検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が29週目に突入
厚生労働省(厚労省)は13日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の7月4週目(7月25日〜7月31日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が29週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■外国籍者半減・日本国籍者増加、明らかに五輪需要
7月4週目は、検査数は24,273件(前週比-11,612件)と激減しました。
日本国籍者は11,559件(前週比+1,635件)と3週ぶりに増加。外国籍者は12,714件(前週比-13,247件)と半減しています。
7月23日から東京2020オリンピック(東京五輪)が始まっており、前週は選手団の入国が相次いでいましたから、五輪需要が減ったことが明らかな数字になっています。外国籍者は半減はしたものの、6月レベルまで落ちてはおらず、まだ選手団入国がある程度続いているものと思われます。
一方、日本国籍者は、夏休みの一時帰国需要が戻ったと思われます。8月1日を過ぎると、旧盆期間中に外に出られなくなるため、次週以降は日本国籍者は減るものと思われます。前週までは東京五輪需要で予約が困難でしたから、今年の夏休みの一時帰国者の入国は、この7月4週目に集中しているものと推定されます。
■欧州からの入国急減
国別で見ると、入国者数最多は米国で5,505件(前週比-1,265件)でした。
二番目は中国で1,885件(前週比-701件)でここまでは前週と順位は同じです。
三番目はフランスで1,342件(前週比-406件)。
前週に十番目まで落ち込んでいたインドネシアが1,308件(前週比+496件)と一気に四番目まで順位を上げました。
五番目は3週連続となるドイツで1,263件(前週比+407件)でした。
前々週六番目に落ちたフィリピンは3週連続で六番目で1,149件(前週比-13件)でした。
七番目は英国で829件(前週比-1,025件)と半減以下になっています。
八番目はタイ806件(前週比+99件)、九番目は韓国774件(前週比-317件)。
十番目はイタリアで528件(前週比+616件)で半減以下でした。
5週前から急に増え始めた欧州からの入国者の増加がストップし、一気に減少しています。半減程度の減少となる国が相次いでいます。そのほとんどが外国籍者の減少で、五輪需要が減ったのが明らかです。
欧州の中でも順位を維持したフランスやドイツは、外国籍者が減少した代わりに日本国籍者が増えています。イタリアやスペインも日本国籍者は増えており、夏休みの一時帰国も増加したとみられる結果となっています。
様相が異なるのがインドネシアとタイで日本国籍者が急増しています。いずれも現地の感染状況が悪化しており、逃げ帰り需要が増加したものとみられます。
この週は、検体数(≒入国者数)が減少した国の方が多いです。
■外国籍者が急増した国ばかり
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、フランス、インドネシア、ドイツ、英国、タイでした。
米国は、今週は日本国籍者2,950件・外国籍者2,555件。外国籍者が急減しました。前週のみ外国籍者が多く、五輪関係者の入国が一気に減ったとみられます。
フランスは、日本国籍者794件・外国籍者548件で、日本国籍者は増加、外国籍者は急減。前週のみ外国籍者が多く、五輪関係者の入国が一気に減ったとみられます。
インドネシアは、日本国籍者1,052件・外国籍者256件。日本国籍者は急増、外国籍者は増加。現地感染悪化に伴う臨時チャーター便が急増して週で、緊急帰国者が大幅に増えたものと推定されます。
ドイツは、日本国籍者742件・外国籍者521件で、日本国籍者は増加、外国籍者は急減。前週のみ外国籍者が多く、五輪関係者の入国が一気に減ったとみられます。
英国は、日本国籍者538件・外国籍者291件。日本国籍者は微減、外国籍者は激減。五輪関係者の入国が一気に減ったとみられます。
タイは、日本国籍者730件・外国籍者76件。日本国籍者は増加、外国籍者は微減で、日本国籍者の一時帰国が影響したものと思われます。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、イタリアのみでした。
イタリアは、日本国籍者270件・外国籍者258件。日本国籍者は増加、外国籍者は急減。前週のみ外国籍者が多く、五輪関係者の入国が一気に減ったとみられます。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、韓国でした。
中国は、日本国籍者709件・外国籍者1,176件。日本国籍者は微増、外国籍者は減少で、五輪関係者の入国が少し減ったとみられます。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピン。日本国籍者132件・外国籍者1,017件で、前週と同レベルで、五輪などどこ吹く風ですね。
韓国は、日本国籍者289件・外国籍者485件。日本国者は微増、外国籍者は急減。五輪関係者の入国が一気に減ったとみられます。
欧州便は、外国籍者が急減し、日本国籍者が増加するパターンが多く見られました。五輪需要が一気になくなり、代わりに夏休みの一時帰国が増えたと考えられます。
この他、十位以内に入っていませんが、11位のロシアは外国籍者の方が多く、12位の台湾、13位のスイス、14位のスペイン、15位のベトナムはいずれも日本人と外国人が同じくらいでした。ベトナムを除き、いずれも外国籍者が半減以下。いずれの国も日本国籍者はあまり変化なしという状況です。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち、上記にない9か国は、
バングラデシュ 71件(前週比-42件)=多くは外国籍者の減少
ネパール 12件(前週比±0件)=日本国籍者3件・外国籍者9件
インド 245件(前週比-115件)=日外ともに減少
パキスタン 27件(前週比-24件)=日外ともに減少
スリランカ 72件(前週比-19件)=日外ともに増加
モルディブ 6件(前週比-9件)=外国籍者の全減
アフガニスタン 3件(前週比-11件)=日外ともに減少、日本国籍者1件・外国籍者2件
キルギス 39件(前週比+17件)=日外ともに増加
ザンビア 9件(前週比-18件)=ほぼ外国籍者の減少
でした。今回も相変わらず日外状況がバラバラでした。
・高感染国が多い欧米からの入国は、日本国籍者増加・外国籍者が激減→五輪需要終了・一時帰国増加
・アジアからの入国は、現地感染の悪化が目立つ一部の国は、日本国籍者が増加
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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