2021年06月20日

五輪選手陽性で問題露呈

◇空港検疫 五輪選手団の陽性事例でいくつもの問題が露呈

この記事は、公式発表ではなく、他報道機関の記事だけを基に作成しています。読まれる際には十分ご注意ください。


19日成田国際(成田)着でウガンダから入国しようとした東京2020オリンピック・パラリンピック選手団の1人が、空港検疫での検査で陽性となったことが、当事者以外の人物によって公式発表前に暴露されたようです。

海外から入国する以上、陽性が出てしまうのは仕方がないことです。
しかし、今回の発表方法は、大きな問題がいくつも隠れています。

厚生労働省が陽性事例として発表するより前に、当事者以外の人物が暴露
 昨日までの厚生労働者発表では、19日成田着でウガンダからの入国者の陽性は発表されていません。今回は、成田第2ターミナルの到着ロビーで内閣官房の参事官が暴露している様子が報道されています。
 普段は情報を隠匿やはぐらかしてばかりなのに、正式発表より前に、当事者以外の人物によって、情報が拡散されるという問題を引き起こしています。
 そもそも、陽性だった人物が、五輪参加者かどうかなど、どうでもよい話のはず(なぜか14日間自主隔離免除らしいのでそう簡単に片づけられない話ではありますけど)。これまで、カザフスタンに遠征に行った日本選手団が陽性になった事例で、当事者側である選手団側が発表したことはありますが、当事者でもない人物が公式発表前にペラペラ暴露するなど前代未聞です。
 その他の一般ピープルも、場合によっては、そうやって暴露される可能性があるということを示しています。
 参事官、話をする内容と場所間違えてますよ。

誓約違反者ではないのに人物特定可能に
 そんな暴露があったせいで、人物特定も比較的容易になってしまいました。
 NHKなどの報道を見ると、到着直後の映像と到着ロビーに出てからの映像が流れており、比較すれば人物特定が可能です。
 現在、入国者には、入国の際、検疫法に基づいて、14日間の公共交通利用禁止や他人との接触禁止などの誓約が義務付けられています。この制約に違反した場合、「検疫法に基づく停留措置の対象となり得る」「日本人については、氏名や、感染拡大防止に資する情報が公開され得る」「在留資格保持者については、氏名、国籍や感染拡大防止に資する情報が公開され得ること、また、在留資格取消手続及び退去強制手続等の対象となり得る」とされています。
 しかし、公共交通を利用する人や他人と接触している違反者が後を絶たないのに、これまでにこの対象になった人物は一人もいません。そんな中で、今回の陽性者は、何も違反していないにもかかわらず、人物特定されることになってしまいました。普段は、人権侵害だからと、公衆衛生に寄与する陽性者の国内行動歴等の情報を隠匿するのに、こういった形で、無意識に人権侵害気味の事をしてしまうのはどうなのでしょう。
 参事官、公表する対象者が間違ってますよ。

取材した報道陣は離隔も隔離も無しの不思議
 NHKの映像を見れば分かりますが、今回陽性になった人物も含む9人を写した映像があり、報道陣は、到着コンコースで撮影しているのが明白です。
 コンコースの横幅を考えると、かなりの至近距離で取材を行っています。
 検査前の人物に、離隔(ソーシャルディスタンス)も十分でない状態で接触するなどあり得ない話。その後、カメラマンが14日間の隔離に入ったのかは不明です。
 映像を見ると分かりますが、こんなリスクの高い状態でも接客しなきゃならない空港職員は大変ですね。

濃厚接触者でも陰性ならフリーパス
 今回陰性だった残りの8人は、普通に成田第2ターミナルの到着ロビーに出てきています。
 このことから、濃厚接触者であっても、同じ航空機に搭乗していたとしても、空港検疫での検査が陰性なら、フリーパスで即入国可能であることが改めて明らかになりました。
 どうせ前後左右2列にしか連絡はいってないでしょうから、機内でウイルスをもらっていても、気が付かずじまいになってしまうのでしょう。
 映像によりますと、利用したのはカタール航空の便のようですが、ぜひ同一便搭乗の方は、14日間自主隔離を、より意識して守っていただきたいですね。(五輪選手団は、検疫法に基づく措置は無視されて、なぜかルールブックとやらを根拠に14日間の自主隔離が免除だそうですが、、、)

