厚生労働省(厚労省)は8月6日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の7月2週目(7月18日〜7月24日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。8月6日の公表で、2020年10月4日〜2021年7月24日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 日外ともに改善も、外国籍は大幅
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
今週の検体数は、日本国籍者は減少、外国籍者は急増。日外比率は1:2.61と大幅に差が開きました。
今週の陽性数は、日本国籍者18人減、外国籍者12人減。日外比率は1:1.03と外国籍者は増えたものの、入国者数の増加に比べれば大した状況ではなく、日本国籍者の悪い状況がついに3週連続となりました。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、英国、フランス、ドイツの順でした。欧州からの入国者が爆増しています。
日本人は9,924件でした。前週より減っており、12月4週目の12,354件も下回りました。1万件を下回るのは7週ぶりとなります。
そんな減少気味の日本人に対し、外国人は今週も急増。1月3週目の17,873件の半分以下でずっと下回っていたのに、25,961件と先週に引き続き2万件を超えています。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が14%減少に対して陽性者数は35%減少。外国籍者は検査数が25%増に対して陽性者数は26%減です。
この結果、罹患率は、日本国籍者はやや改善、外国籍者は大幅改善しています。外国籍者は過去最低の罹患率でした。
全体の罹患率は0.19%と大幅改善しました。原因は、五輪関係者の入国と考えられます。特に外国籍者で顕著に数字が出ていますが、入国者が大幅に増えて薄まったうえ、五輪関係者は検査頻度が高く陽性だと競技に出られなくなってしまうので感染管理が一般人よりも厳重と思われ、急激な罹患率低下につながっていると推定されます。
日本国籍者が外国籍者よりも罹患率が悪くなるのは、先々週に19週ぶりに確認されたあと、3週連続となります。日本国籍者の悪化が顕著な状況です。
■[陽性者数多い国分析] 31か国/インドネシアは少し落ち着き?
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているインドネシア、フィリピン、英国、米国、メキシコ、トルコ、キルギス、スペイン、ロシア、ペルー、チリ、タンザニア、タジキスタン、セネガル、ギリシャ、ウズベキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)などを含めて31か国(前週比-2)からの入国者に陽性者が出ました。国数が多い状況が続いています。五輪関係者が影響しているものと思われます。
今週最も悪かったのはここのところずっと続いているインドネシアで13人(前週比-23人)。日本国籍者が半減の12人、外国籍者は8人減の1人と少し落ち着いてきました。日本国籍者は緊急帰国が多いと思われますがその人たちが大量にウイルスを密輸してくるという皮肉な事態になっています。
続いてはフィリピンで8人(前週比+4人)と倍増。日本国籍者は2人で、外国籍者が多い状況に変わりがありません。
三番目に多かったのは英国で5人(前週比-2人)です。ここのところ悪い状況が続いています。日本国籍者は4人。外国籍者は入国者急増しているものの増えておらず、五輪関係者と言うよりは夏休みの一時帰国が大きく影響していると推定される数字になっています。
米国は4人(前週比-5人)と半減。日本国籍者は2人で、日外ともに同じような動きをしています。
3人陽性だったのが、メキシコ(前週比+2人)、トルコ(前週比+2人)、キルギス(前週比+1人)の3か国でした。日本国籍者はトルコ0人、メキシコ1人、キルギス2人とバラバラです。キルギスは入国者数が22人(日本国籍者に至っては4人中2人陽性)しかおらず超危険です。
2人陽性だったのが、バングラデシュ(前週比皆増)、タイ(前週比皆増)、スペイン(前週比+1人)、キプロス(前週比皆増)の4か国でした。キプロスが2人とも日本国籍者だった以外は、日外1人ずつでした。キプロスの日本国籍者は4人中2人陽性と超危険です。
