2021年09月18日

検疫週間速報9月1_外人急激悪化

◇空港検疫(週間速報)9月1週目 外国籍者検体数減少なのに陽性者は増加して罹患率急激悪化

厚生労働省(厚労省)は9月17日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の9月1週目(8月29日〜9月4日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。9月17日の公表で、2020年10月4日〜2021年9月4日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 外国籍者が急激悪化
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
08/22-08/28 検体20,067・陽性69=罹患率0.34%(日本国籍0.30%:外国籍0.38%)

08/29-09/04 検体18,832・陽性86=罹患率0.46%(日本国籍0.32%:外国籍0.60%)

今週の検体数は、日本国籍者は増加、外国籍者は急減。日外比率は1:0.91と日本国者の方が多くなりました。
今週の陽性数は、日本国籍者4人増、外国籍者13人増加。日外比率は1:1.69です。外国籍者が増えました。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、韓国、フィリピン、タイの順でした。
日本人は9,867件でした。増加はしたものの、12月4週目の12,354件を4週連続で下回っています。
外国人は減少して8,965件。一万人を切りました。1月3週目の17,873件からだいぶ減っています。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が7%増加に対して陽性者数は14%増加。外国籍者は検査数が17%減少に対して陽性者数は32%増加です。
この結果、罹患率は、日本国籍者は若干悪化、外国籍者は急激に悪化しています。オリンピックの影響が減った8月1週目と似たような状況になっています。

全体の罹患率は0.46%と悪化しました。


[陽性者数多い国分析] 24か国/米比基に続きインドネシア再悪化
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ている米国、フィリピン、パキスタン、インドネシア、タイ、ロシア、ネパール、タンザニア、ウズベキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、ナイジェリア、スペイン、ジョージアなどを含めて24か国(前週比-4)からの入国者に陽性者が出ました。まだ国数が多い状況が続いていますが、ジリジリ減ってきています。

最悪は相変わらず米国で15人(前週比+3人)です。日本国籍者6人、外国籍者9人。外国籍者は検体数減っているのに陽性者は増えています。
フィリピンも15人(前週比+3人)でした。日本国籍者は4人で罹患率が悪化しています。

前週同様に続いてパキスタンが10人(前週比+2人)とジリジリ増加。陽性者は1人日本国籍者、9人外国籍者です。パキスタンは、8月13日に在留資格保持者の再入国拒否を解除し、翌14日に強制隔離期間を入国後3日間に緩和しましたが、その影響が悪い方向に出まくっています。規制緩和は完全に大失敗です。
インドネシアも10人(前週比+7人)と再び急増。外国籍者が6人も出ました。7月・8月の陽性者は逃げ帰りを反映してか日本国籍者が多かったですが、今週は外国籍者の検体数が増加し、それにつられて陽性者も出ています。パキスタン同様に規制緩和はすべきではない状況でしたが、9月20日から強制隔離期間が10日間から一気に3日間に短縮される予定です。

急に出てきたのがバングラデシュ4人(前週比皆増)で、日外2人ずつです。
同じ4人だったのがタイ(前週比+3人)。陽性者は全員日本国籍者です。

3人だったのが、ロシア(前週比+1人)、ペルー(前週比皆増)、ウクライナ(前週比皆増)の3か国。いずれの国も日本国籍者1人、外国籍者2人です。
2人なのは4か国。ウズベキスタン(前週比±0人)、UAE(前週比+1人)、タンザニア(前週比+1人)、ネパール(前週比+1人)です。タンザニアが日外1人ずつ以外は、全員外国籍者です。

残り11か国は1人ずつで、カンボジア、コロンビア、ジョージア、チェコ、ベラルーシ、南アフリカ、メキシコの7か国が日本国籍者でした。


[罹患率高い国分析] 1%超えは24か国中18か国/国際線到着空港は超危険
最も罹患率が悪かったのは、アルメニアで25.00%(検体4件中1人陽性=外国籍者検体1件中1人陽性)。続いてベラルーシ20.00%(検体5件中1人陽性=日本国籍者検体3件中1人陽性)、タンザニア12.50%(検体16件中2人陽性=日本国籍者検体4件中1人陽性)でした。
以上の3か国が二桁割合(10%以上)です。