ワクチン2回接種+72時間以内陰性証明でも陽性
 今回の陽性者は、ワクチン(アストラゼネカ社製)を2回受け、72時間以内の陰性証明書を持っていても陽性でした。
 ワクチンを受けても新型コロナウイルス感染症に罹らなくなるわけではないということが分かります。

 入国される皆様、出国前に陰性でも、空港検疫で陰性でも油断することなく、マスク、手指消毒にソーシャルディスタンス、黙食・黙訪・黙乗等できっちり対策して、油断せずに飛行機に乗りたいですね。

2か国目で早くも陽性事例
 各種報道によりますと、選手団の入国は延期以降2回目とのこと。世界には200近い国があり、競技によって入国がバラバラの国もありますから、今後、普通に200回以上の入国があり得ます。2回に1人陽性者が出るのだとすると、選手団だけで100人以上の空港検疫での陽性者が出てもおかしくないペースです。
 ちなみに、空港検疫での罹患率は、1月以降の全員検査後だけで見てもだいたい0.27%前後です。五輪選手団は10,000人ほどですから、30人前後は陽性者が出る可能性があります。100人は多すぎる数値ですが、そうだとすると、より危険側に振れるということになります。
 非常に不安になる事例になってしまいました。

ウガンダは実は感染超爆増国
 普段から入国者が少なく日本人は関心が薄いアフリカの国であるせいか、全く報道されていませんが、ウガンダは、五月下旬から、感染者が超爆増している国です。
 同国からの入国者は、空港検疫でも、今年4月21日に初めて確認されて以降、5月30日、6月5日と立て続けに陽性者が確認され、急増している国の一つです。このうち、4月21日入国者は南アフリカ株、5月30日入国者はデルタ株等であったことがすでに判明しています。
 そんな急激悪化中の国ですが、未だに上陸拒否国にもなっておらず、通常入国の国なので、感染状況が急激悪化する中で、強制隔離期間も未だ設けられていない状況です(ニュージーランドや台湾などと同様の変異株国入国規制強化(ただの検査証明提出+検査義務化)は5月18日から適用されています)。
 ちなみにウガンダ選手団は、モナコで行われているラグビーの世界最終予選で、陽性者発覚により出場辞退になっています。
 そんな国からの入国の濃厚接触者でも普通に入国でき、普通に検査前から取材できるあたり、水際対策の甘さも、報道陣の意識の低さもよく分かる事例となってしまいました。


ただ入国時に陽性だっただけなのに、よくよく考えてみると、次から次へと問題が生じてしまいました。
海外から入国する以上、陽性が出てしまうのは仕方がないことです。
しかし、その後の対策は、いくらでも対応が可能です。特に暴露などあってはならないことで、問題が生じないように配慮してもらいたいものです。


今回陽性だった選手も治療が完了すれば入国可能です。
計画的に早めに来たから、オリンピックまではまだ1か月、パラリンピックまではまだ2か月あります。この選手には、なんとか1か月で治療を完了し、出場競技でぜひ活躍してもらいたいですね。

防ごう、空港検疫すり抜けによるウイルス密輸
防ごう、入国14日以内の接触によるウイルス拡散
防ごう、空港へのお迎えによるウイルス拝受
防ごう、海外から動くことによるウイルス蔓延


東京五輪事前合宿で来日のウガンダ選手団 空港検査で1人陽性(NHK公式サイト)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210620/k10013093921000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001
ウガンダ選手団、1人陽性 五輪事前合宿で初―成田空港(時事通信社公式サイト)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021062000139&g=spo


STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 08:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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