厚生労働省(厚労省)は9月3日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の8月3週目(8月15日〜8月21日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。9月3日の公表で、2020年10月4日〜2021年8月21日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 陽性者数100人超え
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
今週の検体数は、日本国籍者は減少、外国籍者は急増。日外比率は1:2.03と一気に外国籍者が逆転。ダブルスコアになりました。
今週の陽性数は、日本国籍者8人減、外国籍者31人も急増。日外比率は1:2.15です。再び外国籍が逆転しています。検体数同様にダブルスコアです。
公表が始まった昨年10月4日以来初めて陽性者数が週間100人を超えました。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、タイ、フランス、フィリピンの順でした。全体的に増加した国が多くなっています。
日本人は8,375件でした。12月4週目の12,354件を2週連続で下回りました。
外国人は急増。今週は17,069件と一万人を超え、1月3週目の17,873件に肉薄しています。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が22%減少に対して陽性者数は20%減少。外国籍者は検査数が88%増加に対して陽性者数は82%増加です。
この結果、罹患率は、日本国籍者はやや悪化、外国籍者はやや改善しています。前週とは大きく変わらず、入国者増したことで、ほぼ変わらない割合のまま陽性者増加となっています。
全体の罹患率は0.40%とほぼ横ばいでした。
日本国籍者が外国籍者よりも罹患率が良かったのは3週連続ですが、差はほとんどなくなりました。
■[陽性者数多い国分析] 32か国/米国・フィリピンがとにかく悪いまま
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ている米国、フィリピン、インドネシア、パキスタン、ウズベキスタン、トルコ、メキシコ、ネパール、オランダ、英国、ミャンマー、ブラジル、バングラデシュ、キルギスなどを含めて32か国(前週比+5)からの入国者に陽性者が出ました。国数が多い状況が続いています。
米国が20人(前週比+1人)とさらに悪化しています。日本国籍者は5人と半減。外国籍者が15人と倍増です。
続いてフィリピンが18人(前週比+10人)とさらに急激悪化しています。相変わらず日本国籍者は入国者が外国籍者の6分の1ほどしかいないのに、陽性者は6人で、日本国籍者の悪さが目立ちます。
インドネシアは8人(前週比+1人)と下げ止まりました。うち日本国籍者は5人で、割合は日本国籍者の方が悪いです。
続いて6人だったのがパキスタン(前週比+5人)とウズベキスタン(前週比+2人)。パキスタンは急激に悪化しています。陽性者は全員外国籍者です。パキスタンは、8月13日に在留資格保持者の再入国拒否を解除し、翌14日に強制隔離期間を入国後3日間に緩和しましたが、その影響が悪い方向に出まくっています。規制緩和は完全に大失敗です。
続いてフランスの4人(前週比皆増)とトルコの4人(前週比+1人)。いずれも3人が外国籍者です。
3人陽性だったのが、メキシコ(前週比+2人)とレソト(前週比皆増)。レソトは3人とも外国籍者、メキシコは2人日本国籍者です。
2人陽性だったのは、ヨルダン(前週比皆増)、フィジー(前週比皆増)、ネパール(前週比+1人)、スペイン(前週比皆増)、オランダ(前週比-1人)、英国(前週比-5人)の6か国でした。英国とオランダは2人とも日本国籍者、スペインとネパールは2人とも外国籍者です。
残り17か国は1人ずつで、コスタリカ、ドイツ、バングラデシュ、ブラジル、ミャンマー、モルドバの6か国のみが日本国籍者でした。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは32か国中20か国/国際線到着空港は超危険、二桁はレソトのみ
最も罹患率が悪かったのは、レソトで42.86%(検体7件中3人陽性=外国籍者)でした。
以上の1か国が二桁割合(10%以上)です。アフリカ諸国は元々の入国者数がごく少ないので、1人出ただけで率が一気に跳ね上がりますが、レソトは1桁入国者数に対し複数人陽性という異常な状況です。
この後は、
ジャマイカ8.33%(検体12件中1人陽性=外国籍者検体11件中1人陽性)
ヨルダン7.41%(検体27件中2人陽性=日本国籍者検体6件中1人陽性)
モンテネグロ7.14%(検体14件中1人陽性=外国籍者)
ネパール5.26%(検体38件中2人陽性=外国籍者検体33件中2人陽性)
フィジー4.65%(検体43件中2人陽性=日本国籍者検体17件中1人陽性)
モルドバ3.45%(検体29件中1人陽性=日本国籍者検体10件中1人陽性)
コスタリカ3.45%(検体29件中1人陽性=日本国籍者検体6件中1人陽性)
キルギス3.33%(検体30件中1人陽性=外国籍者検体29件中1人陽性)
ウズベキスタン3.33%(検体180件中6人陽性=外国籍者検体168件中6人陽性)