この後は、
コロンビア7.14%(検体14件中1人陽性=日本国籍者検体7件中1人陽性)
ジョージア6.25%(検体16件中1人陽性=日本国籍者検体14件中1人陽性)
ペルー5.00%(検体60件中3人陽性=日本国籍者検体16件中1人陽性)
バングラデシュ4.35%(検体92件中4人陽性=外国籍者検体33件中2人陽性)
ネパール3.92%(検体51件中2人陽性=外国籍者検体42件中2人陽性)
パキスタン3.55%(検体282件中10人陽性=外国籍者検体247件中9人陽性)
ナイジェリア3.13%(検体32件中1人陽性=外国籍者検体29件中1人陽性)
南アフリカ2.86%(検体35件中1人陽性=日本国籍者検体22件中1人陽性)
チェコ2.78%(検体36件中1人陽性=日本国籍者検体33件中1人陽性)
ウクライナ2.73%(検体110件中3人陽性=日本国籍者検体28件中1人陽性)
ウズベキスタン2.22%(検体90件中2人陽性=外国籍者検体74件中2人陽性)
カンボジア2.04%(検体49件中1人陽性=日本国籍者検体46件中1人陽性)
インドネシア1.49%(検体672件中10人陽性=外国籍者検体347件中6人陽性)
フィリピン1.41%(検体1,063件中15人陽性=日本国籍者検体193件中4人陽性)
UAE 1.20%(検体166件中2人陽性=外国籍者検体68件中2人陽性)
と続きました。
1%超えは以上の18か国と若干増えました。

タンザニア、ジョージア、ネパール、パキスタン、ナイジェリア、ウズベキスタンが連続で1%超えの異常状態でした。
前週と比較すると、タンザニア、ジョージア、ナイジェリアは増加、ネパール、パキスタン、ウズベキスタンは同程度です。
10%以上が常連のキルギスが今週は陽性者がおらず落ち着きました。ネパール、パキスタン、ウズベキスタンはずっと1%超えが続いています。


[航空便利用者数分析] 利用者は減少
合計の利用者数は30,892人(前週比-789人)と微増でした
最多は米国便で6,656人(前週比+164人)、フィリピン便が3,554人(前週比+161人)、中国便が3,544人(前週比-152人)と続いています。

今週は減少国がやや多い状況でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、韓国便1,504人(前週比+251人)。インドネシア便1,534人(前週比+250人)が続いています。
皆増した国:モンゴル92人、ポーランド28人、オーストリア36人です。モンゴルは臨時便ですが定期運航に近い存在で、ポーランド、オーストリアは定期便です。

減少している国:最も人数が減ったのは、タイ便1,804人(前週比-537人)で2週連続。ドイツ便1,071人(前週比-379人)、ベトナム便1,551人(前週比-343人)などとなっています。
皆減した国:オマーン(44人)のみ。チャーター便とみられます。

相変わらず利用者数の多いニューカレドニアは入国者数は0人でした。



毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
08/29-09/04
全検査
合計 検体18,832/陽性 86 0.46%↑
日本 検体 9,867/陽性 32 0.32%
外国 検体 8,965/陽性 54 0.60%↑急増


検体数の多い国
米  国:合計 検体4,343、陽性15=0.35%
  日本国籍 検体2,764 陽性 6=0.22%/外国籍 検体1,579 陽性 9=0.57%
中  国:合計 検体2,036、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 678 陽性 0=0%/外国籍 検体1,358 陽性 0=0%
韓  国:合計 検体1,196、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 341 陽性 0=0%/外国籍 検体 855 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,063、陽性15=1.41%
  日本国籍 検体 193 陽性 4=2.07%/外国籍 検体 870 ​陽性11=1.26%
タ  イ:合計 検体 934、陽性 4=0.43%
  日本国籍 検体 820 陽性 4=0.49%/外国籍 検体 114 陽性 0=0%

罹患率の高い国
アルメニア:合計 検体 4、陽性 1=25.00%
  日本国籍 検体 3 陽性 0=0%/外国籍 検体 1 陽性 1=100.00%
ベラルーシ:合計 検体 5、陽性 1=20.00%
  日本国籍 検体 3 陽性 1=33.33%/外国籍 検体 2 陽性 0=0%
タンザニア:合計 検体 16、陽性 2=12.50%
  日本国籍 検体 4 陽性 1=25.00%/外国籍 検体 12 陽性 1=8.33%
コロンビア:合計 検体 14、陽性 1=7.14%
  日本国籍 検体 7 陽性 1=14.29%/外国籍 検体 7 陽性 0=0%
ジョージア:合計 検体 16、陽性 1=6.25%
  日本国籍 検体 14 陽性 1=7.14%/外国籍 検体 2 陽性 0=0%


毎日の個別発表との誤差状況(8月29日〜9月4日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):86人
(B)毎日発表:85人中非公表0人(複数国滞在者2人=ウクライナ/アルメニア、ロシア/ウクライナ)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 ・米 国 A=15人/B=16人(Bが1人超過)
 ・スペイン A=1人/B=2人(Bが1人超過)
 ・グアム A=1人/B=0人(Aが1人超過)


グアムは毎日発表では米国として発表されているものと見られます。
毎日発表でスペインが1人多いのは謎ですね。

水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


STAY HOME NOW, FLY LATER
結果を見れば一目瞭然。隔離しないとダメなんです。
入国後隔離を頑張る皆さんを応援します。

ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 02:00| 東京 🌁| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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