厚生労働省(厚労省)は30日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の7月2週目(7月11日〜7月17日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。30日の公表で、2020年10月4日〜2021年7月17日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
いつもの金曜日発表に戻りました。
■[罹患状況推移分析] 日本国籍者は悪化、外国籍者は改善
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
今週の検体数は、日本国籍者は減少、外国籍者は爆増。日外比率は1:1.80と外国籍者が逆転したうえ、ダブルスコア気味になっています。
今週の陽性数は、日本国籍者3人増、外国籍者15人増。日外比率は1:0.90と外国籍者は増えたものの、入国者数の増加に比べれば大した状況ではなく、日本国籍者の悪い状況が続いています。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、英国、フランス、ドイツの順でした。欧州からの入国者が爆増しています。
日本人は11,565件でした。前週より減っており、12月4週目の12,354件も下回りました。1万件突破は6週連続となります。
そんな減少気味の日本人に対し、外国人は一気に爆増。今週は倍増近い1万人弱も増加しています。1月3週目の17,873件の半分以下でずっと下回っていたのに、今週は20,764件と一気に超えました。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が7%減少に対して陽性者数は6%増。外国籍者は検査数が91%増に対して陽性者数は48%増です。
この結果、罹患率は、日本国籍者は悪化が継続し、外国籍者は改善しています。
全体の罹患率は0.30%とやや改善しました。
日本国籍者が外国籍者よりも罹患率が悪くなるのは、先週に19週ぶりに確認されたあと、2週連続となります。日本国籍者の悪化が顕著な状況です。
■[陽性者数多い国分析] 33か国/インドネシア多い状態続く
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているインドネシア、米国、英国、ロシア、フィリピン、アラブ首長国連邦(UAE)、ブラジル、タジキスタン、ミャンマー、セネガル、スペイン、ウズベキスタンなどを含めて33か国(前週比+13)からの入国者に陽性者が出ました。一気に国数が増えています。五輪関係者のせいでしょうか?
今週最も悪かったのはここのところずっと続いているインドネシアで36人(前週比±0人)。悪化した状態が続いています。
続いて米国が9人(前週比+8人)と急激に悪化しました。日本国籍者5人で、日外ともに陽性者が増えています。
三番目に多かったのは英国で7人(前週比+1人)です。ここのところ悪化しています。日本国籍者は4人。外国籍者は入国者急増に伴い陽性者も増加しています。
ロシアも5人(前週比+1人)と多め。日本国籍者は2人です。
フィリピンは4人(前週比-2人)でした。日本国籍者は1人で、外国籍者が多い状況に変わりがありません。
続いてUAEが3人(前週比+1人)。日本国籍者が2人でした。
2人だったのがマレーシア(前週比+2人)、ブラジル(前週比+1人)、ナイジェリア(前週比+2人)、チェコ(前週比+2人)、タジキスタン(前週比±0人)、キルギス(前週比+2人)。ブラジルが日本国籍者2人、マレーシア、ナイジェリア、タジキスタンが外国籍者2人、チェコとキルギスは日外1人ずつです。
残り21か国は1人ずつで、ウズベキスタン、ザンビア、セネガル、タンザニア、ネパール、メキシコの6か国が日本国籍者でした。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは33か国中18か国も、国際線到着空港は超危険
最も罹患率が悪かったのは、タジキスタンで66.67%(検体3件中2人陽性=全て外国籍者)でした。超少人数入国の国で複数人陽性という超異常な状況です。
続いてキルギス11.11%(検体18件中2人陽性=日本国籍者検体12件中1人陽性)、タンザニア10.00%(検体10件中1人陽性=すべて日本国籍者)でした。
以上の3か国が二桁割合(10%以上)です。特にタジキスタンは3週連続で10%超えという非常に危険な状態です。キルギスは前週は陽性者がいませんでしたが、陽性者が出ると10%超が続いており危険です。アフリカ諸国や中央アジア諸国は元々の入国者数がごく少ないので、1人出ただけで率が一気に跳ね上がります。
この後は、ギニア7.14%(検体14件中1人陽性=外国籍者検体7件中1人陽性)、モザンビーク6.67%(検体15件中1人陽性=外国籍者検体10件中1人陽性)、パナマ6.67%(検体15件中1人陽性=外国籍者検体14件中1人陽性)、セネガル3.57%(検体28件中1人陽性=日本国籍者検体18件中1人陽性)、ナイジェリア3.51%(検体57件中2人陽性=外国籍者検体50件中2人陽性)、インドネシア3.41%(検体1,056件中36人陽性=日本国籍者検体863件中27人陽性)、ザンビア3.23%(検体31件中1人陽性=日本国籍者検体4件中1人陽性)、ミャンマー2.86%(検体35件中1人陽性=外国籍者検体26件中1人陽性)、ネパール2.13%(検体47件中1人陽性=日本国籍者検体7件中1人陽性)、チリ1.64%(検体61件中1人陽性=外国籍者検体53件中1人陽性)、グアム1.45%(検体69件中1人陽性=外国籍者検体50件中1人陽性)、イラン1.37%(検体73件中1人陽性=外国籍者検体57件中1人陽性)、ペルー1.23%(検体81件中1人陽性=外国籍者検体71件中1人陽性)、ロシア1.19%(検体421件中5人陽性=日本国籍者検体101件中2人陽性)、チェコ1.03%(検体195件中2人陽性=日本国籍者検体69件中1人陽性)と続きました。