残り20か国は1人ずつで、モロッコ、南アフリカ、タンザニア、セネガル、アラブ首長国連邦の5か国が日本国籍者でした。アフリカ諸国は日本国籍者の方が罹りやすい印象です。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは31か国中15か国も、国際線到着空港は超危険
最も罹患率が悪かったのは、ソマリアで25.00%(検体4件中1人陽性=全て外国籍者)でした。超少人数入国の国で複数人陽性という超異常な状況です。
続いてキルギス13.64%(検体22件中3人陽性=日本国籍者検体4件中2人陽性)でした。
以上の2か国が二桁割合(10%以上)です。特にキルギスは2週連続で10%超え、3週前は陽性者がいませんでしたが、その前も10%超が続いていて超絶危険です。アフリカ諸国や中央アジア諸国は元々の入国者数がごく少ないので、1人出ただけで率が一気に跳ね上がります。
この後は、タンザニア6.25%(検体16件中1人陽性=日本国籍者検体9件中1人陽性)、セネガル4.55%(検体22件中1人陽性=日本国籍者検体8件中1人陽性)、キプロス4.35%(検体46件中2人陽性=日本国籍者検体4件中2人陽性)、タジキスタン3.85%(検体26件中1人陽性=外国籍者検体24件中1人陽性)、チリ3.57%(検体28件中1人陽性=外国籍者検体26件中1人陽性)、プエルトリコ2.38%(検体42件中1人陽性=外国籍者検体41件中1人陽性)、エクアドル2.13%(検体47件中1人陽性=外国籍者検体45件中1人陽性)、バングラデシュ1.77%(検体113件中2人陽性=日本国籍者検体51件中1人陽性)、モロッコ1.72%(検体58件中1人陽性=日本国籍者検体9件中1人陽性)、インドネシア1.60%(検体812件中13人陽性=日本国籍者検体649件中12人陽性)、ペルー1.54%(検体65件中1人陽性=外国籍者検体53件中1人陽性)、トルコ1.22%(検体245件中3人陽性=外国籍者検体199件中3人陽性)、ウズベキスタン1.05%(検体95件中1人陽性=外国籍者検体85件中1人陽性)と続きました。
1%超えは以上の15か国でした。これまで南アジア〜中央アジア〜アフリカにかけてが多かったですが、南米が出てきています。
前述のキルギスのほか、タンザニア、セネガル、チリ、インドネシア、ペルーが連続で1%超えの異常状態でした。アフリカ諸国と南米で1%超えの常連が出そうな勢いがあります。
南米がほとんど外国籍者の入国でそのうち1人が陽性というパターンが急増しました。ガンマ株に加えてラムダ株が猛威を振るう地域ですが、五輪関係の入国が増えているとみられ、外国籍者の新規入国に加え、在留資格保持者の再入国を禁止していれば防げた事例と思われる事態になっています。中央アジアや中東もこういった国が多い印象です。
一方で、アフリカ諸国は入国が少ない日本国籍者での陽性が相次いでいます。こちらは日本国籍者なので防ぎようがないですが、夏休み一時帰国なのであれば、我慢してほしいところです。
南米もそうですが、インドネシアやキルギス等も1%超え常連なのに、いつまで経っても再入国禁止すらもせずにダラダラダラダラウイルス密輸を許している状況です。五輪大会が終わるまでは、とにかく現地感染悪化から目を背けて外国籍者の入国を認め、日本国籍者の入国も締め付けず、ただただ早く大会終われと願いながら目をつぶっているのかもしれませんね。
■[航空便利用者数分析] 利用者は微増
合計の利用者数は37,874人(前週比+670人)と微増でした。伸びが鈍化しました。
最多は米国便で8,239人(前週比+304人)、ドイツ便が3,261人(前週比+542人)と急増して続いています。
今週は増減バラバラな印象でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、カタール便1,543人(前週比+587人)。トルコ便1,543人(前週比+544人)、ドイツ便と続いています。欧州便の増加が目立ちます。
皆増した国:バングラデシュ13人、トルクメニスタン9人、キプロス5人と一気に減りました。人数少なくチャーター便とみられます。
減少している国:最も人数が減ったのは、フィリピン便2,326人(前週比-604人)、続いてオランダ便1,197人(前週比-564人)、ベトナム便745人(前週比-273人)でした。
皆減した国:ルーマニア(167人)、ウズベキスタン(146人)、カザフスタン(128人)、グアム(87人)、セルビア(42人)、エジプト(34人)。五輪絡みのチャーター便とみられる国でした。
