検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が23週目に突入
厚生労働省(厚労省)は2日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の6月3週目(6月13日〜6月19日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が23週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は微増
6月3週目は、検査数は16,771件(前週比+255件)と微増しています。
日本国籍者は10,430 件(前週比+272件)、外国籍者は6,341件(前週比-17件)で、日本国籍者の増加が続いています。
■欧州からの入国者増加、長期休暇一時帰国増え始め?
国別で見ると、五番目までは先週と変わりませんでした。入国者数最多は米国で6,053 件(前週比+558件)でした。二番目は中国で1,648 件(前週比-233件)、三番目はフィリピンで1,352件(前週比+246件)、四番目は韓国で784件(前週比+114件)。五番目は台湾で534件(前週比+55件)でした。
六番目は英国が一気に増えて472件(前週比+143件)です。七番目はタイで462件(前週比+16件)、八番目はインドネシアで420件(前週比+52件)でした。
九番目にドイツが入り334件(前週比+82件)、十番目はフランスで290件(前週比+39件)でした。
急に欧州からの入国者が増えています。英独仏のいずれも日本国籍者が増えており、昨年8月、12月に引き続き、長期休暇前の入国ラッシュが始まったとみられます。変異株罹患者が大挙して押し寄せた昨年12月と同様にならないことを願いたいところです。
デルタ株等で一時大騒ぎとなったネパールは7件(前週比-2件)、アフガニスタンは11人(前週比+7人)と減った状態が続いています。
最新の毎日の発表では、この次の週位からネパールからの入国者の陽性事例がポツポツ出ており、この週が入国の底になっている可能性があります。
インドが177件(前週比-303件)、モンゴル3件(前週比-72件)の急減などが目を引きました。
この週は、検体数(≒入国者数)が減った国と増えた国がバラバラでした。
■日本国籍者の増加が目立つ
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、台湾、英国、タイ、ドイツ、フランスでした。
米国は相変わらず日本人が多く、日本国籍者4,777件・外国籍者1,276件で、日外ともに増加。
台湾は、日本国籍者372件・外国籍者162件で、日本国籍者の減少が目立ちます。
英国は、日本国籍者359件・外国籍者113件と日本国籍者が急増。
タイは、日本国籍者363件・外国籍者99件で、日本国籍者は増加、外国籍者は減少です。
ドイツは、日本国籍者259件・外国籍者75件と日本国籍者が急増。
フランスは、日本国籍者229件・外国籍者61件で、増加のほとんどは日本国籍者でした。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、インドネシアでした。
インドネシアは多くの期間で日外ほとんど差がない状態が続いており、今週も日本国籍者217件・外国籍者203件。日外とも仲良く減少していました。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、韓国でした。
中国は日本国籍者628件・外国籍者1,020件で、日外ともに減少。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピンで、日本国籍者168件・外国籍者1,184件。外国籍者の増加が目立ちます。
韓国は、日本国籍者320 件・外国籍者464件で、外国籍者の増加が多い状況でした。
この他、十位以内に入っていませんが、11位のベトナムは日外同数程度、13位のメキシコと15位のマレーシアは日本国籍者の方が多く、12位のロシアと14位のブラジルは外国籍者の方が多いです。
なお、10日間強制隔離対象期間のある7か国のうち上記以外の4か国は、
バングラデシュ 34件(前週比-30件)=ほぼ外国籍者の減少
パキスタン 54件(前週比-16件)=日本国籍者激減、外国籍者増加
スリランカ 33件(前週比-7件)=日外ともに微減
モルディブ 3件(前週比-3件)=全員日本国籍者
でした。今回は減少の国ばかりです。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本人が多い
・南アジアからは圧倒的に外国人が多い。→バングラデシュは再増加局面(バングラデシュは13日から6日間強制隔離に緩和)・インドとパキスタンは減少傾向(ただしパキスタンは外国籍者が増加中)、ネパールは戻らず、スリランカは横ばいといった印象でしょうか。
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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