1%超えは以上の18か国でした。これまで南アジア〜中央アジア〜アフリカにかけてが多かったですが、南米が出てきています。
前述のタジキスタンのほか、ミャンマー、セネガル、インドネシア、ロシアが連続で1%超えの異常状態でした。ミャンマー、インドネシア、ロシアは1%超えの常連ですね。
■[航空便利用者数分析] 利用者は増加続く
合計の利用者数は37,204人(前週比+4,966人)と増加。入国者の増加分の半分程度の増加でしたので、日本を目的地とした人が増えたということでしょうか。
最多は米国便で7,935人(前週比-598人)、フィリピン便が2,930人(前週比-452人)と続いています。
増加している国が多い状況でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、ドイツ便2,719人(前週比+1,183人)。続いて、トルコ便で1,168人(前週比+674人)、英国便1,835人(前週比+577人)など大幅に増えている国が多いです。欧州便の増加が目立ちます。
皆増した国:デンマーク343人、ルーマニア167人、ウズベキスタン146人、スペイン145人、カザフスタン128人、グアム87人、セルビア42人、エジプト34人と多数の国があります。デンマークはスカンジナビア航空の再開に伴うものです。それ以外の国は五輪絡みのチャーター便でしょうか。
減少している国:最も人数が減ったのは、米国便、続いてフィリピン便でした。
皆減した国:フィジー(105人)、スウェーデン(36人)。五輪絡みのチャーター便とみられる国でした。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
07/11-07/17
全検査
合計 検体32,329陽性97 0.30%
日本 検体11,565陽性51 0.44%
外国 検体20,764陽性46 0.22%
検体数の多い国
米 国:合計 検体6,170、陽性 9=0.15%
日本国籍 検体3,345 陽性 5=0.15%/外国籍 検体2,825 陽性 4=0.14%
中 国:合計 検体2,635、陽性 0=0%
日本国籍 検体 740 陽性 0=0%/外国籍 検体1,895 陽性 0=0%
英 国:合計 検体1,977、陽性 7=0.35%
日本国籍 検体 518 陽性 4=0.77%/外国籍 検体1,459 陽性 3=0.21%
フランス:合計 検体1,754、陽性 0=0%
日本国籍 検体 780 陽性 0=0%/外国籍 検体 974 陽性 0=0%
ド イ ツ:合計 検体1,333、陽性 0=0%
日本国籍 検体 458 陽性 0=0%/外国籍 検体 875 陽性 0=0%
罹患率の高い国
タジキスタン:合計 検体 3、陽性 2=66.67%
日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 3 陽性 2=66.67%
キルギス:合計 検体 18、陽性 2=11.11%
日本国籍 検体 12 陽性 1=8.33%/外国籍 検体 6 陽性 1=16.67%
タンザニア:合計 検体 10、陽性 1=10.00%
日本国籍 検体 10 陽性 1=10.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
ギ ニ ア:合計 検体 14、陽性 1=7.14%
日本国籍 検体 7 陽性 0=0%/外国籍 検体 7 陽性 1=14.29%
モザンビーク:合計 検体 15、陽性 1=6.67%
日本国籍 検体 5 陽性 0=0%/外国籍 検体 10 陽性 1=10.00%
■毎日の個別発表との誤差状況(7月11日〜7月17日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):97人
(B)毎日発表:94人中非公表0人(複数国滞在者3人=インドネシア/マレーシア、カザフスタン/トルコ、キルギス/アラブ首長国連邦)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
・米 国 Aが9人・Bが10人(Bが1人超過)
・タジキスタン Aが2人・Bが1人(Aが1人超過)
・グ ア ム Aが1人・Bが0人(Aが1人超過)
・非 公 表 Aが0人・Bが1人(Bが1人超過)
非公表が絡むと絶対に数値があってきませんね。
グアムを米国と捉えるならば、非公表はタジキスタンと言うことになりそうです。
非公表は、3282例目(7月16日羽田着東京都居住30代男)です。これまでも謎の「-」が多かった2日遅れで発表されています。
と一生懸命調査したのですが、30日発表の変異株発表で、3282例目に当たる人物の行動歴がタジキスタンであることが発表されました(変異株発表の22例目)。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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