2021年08月28日

検疫週間速報8月2_外人改善で差縮

◇空港検疫(週間速報)8月2週目 外国籍者改善で差が縮まる

厚生労働省(厚労省)は8月20日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の8月1週目(8月1日〜8月7日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。8月20日の公表で、2020年10月4日〜2021年8月7日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 外国籍者はやや改善、差が縮まる
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)

08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)

今週の検体数は、日本国籍者は減少、外国籍者は微増。日外比率は1:0.85とやや差が縮まりました。
今週の陽性数は、日本国籍者3人減、外国籍者13人減。日外比率は1:0.95です。前週5週ぶりに日本国籍者が増えましたが、今週は再び外国籍者の方が少なくなっています。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、タイ、フィリピン、フランスの順でした。全体的に減少した国が多くなっています。
日本人は10,719件でした。12月4週目の12,354件を再び下回りました。
外国人は減少。今週は9,090件と一万人を切ったままです。1月3週目の17,873件も当然下回っています。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が17%減少に対して陽性者数は7%減少。外国籍者は検査数が1%増の横ばいに対して陽性者数は25%も減です。
この結果、罹患率は、日本国籍者は悪化、外国籍者は改善しています。6月以前の傾向に戻ってはいるものの、やや傾向が薄まった印象です。

全体の罹患率は0.39%とやや改善しています。

日本国籍者が外国籍者よりも罹患率が良かったのは、前週5週ぶりに良くなってから2週連続です。

[陽性者数多い国分析] 27か国/米国激烈悪化中、アフリカの日本国籍者目立つ
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ている米国、フィリピン、英国、インドネシア、ウズベキスタン、トルコ、オランダ、ミャンマー、タイ、マレーシア、ブラジル、パキスタン、セネガル、スリランカ、キルギス、ロシアなどを含めて27か国(前週比±0)からの入国者に陽性者が出ました。国数が多い状況が続いています。

米国が19人(前週比+4人)とさらに悪化しています。日本国籍者は11人と急増しています。入国者数は減っているので、激烈な悪化です。
悪い状態が続いているのがフィリピンで8人(前週比-6人)。陽性者は減ったもののまだまだ悪いです。相変わらず日本国籍者は入国者が外国籍者の6分の1ほどしかいないのに、陽性者は4人で、日本国籍者の悪さが目立ちます。

インドネシアは7人(前週比-8人)と2週連続の急減。うち日本国籍者は5人で、割合は日本国籍者の方が悪いです。
同じ7人(前週比+4人)だったのが英国。急激に悪化しています。入国者数は日外同じくらいですが、陽性者は日本国籍者が5人で、割合は日本国籍者の方が悪いです。

外国籍者の陽性が多かったのがウズベキスタンの4人(前週比+1人)とナイジェリアの4人(前週比皆増)。ナイジェリアの1人が日本国籍者なだけで、外国籍者だらけです。

3人陽性だったのが、トルコ(前週比±0人)とオランダ(前週比+1人)。トルコは2人、オランダは1人が日本国籍者です。

2人陽性だったのは、タイ(前週比-5人)、ミャンマー(前週比-4人)、デンマーク(前週比皆増)、ペルー(前週比皆増)の4か国でした。タイとミャンマーは2人とも日本国籍者、デンマークとペルーは2人とも外国籍者です。

残り15か国は1人ずつで、エチオピア、ザンビア、セネガル、トーゴ、パキスタン、バングラデシュ、メキシコの7か国が日本国籍者でした。アフリカは日本国籍者の陽性が多い印象でした。

[罹患率高い国分析] 1%超えは27か国中21か国/国際線到着空港は超危険、ラムダ株発見のペルーはほとんど外国籍者
最も罹患率が悪かったのは、ザンビアで100.00%(検体1件中1人陽性=日本国籍者)でした。
トーゴ25.00%(検体4件中1人陽性=日本国籍者)
ナイジェリア16.00%(検体25件中4人陽性=外国籍者検体20件中3人陽性)

と続きました。
以上の3か国が二桁割合(10%以上)です。アフリカ諸国は元々の入国者数がごく少ないので、1人出ただけで率が一気に跳ね上がりますが、ナイジェリアは異常な状況です。

この後は、
セネガル9.09%(検体11件中1人陽性=日本国籍者検体3件中1人陽性)、
エチオピア7.69%(検体13件中1人陽性=日本国籍者検体10件中1人陽性)、
キルギス6.67%(検体15件中1人陽性=外国籍者検体12件中1人陽性)、
ウズベキスタン6.67%(検体60件中4人陽性=外国籍者検体53件中4人陽性)、
デンマーク4.76%(検体42件中2人陽性=外国籍者検体28件中2人陽性)、
カタール4.17%(検体24件中1人陽性=外国籍者検体7件中1人陽性)、
ペルー3.77%(検体53件中2人陽性=外国籍者検体49件中2人陽性)、
ネパール3.70%(検体27件中1人陽性=外国籍者検体24件中1人陽性)、
スリランカ3.45%(検体29件中1人陽性=外国籍者検体14件中1人陽性)、
ガーナ2.38%(検体42件中1人陽性=外国籍者検体26件中1人陽性)、
チュニジア2.22%(検体45件中1人陽性=外国籍者検体43件中1人陽性)、
パキスタン2.17%(検体46件中1人陽性=日本国籍者検体17件中1人陽性)、
バングラデシュ1.79%(検体56件中1人陽性=日本国籍者検体22件中1人陽性)、
オランダ1.63%(検体184件中3人陽性=外国籍者検体73件中2人陽性)、
トルコ1.55%(検体193件中3人陽性=日本国籍者検体63件中2人陽性)、
ミャンマー1.40%(検体143件中2人陽性=日本国籍者検体94件中2人陽性)、
英国1.03%(検体677件中7人陽性=日本国籍者検体354件中5人陽性)、
インドネシア1.01%(検体693件中7人陽性=日本国籍者検体437件中5人陽性)
と続きました。
1%超えは以上の21か国と急増しています。
・2%台以上の国は、外国籍者の入国が圧倒的に多く、陽性者も外国籍者という国が多い。
・1%台の国は、複数人陽性の国が多く、日本国籍者の陽性が多い。
といった特徴が出ています。