パキスタン2.99%(検体201件中6人陽性=外国籍者検体194件中6人陽性)
コートジボワール2.94%(検体34件中1人陽性=外国籍者検体21件中1人陽性)
ケニア2.17%(検体46件中1人陽性=外国籍者検体31件中1人陽性)
アゼルバイジャン2.13%(検体47件中1人陽性=外国籍者検体46件中1人陽性)
バングラデシュ1.82%(検体55件中1人陽性=日本国籍者検体27件中1人陽性)
フィリピン1.48%(検体1,216件中18人陽性=日本国籍者検体160件中6人陽性)
モロッコ1.27%(検体79件中1人陽性=外国籍者検体66件中1人陽性)
イスラエル1.27%(検体79件中1人陽性=外国籍者検体71件中1人陽性)
メキシコ1.19%(検体253件中3人陽性=日本国籍者検体138件中2人陽性)
南アフリカ1.04%(検体96件中1人陽性=外国籍者検体82件中1人陽性)
と続きました。
1%超えは以上の20か国と多い状態が続いています。
ネパール、キルギス、ウズベキスタン、パキスタン、バングラデシュが連続で1%超えの異常状態でした。何と全ての国が、南アジア・中央アジアでした。
10%以上が常連のキルギスは先週の6.67%から半減しています。
キルギス等は1%超え常連なのに、いつまで経っても再入国禁止すらもせずにダラダラダラダラウイルス密輸を許している状況です。
■[航空便利用者数分析] 利用者は急増
合計の利用者数は38,038人(前週比+6,486人)と急増しています。
最多は米国便で7,184人(前週比+544人)、中国便が3,877人(前週比+967人)と続いています。中国は航空便就航がかなり厳しく制限されているため、中国内での乗り継ぎ需要はないでしょうが、入国者は減少している一方で航空利用者は引き続き増加しています。中国発日本を経由地とした乗り継ぎ需要があったのでしょうか。
今週はほぼ増加の国ばかりでした。
増加している国:最も人数が増えたのは、中国便。トルコ便1,492人(前週比+783人)、ドイツ便1,966人(前週比+649人)、ベトナム便2,389人(前週比+633人) 、米国便と続いています。
皆増した国:カザフスタン52人、カンボジア3人です。いずれも定期便は長期欠航中で、チャーター便とみられます。
減少している国:最も人数が減ったのは、フィンランド便218人(-63人)です。
皆減した国:ブラジル(1人)。チャーター便とみられる国でした。
相変わらず利用者数の多いニューカレドニアは入国者数が7人出ました。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
08/15-08/21
全検査
合計 検体25,444/陽性101 0.40%
日本 検体 8,375/陽性 32 0.38%
外国 検体17,069/陽性 69 0.40%
検体数の多い国
米 国:合計 検体5,152、陽性20=0.39%
日本国籍 検体2,576 陽性 5=0.19%/外国籍 検体2,576 陽性15=0.58%
中 国:合計 検体1,747、陽性 0=0%
日本国籍 検体 575 陽性 0=0%/外国籍 検体1,172 陽性 0=0%
タ イ:合計 検体1,607、陽性 0=0%
日本国籍 検体1,231 陽性 0=0.14%/外国籍 検体 376 陽性 0=0%
フランス:合計 検体1,321、陽性 4=0.30%
日本国籍 検体 348 陽性 1=0.29%/外国籍 検体 973 陽性 3=0.31%
フィリピン:合計 検体1,216、陽性18=1.48%
日本国籍 検体 160 陽性 6=3.75%/外国籍 検体1,056 陽性12=1.14%
罹患率の高い国
レソト :合計 検体 7、陽性 3=42.86%
日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 7 陽性 3=42.86%
ジャマイカ:合計 検体 12、陽性 1=8.33%
日本国籍 検体 1 陽性 0=0%/外国籍 検体 11 陽性 1=9.09%
ヨルダン:合計 検体 27、陽性 2=7.41%
日本国籍 検体 6 陽性 1=16.67%/外国籍 検体 21 陽性 1=4.76%
モンテネグロ:合計 検体 14、陽性 1=7.14%
日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 14 陽性 1=7.14%
ネパール:合計 検体 38、陽性 2=5.26%
日本国籍 検体 5 陽性 0=0%/外国籍 検体 33 陽性 2=6.06%
■毎日の個別発表との誤差状況(8月15日〜8月21日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):101人
(B)毎日発表:99人中非公表0人(複数国滞在者2人=南アフリカ/レソト、パキスタン/トルコ)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
誤差なし
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
STAY HOME NOW, FLY LATER
結果を見れば一目瞭然。隔離しないとダメなんです。
入国後隔離を頑張る皆さんを応援します。
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