2021年08月21日

8月1週入国_邦人再び外人超

◇空港検疫 8月1週目検体数(≒入国者数) 外国籍者減少し、日本国籍者が再び過半数

検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が30週目に突入


厚生労働省(厚労省)は20日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の8月1週目(8月1日〜8月7日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。

今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が30週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。

日本国籍者が再び外国籍者超す、五輪需要急減
8月1週目は、検査数は21,987件(前週比-2,288件)と減少しました。
日本国籍者は12,971件(前週比+1,411件)と2週連続増加。外国籍者は9,016件(前週比-3,699件)と2週連続減少しています。外国籍者の減少は前週程の激減ではないものの続いており、日本国籍者の方が4週ぶりに再び多くなりました。

7月23日から東京2020オリンピック(東京五輪)が始まっており、前々週は選手団の入国が相次いでいましたから、五輪需要が減ったことが明らかな数字になっています。
8月1日を過ぎると、旧盆期間中に外に出られなくなるため、日本国籍者は減るものと思われていましたが、増加が続いています。

欧州からの入国減少続く中、日本国籍者増加の国も
国別で見ると、入国者数最多は米国で5,249件(前週比-256件)でした。ほぼ外国籍者の減少です。
二番目は中国で1,824件(前週比-61件)でここまでは前週と順位は同じです。
三番目はタイで1,678件(前週比+872件)。ほぼ日本国籍者の増加で、倍増以上の伸びになっています。
四番目はフィリピンの1,464件(前週比+315件)。4週ぶりに五指に入りました。
五番目はフランスで1,037件(前週比-305件)でした。ほぼ外国籍者の減少です。


六番目はインドネシアが900件(前週比-409件)。ほぼ日本国籍者の減少です。
七番目はドイツで832件(前週比-431件)。外国籍者が多く減少し、4週ぶりに五指から外れています。
八番目は韓国で809件(前週比+35件)と前週と大きく変わらず。
九番目はベトナムで557件(前週比+225件)。倍増に近く、ほぼ日本国籍者の増加となっています。
十番目は英国で516件(前週比-313件)。日外ともに減少が続いています。

6週前から急に増え始めた欧州からの入国者の増加は前週にストップしましたが、今週はさらに減少しています。そのほとんどが外国籍者の減少で、五輪需要が減ったのが明らかです。
一方で、増加した国は多くが日本国籍者による増加です。14日間の隔離期間があるため、8月1日以降の入国は旧盆期間に間に合いません。休暇の一時帰国とは思えず、新学期(海外だと新学年)を控えた動きでしょうか。

タイは2週連続で日本国籍者が急増。現地の感染状況が悪化しており、逃げ帰り需要が増加したものとみられます。

この週は、検体数(≒入国者数)が減少した国の方がやや多い印象です。

外国籍者が急増した国ばかり
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイ、フランス、インドネシア、ドイツ、ベトナム、英国でした。
米国は、日本国籍者3,020件・外国籍者2,229件。日本国籍者は微増、外国籍者は減少。五輪関係者の入国がさらに減ったとみられます。
タイは、日本国籍者1,589件・外国籍者89件。日本国籍者は倍増で、現地感染悪化に伴う逃げ帰り需要が加速しているとみられます。
フランスは、日本国籍者735件・外国籍者302件で、日本国籍者は微減、外国籍者は減少。五輪関係者の入国がさらに減ったとみられます。
インドネシアは、日本国籍者754件・外国籍者146件。日本国籍者は急減、外国籍者は減少。逃げ帰り需要が少し落ち着いたと推定されます。
ドイツは、日本国籍者627件・外国籍者205件。日外ともに減少していますが、外国籍者は半減です。五輪関係者の入国がさらに減ったとみられます。
ベトナムは、日本国籍者436件・外国籍者121件。日本国籍者が急増。現地感染が急激悪化しており、逃げ帰り需要が出たものとみられます。
英国は、日本国籍者309件・外国籍者207件。日外ともに減少しています。

日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、中国のみでした。
中国は、日本国籍者904件・外国籍者920件。日本国籍者は増加、外国籍者は減少。五輪関係者の入国がさらに減ったとみられます。

外国人が多いのは、上位十位までの国では、フィリピン、韓国でした。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピンで、日本国籍者257件・外国籍者1,207件。日外ともに増加しています。五輪関係なさそうです。
韓国は、日本国籍者277件・外国籍者532件。日本国者は微減、外国籍者は微増。こちらも五輪はあまり関係していないようです。

この他、十位以内に入っていませんが、13番目のブラジルは外国籍者の方が多く、11番目の台湾、12番目のイタリア、14番目のマレーシア、15番目のシンガポールはいずれも日本国籍者の方が多いです。
イタリアは五輪影響してか外国籍者が急減。その他の国は多い方がより増やしています。

なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち、上記にない9か国は、
 バングラデシュ 60件(前週比-11件)=多くは外国籍者の減少
 ネパール 12件(前週比±0件)=日本国籍者5件・外国籍者7件
 インド 288件(前週比+43件)=外国籍者が目立って増加
 パキスタン 59件(前週比+32件)=外国籍者が目立って増加
 スリランカ 31件(前週比-41件)=外国籍者が目立って減少
 モルディブ 3件(前週比-3件)=日本国籍者1件・外国籍者2件
 アフガニスタン 5件(前週比+2件)=日本国籍者4件・外国籍者1件
 キルギス 19件(前週比-20件)=外国籍者が目立って減少
 ザンビア 3件(前週比-6件)=外国籍者が全減
でした。今回も相変わらず日外状況がバラバラでしたが、インドとパキスタンで外国籍者増えているのが気になります。

・高感染国が多い欧米からの入国は、外国籍者が減少→五輪需要終了
・アジアからの入国は、現地感染の悪化が目立つ一部の国は、日本国籍者が増加

といった傾向になっています。

罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。

水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


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posted by johokotu at 18:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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