検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が25週目に突入
厚生労働省(厚労省)は16日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の6月5週目(6月27日〜7月3日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が25週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は急増
6月5週目は、検査数は22,338件(前週比+5,801件)と急増しています。
日本国籍者は14,011件(前週比+3,805件)、外国籍者は8,327件(前週比+1,996件)で、いずれも急増でした。
■西欧・北米からの入国が急増、ネパールは直行便なく再び1桁
国別で見ると、入国者数最多は米国で6,649件(前週比+1,556件)でした。二番目は中国で2,173件(前週比+459件)、三番目はフィリピンで1,322件(前週比+114件)、四番目は韓国で924件(前週比+227件)。ここまでは前週と同順で、五番目はフランスが838件(前週比+441件)と倍増以上の伸びを見せています。
六番目は英国で721件(前週比+255件)と目に見えて増加しています。七番目はタイで709件(前週比+294件)、八番目はインドネシアが705件(前週比+150件)です。
九番目はドイツで703件(前週比+323件)と倍近い増加。十番目はカナダで640件(+342件)とこちらも倍以上の増加でした。
前々週から急に増え始めた西欧や北米からの入国者が一気に増えています。オランダやオーストリア、スイスも100人前後の増加中です。フランスは日本国籍者が目立って増えている一方、英国は外国籍者の方が増加が大きいです。長期休暇前の入国ラッシュに加え、五輪需要が始まりましたでしょうか。
特別便でもめている感染状態の悪いインドネシアはそれほど伸びませんでした。感染状態だけ加速的に増えている印象です。
フランスは、7月9日から強制隔離がなくなっているため、入国者が増えているものと推定されます。
デルタ株等で一時大騒ぎとなったアフガニスタンは4人(前週比-4人)とどんどん減っています。
先週ついに再発したネパールは5件(前週比-129件)と再び激減しました。要因は直行便が飛ぶか飛ばないかですね。
インドは196件(前週比-31件)で減少しています。
このほかでは、モンゴル10件(前週比-94件)の急減などが目を引きました。こちらも2週間おきの直行便が飛ぶか飛ばないかですね。
この週は、検体数(≒入国者数)が増えた国の方が多い印象でした。
■日本国籍者の動向が大きく左右
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、フランス、英国、タイ、インドネシア、ドイツ、カナダでした。
米国は、日本国籍者4,983件・外国籍者1,666件と日本国籍者が大きく増加しています。
フランスは、日本国籍者681件・外国籍者157件で、日本国籍者の増加が大部分を占めています。
英国は、日本国籍者424件・外国籍者297件。外国籍者の方が大きく増加しています。
タイは、日本国籍者560件・外国籍者149件で、日本国籍者の増加がほとんどです。
インドネシアは日外同じくらいの傾向がずっと続いていましたが、日本国籍者404件・外国籍者301件と、日本国籍者が主に増加。緊急帰国が増えていると推定されます。
ドイツは、日本国籍者493件・外国籍者210件と、日外ともに増加。
カナダは、日本国籍者543件・外国籍者97件と日本国籍者が著しく増加しています。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、該当国はありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、韓国でした。
中国は日本国籍者964件・外国籍者1,209件で、日外ともに増加しています。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピン。日本国籍者167件・外国籍者1,155件で、さらに差が開いています。
韓国は、日本国籍者365件・外国籍者559件と外国籍者が目立って増加しました。
この他、十位以内に入っていませんが、11位の台湾と13位のアラブ首長国連邦、14位のメキシコは日本国籍者の方が多く、15位のスペインは日外同数程度、12位のブラジルは外国籍者の方が多かったです。ブラジルは一気に外国籍者が増えています。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち上記以外の6か国は、
バングラデシュ 61件(前週比+11件)=ほぼ日本国籍者の増加
パキスタン 56件(前週比+13件)=日外とも増加
スリランカ 58件(前週比+31件)=ほぼ外国籍者の増加
モルディブ 3件(前週比-2件)=日本国籍2・外国籍1
キルギス 9件(前週比+1件)=外国籍者1人のみ
ザンビア 9件(前週比+1件)=外国籍者1人のみ
でした。今回は日外状況がきれいに分かれました。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本人が多く、急増中
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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