検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が24週目に突入
厚生労働省(厚労省)は9日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の6月4週目(6月20日〜6月26日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が24週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は微減
6月4週目は、検査数は16,536件(前週比-235件)と微減しています。
日本国籍者は10,205件(前週比-225件)、外国籍者は6,331件(前週比-10件)で、いずれも微減でした。
■欧州からの入国者増加続く、ついにネパールからの入国再開
国別で見ると、入国者数最多は米国で5,093件(前週比-960件)でした。二番目は中国で1,714件(前週比+66件)、三番目はフィリピンで1,208件(前週比-144件)、四番目は韓国で697件(前週比-87件)。ここまでは前週と同順で、五番目はインドネシアが555件(前週比+135件)と増加しています。
六番目は、先週一気に増えた英国で466件(前週比-6件)と増えたまま。七番目が台湾で464件(前週比-70件)、八番目はタイで415件(前週比-47件)です。
九番目はフランスで397件(前週比+107件)、十番目はドイツで380件(前週比+46件)とともに増やしています。
前週急に増えた西欧からの入国者がさらに増えています。スイスやスペインなども100人前後の増加中です。仏独西瑞はいずれも日本国籍者が目立って増えており、昨年8月、12月に引き続き、長期休暇前の入国ラッシュが始まったとみられます。変異株罹患者が大挙して押し寄せた昨年12月と同様にならないことを願いたいところです。
そして、感染状態の悪いインドネシアが3割も急増。春のパキスタン、インド、ネパール同様に逃げてきている人が増えていると推定されます。
デルタ株等で一時大騒ぎとなったアフガニスタンは8人(前週比-3人)と減った状態が続いています。
一方で、ネパールがついに134件(前週比+127件)と激増しました。前週の記事で、「最新の毎日の発表では、この次の週位からネパールからの入国者の陽性事例がポツポツ出ており、この週が入国の底になっている可能性があります。」と書きましたが、まさにその通りになってしまいました。別記事で取り上げますが、ネパールの急増は直行便が再開したのが原因で、同時に陽性者も一気に増えています。いまの水際対策は、こういう悪循環を止められない穴だらけですね、、、。
インドは227件(前週比+50件)で少し戻ってしまいました。モンゴル104件(前週比+101件)の急増などが目を引きました。
この週は、検体数(≒入国者数)が減った国と増えた国がバラバラでした。
■日本国籍者の動向が大きく左右
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、英国、台湾、タイ、フランス、ドイツでした。
米国は、日本国籍者3,940件・外国籍者1,153件と日本国籍者が一気に急減しています。
英国は、日本国籍者342件・外国籍者124件。日外ともに前週と大きく変わらない人数です。
台湾は、日本国籍者313件・外国籍者151件で、先週に引き続き日本国籍者の減少が目立ちます。
タイは、日本国籍者319件・外国籍者96件で、日本国籍者の減少がほとんどです。
フランスは、日本国籍者306件・外国籍者91件で、日外ともに増加。
ドイツは、日本国籍者310件・外国籍者70件と日本国籍者が増加しています。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、韓国、インドネシアでした。
韓国は、日本国籍者304件・外国籍者393件で、外国籍者の減少が多く、日外の人数が迫ってきました。
インドネシアは日外同じくらいの傾向がずっと続いており、日本国籍者271件・外国籍者284件と、日外とも仲良く増加しました。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピンでした。
中国は日本国籍者622件・外国籍者1,092件で、先週と同程度。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピン。日本国籍者185件・外国籍者1,023件で、日本国籍者は増加、外国籍者は減少しました。
この他、十位以内に入っていませんが、11位のカナダと13位のメキシコ、14位のスペインは日本国籍者の方が多く、12位のベトナムと15位のロシアは日外同数程度でした。ロシアは先週は外国籍者が多かったですが、今週は同数程度になっています。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち上記以外の6か国は、
バングラデシュ 50件(前週比+16件)=日外ともに増加
パキスタン 43件(前週比-11件)=日本国籍者倍増以上、外国籍者半減
スリランカ 27件(前週比-6件)=日本国籍者目立って減少
モルディブ 5件(前週比+2件)=全員日本国籍者
キルギス 8件(前週比+2件)=元々少人数入国国でここのところ陽性者ばかり増加
ザンビア 8件(前週比+1件)=元々少人数入国国でここのところ陽性者ばかり増加
でした。今回は増加の国、減少の国がバラバラです。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本人が多い
・南アジアからは圧倒的に外国人が多い。→ネパールとバングラデシュ、インドは再増加局面・パキスタンは減少傾向
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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