2021年07月10日

検疫週間速報6月4_仙台着特定不能

◇空港検疫(週間速報)6月4週目 前週と傾向は大きく変わらず、陽性者数40人台・罹患率0.2%台 仙台着の行動歴「-」の謎人物特定できず

厚生労働省(厚労省)は9日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の6月4週目(6月20日〜6月26日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週水曜日に過去4週間分が発表されています。9日の公表で、2020年10月4日〜2021年6月26日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 傾向ほぼ変わらず
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)

06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)

今週の検体数は、日外ともに減少。日外比率は1:0.62と前週レベルでした。
今週の陽性数は、日本国籍者1人減、外国籍者1人増。日外比率は1:1.37と、外国籍者の比率が微増しています。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、前週と同じで米国、中国、フィリピン、韓国、インドネシアの順でした。
日本人はやや減って10,205件でした。12月4週目に12,354件いたのち、1月以降は一度激減後、徐々に回復していましたが、ここのところ減少気味でした。3週連続で1万件は突破しています。
外国人はここのところ大幅減少が継続。今週も減少しており、1月3週目に17,873件だったものが、今週は6,331件と3分の1程度のまま。今週も微減でした。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が2%減少に対して陽性者数は5%減。外国籍者は検査数が横ばいに対して陽性者数は4%増です。日外ともに大幅に陽性者が増えた前週レベルのままです。
このため、罹患率は、日外ともにほぼ横ばいでした

全体の罹患率は0.27%。先週とほぼ同じでした。
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
その後半年以上細かいデータが出ていますが、外国籍者の方が罹患率が高く、日本国籍者は上下を繰り返してきた印象でした。
まだ0.2%台で何とかとどまっています。


[陽性者数多い国分析] 19か国/ネパールがリバウンド
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているインドネシア、ロシア、フィリピン、英国、アラブ首長国連邦(UAE)、ブラジル、インド、米国、バングラデシュ、ザンビア、キルギスなどを含めて19か国からの入国者に陽性者が出ました。急激に国数が増えた前週から2か国減ったものの多い状態は変わりません。感染悪化が世界に広がっている懸念が出てきています。
今週最も悪かったのはインドネシア7人(前週比-2人)。入国者数は日外大きな差はありませんが、陽性者の6人が外国籍者でした。
続いて、4か国が4人で並んでいます。フィリピン(前週比-5人)は半減ですが、ロシア(前週比+2人)、ネパール、スペイン(前週比皆増)と急激悪化が目立ちます。スペインは全員日本国籍者、ネパールは全員外国籍者、ロシアとフィリピンは日外2人ずつでした。
さらに、UAE(前週比+1人)と英国(前週比+2人)が各3人。UAEは外国籍者が2人、英国は日本国籍者が2人です。
そして、4か国が2人でした。モンゴル(前週比皆増)とブラジル(前週比-1人)は全員外国籍者。インド(前週比±0人)とマレーシア(前週比皆増)は日外1人ずつでした。
残り8か国は1人ずつで、バングラデシュ、ザンビア、ギニアが外国籍者でした。
6月初旬に急増したアフガニスタンは再入国停止などもあり入国者数減もあり0人(前週比-1人)で、駆け込み消滅が鮮明です。
10日間強制隔離が関係する11か国のうち、陽性者が出なかったのは、スリランカ、モルディブ、パキスタン、アフガニスタンでした。

[罹患率高い国分析] 1%超えは19か国中13か国も、国際線到着空港は超危険
罹患率は、最も率が悪かったのは、ギニアで33.33%(検体3件中1人陽性=全員外国籍者)でした。
続いてベリーズが16.67%(検体6件中1人陽性=日本国籍者検体5件中1人陽性)、キルギスが12.50%(検体8件中1人陽性=日本国籍者検体5件中1人陽性)。ザンビア12.50%(検体8件中1人陽性=外国籍者検体3件中1人陽性)でした。
以上の4か国が二桁割合(10%超え)です。特にキルギスは3週連続、ザンビアは2週連続で10%超えという非常に危険な状態です。アフリカ諸国は元々の入国者数がごく少ないので、1人出ただけで率が一気に跳ね上がります。
この後は少し離れ、ネパール2.99%(検体134件中4人陽性=外国籍者検体116件中4人陽性)、バングラデシュ2.00%(検体50件中1人陽性=外国籍者検体13件中1人陽性)、モンゴル1.92%(検体104件中2人陽性=外国籍者検体75件中2人陽性)、ロシア1.72%(検体232件中4人陽性=外国籍者検体115件中2人陽性)、スペイン1.67%(検体239件中4人陽性=日本国籍者検体196件中4人陽性)、ウクライナ1.59%(検体63件中1人陽性=日本国籍者検体22件中1人陽性)、UAE1.57%(検体191件中3人陽性=外国籍者検体47件中2人陽性)、インドネシア1.26%(検体555件中7人陽性=外国籍者検体284件中6人陽性)、マレーシア1.26%(検体159件中2人陽性=外国籍者検体34件中1人陽性)と続きました。
1%超えは以上の13か国でした。南アジア〜中東〜アフリカにかけてが多いですが、その他の国もポツポツ出始めています。

