日本国籍 検体 7 陽性 0=0%/外国籍 検体 31 陽性 8=25.80%
ウガンダ:合計 検体 19、陽性 2=10.53%
  日本国籍 検体 11 陽性 1=9.09%/外国籍 検体 8 陽性 1=12.50%
コンゴ民主共和国:合計 検体 12、陽性 1=8.33%
  日本国籍 検体 11 陽性 1=9.09%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
ブルガリア:合計 検体 17、陽性 1=5.88%
  日本国籍 検体 5 陽性 0=0%/外国籍 検体 12 陽性 1=8.33%
ネパール:合計 検体 25、陽性 1=4.00%
  日本国籍 検体 12 陽性 1=8.33%/外国籍 検体 13 陽性 0=0%


毎日の個別発表との誤差状況(5月30日〜6月5日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):40人
(B)毎日発表:40人中非公表0人(複数国滞在者0人)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 誤差なし


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 01:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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