セネガル、キルギス、ウズベキスタン、スリランカ、パキスタン、オランダ、ミャンマー、インドネシアが連続で1%超えの異常状態でした。悪化している国が増えている印象です。
キルギスは10%は下回ったものの、6.67%と相変わらず罹患率が高いです。


インドネシアやキルギス等は1%超え常連なのに、いつまで経っても再入国禁止すらもせずにダラダラダラダラウイルス密輸を許している状況です。2%以上の国は多くが外国籍者の入国者が圧倒的に多いので、再入国禁止にすれば一気に陽性者を減らせるのですが、全然そういう措置は取りませんね。
そして、ペルーの2人はいずれもラムダ株であることが発表されています。圧倒的に外国籍者入国が多い国で、2人も外国籍者。新規入国は当然禁止として、再入国禁止にしていれば、簡単に日本上陸を防げた事例でした。
原因は圧倒的に水際対策の策不足ですね。
ペルーは入国者が外国籍者ばかりですが、ラムダ株のすり抜け大丈夫でしょうか、、、。



[航空便利用者数分析] 利用者は減少
合計の利用者数は31,552人(前週比-1,769人)と減少でした
最多は米国便で6,640人(前週比-725人)、中国便が2,910人(前週比+361人)と続いています。中国は航空便就航がかなり厳しく制限されているため、中国内での乗り継ぎ需要はないでしょうが、入国者は減少している一方で航空利用者は増加しています。中国発日本を経由地とした乗り継ぎ需要があったのでしょうか。

今週は増加の国は少なめでした。
増加している国:最も人数が増えたのは、ベトナム便1,756人(前週比+260人)。韓国便1,261人(前週比+222人)と続いています。
皆増した国:ウズベキスタン50人、スペイン30人、ブラジル1人です。いずれも定期便就航はなく、チャーター便とみられます。

減少している国:最も人数が減ったのは、米国便。フィリピン2,834人(前週比-690人)、フランス便1,308人(前週比-357人)と続いています。
皆減した国:チェコ(4人)、ソロモン諸島(2人)。いずれもチャーター便とみられる国でした。

相変わらずニューカレドニアは入国者数が0人しかいないのですが、なぜか便利用だけがあります。定期便はフランスとの間の日本経由便として使われているので、ほぼ日本では乗り継ぎ需要ということでしょうか。



毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
08/08-08/14
全検査
合計 検体19,809陽性78 0.39%
日本 検体10,719陽性40 0.37%
外国 検体 9,090陽性38 0.42%↓急減


検体数の多い国
米  国:合計 検体5,003、陽性19=0.38%
  日本国籍 検体2,865 陽性11=0.38%/外国籍 検体2,138 陽性 8=0.37%
中  国:合計 検体1,660、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 780 陽性 0=0%/外国籍 検体 880 陽性 0=0%
タ  イ:合計 検体1,483、陽性 2=0.13%
  日本国籍 検体1,411 陽性 2=0.14%/外国籍 検体 72 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体11,109、陽性 8=0.72%
  日本国籍 検体 150 陽性 4=2.67%/外国籍 検体 959 ​陽性 4=0.42%
フランス:合計 検体 895、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 492 陽性 0=0%/外国籍 検体 403 陽性 0=0%

罹患率の高い国
ザンビア:合計 検体 1、陽性 1=100.00%
  日本国籍 検体 1 陽性 1=100.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
トーゴ :合計 検体 4、陽性 1=25.00%
  日本国籍 検体 4 陽性 1=25.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
ナイジェリア:合計 検体 25、陽性 4=16.00%
  日本国籍 検体 5 陽性 1=20.00%/外国籍 検体 20 陽性 3=15.00%
セネガル:合計 検体 11、陽性 1=9.09%
  日本国籍 検体 3 陽性 1=33.33%/外国籍 検体 8 陽性 0=0%
エチオピア:合計 検体 13、陽性 1=7.69%
  日本国籍 検体 10 陽性 1=10.00%/外国籍 検体 3 陽性 0=0%


毎日の個別発表との誤差状況(8月8日〜8月14日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):78人
(B)毎日発表:74人中非公表0人(複数国滞在者4人=米国/メキシコ、トーゴ/エチオピア、デンマーク/オランダ2人)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 誤差なし


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


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ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 02:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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