前述のキルギス、ザンビアのほか、バングラデシュ、UAE、インドネシアが連続で1%超えの異常状態でした

[航空便利用者数分析] 利用者は減少
合計の利用者数は25,634人(前週比-537人)と減少しています。少し日本経由で第三国へ行く需要が減ったと推定されます。
最多は米国便で7,623人(前週比-712人)、フィリピン便が3,157人(前週比-483人)と続いています。

増加している国、減少している国が様々でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、ベトナム便で1,154人(前週比+201人)。続いてカナダ便482人(前週比+188人)などとなっています。
皆増した国:ネパール便127人、モンゴル便104人、ミャンマー便57人。

減少している国:最も人数が減ったのは、米国便で7,623人(前週比-712人)。続いてフィリピン便3,157人(前週比-483人)などとなっています。
皆減した国:ありませんでした。

注目なのがネパール直行便です。7週間ぶりに直行便が再開しました。いきなり127人が利用しています。他ルートからも合わせた入国者は134人と急増し、4人も陽性(しかも全員外国籍者)というリバウンド状態になっています。
5月から、ネパール政府が感染対策で海外からの入国を遮断するために国際線の運航を停止してきました。これにより、日本へデルタ株等を持ち込む人がほぼいなくなっていたのですが、
航空便が再開されたとたん、入国者も陽性者も続々発生です。たまたま非常に珍しく1人出たとかそういうレベルではなく、いきなり4人も出たわけですから、由々しき問題でしょう。やはり14日間隔離無しなどあり得ない話です。
航空便停止は、日本への水際対策としては、ネパール政府がグッジョブだったわけです。一方で、直行便が再開されただけで陽性者が出まくるということは、
日本の水際対策は「外国人の陽性者が入国しようとするのを防ぐ/入国しようとする気持ちを削ぐ」という点では何の意味もないことが改めて明白になりました(「陽性者の入国を防ぐ」という点では4人発見したということになるのである程度効果を挙げているということになります)。4人とも外国籍者ということもあり、完全に日本が舐められているということが明白になりましたね。

変異株で騒ぎになっている英国直行便は484人(前週比+72人)で増加気味です。

[毎日の個別発表との誤差状況分析] 仙台着の謎人物またまた分からず
久々に誤差が多数出ています。
インドネシアとキルギスが毎日発表の合計数より少なかった一方、今回発表では、ロシアが毎日発表の合計数よりも2人も多くなっています。

そして、行動歴「-」(注:非公表ではない)となっていた謎人物(6月23日仙台着の居住地非公表者30代男)はまたまた特定ができませんでした。有症状で情報が公開されないという由々しき事例なのですが、結局今回の一覧にも含まれていませんでした。
今回は、2020年4月3日以来初めてとなる仙台空港着と言うことで非常に注目していたのですが、無駄でした。
可能性として一番高いのは、ロシアからのチャター機到着者ということになるのでしょうが、インドネシア、キルギスなども含めて誤差がありすぎ、特定は難しいです。
6月23日 3038 仙台 30代 男性 非公表 - 発熱、咳嗽

それにしても首相が米国から帰国したのと同じ2021年4月18日に羽田着だった3人をはじめ、2021年5月2日福岡着の3人と、なぜ連続して特定ができないのか謎ですね。全員有症状というトンデモナイ事例なのですが、、、。
どれが嘘のデータなのでしょうか、、、。



毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
06/20-06/26
全検査
合計 検体16,536陽性45 0.27%
日本 検体10,205陽性19 0.19%
外国 検体 6,331陽性26 0.41%


検体数の多い国
米  国:合計 検体5,093、陽性 1=0.02%
  日本国籍 検体3,940 陽性 1=0.03%/外国籍 検体1,153 陽性 0=0%
中  国:合計 検体11,714 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 622 陽性 0=0%/外国籍 検体1,092 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,208、陽性 4=0.33%
  日本国籍 検体 185 陽性 2=1.08%/外国籍 検体1,023 陽性 2=0.20%
韓  国:合計 検体 697、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 304 陽性 0=0%/外国籍 検体 393 陽性 0=0%
インドネシア:合計 検体 555、陽性 7=1.26%
  日本国籍 検体 271 陽性 1=0.37%/外国籍 検体 284 陽性 6=2.11%

罹患率の高い国
ギニア:合計 検体 3、陽性 1=33.33%
  日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 3 陽性 1=33.33%
ベリーズ:合計 検体 6、陽性 1=16.67%
  日本国籍 検体 5 陽性 1=20.00%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
キルギス:合計 検体 8、陽性 1=12.50%
  日本国籍 検体 5 陽性 1=20.00%/外国籍 検体 3 陽性 0=0%
ザンビア:合計 検体 8、陽性 1=12.50%
  日本国籍 検体 5 陽性 0=0%/外国籍 検体 3 陽性 1=33.33%
ネパール:合計 検体 134、陽性 4=2.99%
  日本国籍 検体 18 陽性 0=0%/外国籍 検体 116 陽性 4=3.45%


毎日の個別発表との誤差状況(6月20日〜6月26日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):45人
(B)毎日発表:46人中非公表0人(複数国滞在者1人=メキシコ/ベリーズ)、行動歴「-」1人

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 ・インドネシア Aが7人・Bが9人(Bが2人超過)
 ・ロシア  Aが4人・Bが2人(Aが2人超過)
 ・キルギス Aが1人・Bが2人(Bが1人超過)
 ・行動歴「-」 Aが0人・Bが1人(Bが1人超過)


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: