厚生労働省(厚労省)は26日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の7月1週目(7月4日〜7月10日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。26日の公表で、2020年10月4日〜2021年7月10日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
いつもは金曜日発表でしたが、4連休が挟まったせいか、今回は月曜日発表でした。
■[罹患状況推移分析] 日本国籍者の罹患率が外国籍者より悪化
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
今週の検体数は、日本国籍者は減少、外国籍者は増加。日外比率は1:0.87と外国籍者がぐっと増えました。
今週の陽性数は、日本国籍者15人増、外国籍者4人増。先週同様の増加状況です。日外比率は1:0.65と日本国籍者の急速な悪化が顕著です。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、フィリピン、英国、フランスの順でした。西欧が増えています。
日本人は12,493件でした。前週より減っていますが、12月4週目の12,354件は超えています。1万件突破は5週連続です。
外国人はここのところ大幅減少が継続していましたが、先週に引き続き今週は2千人強増加しています。1月3週目に17,873件だったものが、今週は10,869件と6割を超えるまで戻しました。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が11%減少に対して陽性者数は45%増。外国籍者は検査数が31%増に対して陽性者数は15%増です。
この結果、罹患率は、日本国籍者は大幅悪化し、外国籍者は改善しています。
全体の罹患率は0.34%で4週ぶりに変化があり、やや悪化しました。
10月の4週間は日本国籍者と外国籍者の罹患率に差はなく0.35%程度でした。
その後半年以上細かいデータが出ていますが、外国籍者の方が罹患率が高く、日本国籍者は上下を繰り返してきた印象でした。
ここ数週間0.2%台以下で何とかとどまっていましたが、再び0.3%台となってしまいました。
日本国籍者が外国籍者よりも罹患率が悪くなるのは、感染が下火だった2月以来19週ぶり。今回は悪化傾向の中での逆転になっており、日本国籍者の悪化が顕著な状況です。
■[陽性者数多い国分析] 20か国/インドネシアだらけ続く
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているインドネシア、フィリピン、英国、ミャンマー、ロシア、タジキスタン、スペイン、バングラデシュ、アラブ首長国連邦(UAE)、米国、フランス、ブラジルなどを含めて20か国(前週比-5)からの入国者に陽性者が出ました。どんどん国数が増えていましたが、少し戻しました。
今週最も悪かったのは前週に引き続きインドネシアで36人(前週比+19人)。急激に悪化しています。日本国籍者が大きく悪化中です。
続いてフィリピンが6人(前週比+2人)。また、ここのところ悪化したままなのが英国で6人(前週比+3人)です。日本国籍者は、フィリピンは2人、英国5人です。英国は相変わらず陽性者は日本国籍者中心です。
さらに、ミャンマーが5人(前週比+4人)と大幅悪化して続いています。日本国籍者は2人。
ロシアが2週連続の4人(前週比±0人)。日外2人ずつでした。
スペインとタジキスタンが3人ずつ。いずれも前週比+2人で、日本国籍者が2人です。
2人だったのがマルタ(前週比+2人)、バングラデシュ(前週比±0人)、UAE(前週比-1人)。UAEの外国籍者1人を除いて日本国籍者です。
残り10か国は1人ずつで、パキスタン、オランダ、フランス、シエラレオネ、米国の5か国が日本国籍者でした。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは20か国中12か国も、国際線到着空港は超危険
最も罹患率が悪かったのは、タジキスタンで100.00%(検体3件中3人陽性=日本国籍者検体2件中2人陽性)でした。超少人数入国の国で複数人陽性という超異常な状況です。
続いてシエラレオネ50.00%(検体2件中1人陽性=日本国籍者検体2件中1人陽性)、アルジェリア20.00%(検体5件中1人陽性=外国籍者検体1件中1人陽性)でした。
以上の3か国が二桁割合(10%以上)です。特にタジキスタンは2週連続で10%超えという非常に危険な状態です。アフリカ諸国や中央アジア諸国は元々の入国者数がごく少ないので、1人出ただけで率が一気に跳ね上がります。