■[居住地分析] 居住地日本は日本国籍者
居住地を「日本」とした謎人物ですが、7月18日成田着タンザニアから入国の50代男は、日本国籍者であることが分かりました。
外国籍者などが都道府県が分からない可能性が推定されましたが、都道府県名を隠匿しようとして隠匿しています。
この人物は、デルタ株陽性者であることも確定し、トンデモナイ人物であることが分かりました。
こんな時期に外国と行き来したうえ、ウイルス密輸直前で、かつ、ふざけた回答をするあたり、検疫も舐められたもんですね。
もう一人出ている7月12日成田着インドネシアから入国の50代男は、日本国籍者か外国籍者かは不明です。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
07/18-07/24
全検査
合計 検体35,885陽性67 0.19%↓
日本 検体 9,924陽性33 0.33%↓
外国 検体25,961陽性34 0.13%↓
検体数の多い国
米 国:合計 検体6,770、陽性 4=0.06%
日本国籍 検体3,050 陽性 2=0.07%/外国籍 検体3,720 陽性 2=0.05%
中 国:合計 検体2,586、陽性 0=0%
日本国籍 検体 699 陽性 0=0%/外国籍 検体1,887 陽性 0=0%
英 国:合計 検体1,854、陽性 5=0.27%
日本国籍 検体 584 陽性 4=0.68%/外国籍 検体1,270 陽性 1=0.08%
フランス:合計 検体1,748、陽性 1=0.06%
日本国籍 検体 433 陽性 0=0%/外国籍 検体1,315 陽性 1=0.08%
ド イ ツ:合計 検体1,670、陽性 0=0%
日本国籍 検体 474 陽性 0=0%/外国籍 検体1,196 陽性 0=0%
罹患率の高い国
ソマリア:合計 検体 4、陽性 1=25.00%
日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 4 陽性 1=25.00%
キルギス:合計 検体 22、陽性 3=13.64%
日本国籍 検体 4 陽性 2=50.00%/外国籍 検体 18 陽性 1=5.56%
タンザニア:合計 検体 16、陽性 1=6.25%
日本国籍 検体 9 陽性 1=11.11%/外国籍 検体 7 陽性 0=0%
セネガル:合計 検体 22、陽性 1=4.55%
日本国籍 検体 8 陽性 1=12.50%/外国籍 検体 14 陽性 0=0%
キプロス:合計 検体 46、陽性 2=4.35%
日本国籍 検体 4 陽性 2=50.00%/外国籍 検体 42 陽性 0=0%
■毎日の個別発表との誤差状況(7月18日〜7月24日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):67人
(B)毎日発表:65人中非公表0人(複数国滞在者2人=ウズベキスタン/チリ、ポーランド/ギリシャ)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
・誤差なし
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
STAY HOME NOW, FLY LATER
防ごうウイルス密輸! ウイルス疑いと戦う検疫官 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス拡散! 十四日間隔離を頑張る入国者 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス拝受! お出迎えを我慢した国内居住者 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス持込! そもそも帰国を我慢した在留邦人 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス密輸! ウイルス疑いと戦う検疫官 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス拡散! 十四日間隔離を頑張る入国者 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス拝受! お出迎えを我慢した国内居住者 防疫ヒーローにエールを!
防ごうウイルス持込! そもそも帰国を我慢した在留邦人 防疫ヒーローにエールを!