検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が27週目に突入
厚生労働省(厚労省)は30日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の7月2週目(7月11日〜7月17日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が27週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
いつもの金曜日発表に戻りました。
■外国籍者が急増、五輪需要?
7月2週目は、検査数は32,329件(前週比+8,967件)と爆増しています。
しかし、日本国籍者は11,565件(前週比-928件)と減少。外国籍者は20,764件(前週比+9,895件)と倍増しています。五輪選手団の入国が相次いだためと推定されますが、航空便は増えていないので、一機当たりの搭乗制限が緩和されていたのかもしれません。
■欧州からの入国増加続く
国別で見ると、入国者数最多は米国で6,170件(前週比+44件)でした。二番目は中国で2,635件(前週比+750件)と、ここまでは前週と同順でした。三番目は英国で1,977件(前週比+685件)、四番目はフランスで1,754件(前週比+597件)、五番目はドイツで1,333件(前週比+583件)と西欧の急増が続いています。
便数が多く五番目までの常連だったフィリピンは減少しており、六番目で1,247件(前週比-191件)でした。
七番目はインドネシアで1,056件(前週比+129件)、八番目は韓国で1,017件(前週比+346件)、九番目はイタリアで1,017件(前週比+579件)、十番目はスペインで851件(前週比+490件)でした。
4週前から急に増え始めた欧州からの入国者の増加が止まりません。十一位以下もスイスやハンガリー、ルーマニア、ポルトガルなどが200人超、オランダが400人超の増加となっています。その多くは外国籍者の急増で、五輪需要なのが明らかです。
特別便でもめている感染状態の悪いインドネシアは日本国籍者の利用が増えており、他の国と様子が違います。
デルタ株等で一時大騒ぎとなったアフガニスタンは7人(前週比-9人)と低調な状態が続いています。
3週前についに再発したネパールは47件(前週比+35件)と再増加。直行便は飛んでいませんが、少し増え始めています。
インドは169件(前週比-53件)と減少しています。
この週は、検体数(≒入国者数)が増えた国ばかりの状況でした。
■インドネシア日本国籍者急増は緊急帰国??、欧米は五輪需要??
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、インドネシアでした。
米国は、日本国籍者3,345件・外国籍者2,825件と日本国籍者は減り、外国籍者が増えています。
インドネシアは、日本国籍者863件・外国籍者193件と、日本国籍者のみ急増。緊急帰国が増えていると推定されます。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、英国、フランス、ドイツ、フィリピン、韓国、イタリア、スペインでした。
中国は、日本国籍者740件・外国籍者1,895件。外国籍者が急増しています。
英国は、日本国籍者518件・外国籍者1,459件。日本国籍者は減り、外国籍者が急増しています。
フランスは、日本国籍者780件・外国籍者974件。日本国籍者は減り、外国籍者が急増しています。
ドイツは、日本国籍者458件・外国籍者875件。日本国籍者は減り、外国籍者が急増しています。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピン。日本国籍者175件・外国籍者1,072件で、外国籍者の方が大きく減っています。
韓国は、日本国籍者302件・外国籍者715件。外国籍者の方が増えています。
イタリアは、日本国籍者224件・外国籍者793件。外国籍者が急増しています。
スペインは、日本国籍者223件・外国籍者628件。外国籍者が急増しています。
この他、十位以内に入っていませんが、13位のタイは日本国籍者の方が多く、11位のスイス、12位のオランダ、14位のオーストラリア、15位のカナダは外国籍者の方が多いです。外国籍者の多い国はいずれも外国籍者の急増が目立ちます。
英国、フランス、ドイツ等は普段は日本国籍者の方が多い国です。これら先進諸国からの外国籍者急増は、完全に五輪需要と推定されます。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち上記以外の6か国は、
バングラデシュ 69件(前週比+13件)=日本国籍者の増加目立つ
パキスタン 35件(前週比-21件)=日本国籍者の減少目立つ
スリランカ 40件(前週比+7件)=全員外国籍者の増加
モルディブ 3件(前週比±0件)=日本国籍者1・外国籍者2
キルギス 18件(前週比+18件)=日本国籍者12・外国籍者6
ザンビア 31件(前週比+24件)=外国籍者急増
でした。今回は日外状況がバラバラでした。
・高感染国が多い欧米からの入国は、外国籍者が急増中→五輪需要?
・現地感染の急激悪化中の国からの入国は、日本国籍者が増加中→緊急帰国?
といった傾向になっています。
今の空港は、渡航目的が大きく異なる二分化され、少しカオスなのかもしれないですね。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
STAY HOME NOW, FLY LATER