この後は、ミャンマー5.43%(検体92件中5人陽性=外国籍者検体64件中3人陽性)、セネガル4.35%(検体23件中1人陽性=外国籍者検体5件中1人陽性)、インドネシア3.88%(検体927件中36人陽性=日本国籍者検体631件中23人陽性)、バングラデシュ3.57%(検体56件中2人陽性=日本国籍者検体25件中2人陽性)、マルタ3.45%(検体58件中2人陽性=日本国籍者検体54件中2人陽性)、イスラエル2.08%(検体48件中1人陽性=外国籍者検体34件中1人陽性)、パキスタン1.79%(検体56件中1人陽性=日本国籍者検体33件中1人陽性)、ロシア1.44%(検体278件中4人陽性=日本国籍者検体95件中2人陽性)、ウズベキスタン1.02%(検体98件中1人陽性=外国籍者検体87件中1人陽性)と続きました。
1%超えは以上の12か国でした。南アジア〜中央アジア〜アフリカにかけてが多いですが、その他の国もポツポツ出始めています。
前述のタジキスタンのほか、ミャンマー、インドネシア、バングラデシュ、ロシアが連続で1%超えの異常状態でした。
■[航空便利用者数分析] 利用者は増加続く
合計の利用者数は32,238人(前週比+1,433人)と増加しています。
最多は米国便で8,533人(前週比-112人)、フィリピン便が3,382人(前週比+326人)と続いています。
増加している国が多い状況でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、英国便で1,258人(前週比+629人)。続いて、ドイツ便1,536人(前週比+395人)、フランス便1,859人(前週比+381人)など大幅に増えている国が多かったです。
皆増した国:イタリア110人、フィジー105人、ミャンマー47人、スウェーデン36人、モンゴル31人。イタリアはアリタリア航空の再開に伴うものです。フィジーとスウェーデンは五輪絡みのチャーター便でしょうか。
減少している国:最も人数が減ったのは、カナダ便で426人(前週比-462人)。続いて、中国便2,003人(前週比-410人)でした。
皆減した国:ありませんでした。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
07/04-07/10
全検査
合計 検体23,362陽性79 0.34%
日本 検体12,493陽性48 0.38%↑ 急増
外国 検体10,869陽性31 0.29%
検体数の多い国
米 国:合計 検体6,126、陽性 1=0.02%
日本国籍 検体3,976 陽性 1=0.02%/外国籍 検体2,150 陽性 0=0%
中 国:合計 検体1,885、陽性 0=0%
日本国籍 検体 713 陽性 0=0%/外国籍 検体1,172 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,438、陽性 6=0.42%
日本国籍 検体 180 陽性 2=1.11%/外国籍 検体1,258 陽性 4=0.32%
英 国:合計 検体1,292、陽性 6=0.46%
日本国籍 検体 753 陽性 5=0.66%/外国籍 検体 539 陽性 1=0.19%
フランス:合計 検体1,157、陽性 1=0.09%
日本国籍 検体 808 陽性 1=0.12%/外国籍 検体 349 陽性 0=0%
罹患率の高い国
タジキスタン:合計 検体 3、陽性 3=100.00%
日本国籍 検体 2 陽性 2=100.00%/外国籍 検体 1 陽性 1=100.00%
シエラレオネ:合計 検体 2、陽性 1=50.00%
日本国籍 検体 2 陽性 1=50.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
アルジェリア:合計 検体 5、陽性 1=20.00%
日本国籍 検体 4 陽性 0=0%/外国籍 検体 1 陽性 1=100.00%
ミャンマー:合計 検体 92、陽性 5=5.43%
日本国籍 検体 28 陽性 2=7.14%/外国籍 検体 64 陽性 3=4.69%
セネガル:合計 検体 23、陽性 1=4.35%
日本国籍 検体 18 陽性 0=0%/外国籍 検体 5 陽性 1=20.00%
■毎日の個別発表との誤差状況(7月4日〜7月10日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):79人
(B)毎日発表:79人中非公表0人(複数国滞在者0人)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
誤差なし
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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